[第9回]社会人基礎力から見る人間力④
2018.3.20
今回は、考え抜く力の中から『課題発見力』と『計画力』を取り上げます。課題を発見する力や仕事を計画する力は、読者の皆さんにとっては当たり前のことかもしれません。
この二つに共通する言葉は“自分らしさ”ではないでしょうか。人間的な魅力があれば、“自分らしい”仕事に一歩近づけることができるはずです。そんなことを一緒に考えてみたいと思います。
考え抜く力 『課題発見力』
ある部署に配属になったばかりのあなたが『課題発見力』を発揮するためには、どのようなことを意識すれば良いでしょうか?
新しい部署ということは「これまでの慣習に縛られていない、第三者的な、フレッシュな目線を持っている」ということです。その立場を活かして、配属先の部署独特のしきたりや仕事の仕方について、問題提起をしても良いのではないでしょうか。
もちろん、最初から自分の意見が正しいという態度では受け入れられないでしょうが、新参者だからといって、黙って従う必要はありません。
ここでもあなたの人間力が問われます。いくら正しいことを言っても「新参者が何を言っているんだ」「何も知らないで言っている」と思われたら届きません。
拙い体験ですが、私が設計開発部門から人材開発部門へ異動となり、職場環境が一変したときのことです。入社20年目の新入社員の思いで、始業30分前には出社し、職場メンバーを元気に挨拶で迎えることから始めました。少しずつですが、新しい職場で信用を得て、自分の話も聞いてもらえるようになりました。たかが挨拶、されど挨拶です。
課題を発見するためには「物事の本来あるべき姿を常に描く感性」「現状を正確に把握し、分析する能力」そして「その両者のギャップのなかから課題を掘り下げ、抽出する能力」が必要です。
トヨタ生産方式の産みの親である大野耐一氏は「5回の『なぜ』を自問自答することによって、物事の因果関係とか、その裏に潜む本当の原因を突き止めることができる」(出典:大野耐一氏「トヨタ生産方式」)と述べています。
考え抜く力 『計画力』
あなたは上司から「行動する前にもっと考えろ」と指摘されたことはないでしょうか。
あなたが上司から仕事を依頼された場合、どのような点を大切にして聞いていますか?一番大切なことは「この仕事は何のためにやるのか?」との目的ではないでしょうか。仕事には必ず、この“何のために”があるはずです。
それを共有できれば、自分なりの知恵と工夫をアウトプットに盛り込むことができるはずです。この“自分らしさ”や“自分の思い”をアウトプットに散りばめることができれば、仕事は格段に楽しくなるのではないでしょうか。
もちろん「いつまでに終わらせるのか?」あるいは「何をどういうクオリティで求めているのか?」という具体的な目標を把握することも大切です。
次は、目的達成までの青写真を描いてみるといいでしょう。
青写真を描いたら、上司や先輩にチェックをしてもらい、必要に応じて軌道修正をして、コンセンサスを得るようにしましょう。
限られた時間で、与えられた複数のタスクを“自分らしく”、進めていくためには、正しい優先順位付けもしなくてはいけません。当たり前のことかも知れませんが、あなたの都合通りに人は動いてくれません。
東芝デジタルソリューションズ株式会社
商品統括部 HRMソリューション技術部
真野 広
※記事に掲載の、社名、部署名、役職名などは、2018年3月時点のものです。
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