取り組む社会課題
~人口減少が深刻化する日本の食品製造の持続化と食品ロス低減~
- 食品ロス
日本の食品製造で年間約120万トンの食品ロスが発生しています(農林水産省 食品ロスとは)。 - 作業員による品質のばらつき
食品原料は産地や仕入れ時期で固さや含まれる水分等にバラつきがあり、食品加工の仕上がりを揃えるため製造装置設定で調整をかけています。焼き工程では焼き上がり具合を検査してオーブンの設定温度やグリルコンベヤの速度を人が調整しており、ベテランと新人では製造の調整に差が出て不良発生の要因になっています。 - 高齢化と人手不足/食品製造ラインの持続化
日本人口減少と高齢化によりベテランの引退が進むが採用は進まず人手不足が深刻化していくため、持続可能で不良を作らない安定した食品製造ラインの実現が求められています。
実証内容とシステム構成
~検査結果から不良を作らない食品製造条件への調整自動化~
株式会社フツパーが提供するAI外観検査機と、サン・プラント工業株式会社が提供するグリルコンベヤとクラウド型PLCを連携して、焼き具合の検査結果からクラウド上で運用するAIでグリルコンベヤの設定を適正にしていく自動化の実証に取り組みました。
ハンバーグの焼け具合をエッジの画像認識AIで判定し、製造条件を導き出すクラウド上のAIに渡します。導き出された製造条件をクラウド型PLCへ渡して、グリルコンベヤの設定に自動で反映させるシステムを構築しました。焼き過ぎと判定されたケースでは、焼き時間を短くするためにグリルコンベヤの速度を上げます。本システム構築により、焼け具合の判定結果を使用して不良を作らない製造条件にクラウドから自動で調整をかけていく製造ライン構築の実現可能性を実証しました。食品原料の状態の異なるものに対応して、複数の工程に渡る種々製造パラメータから最適な製造条件を出力可能な様にAIを学習させることで、人手不足に備えた持続可能な食品ロスを低減する製造ラインが実現できます。
IIFES2024出展システム構成図 クラウド型PLCを活⽤したクラウド上でのAI分析による製造ライン調整
クラウド型PLC活用のポイント
~AI連携製造ラインの構築とアップデートはクラウド化が鍵~
製造条件をインテリジェントに決めるAIの能力は、SaaS、データセンタ等のクラウド先端技術に追従して進化していきます。例えばLLM(大規模言語モデル)の活用に進むなど加速度的に進化を遂げるクラウド上での技術革新の恩恵を受けるために、これまでOT(オペレーショナル テクノロジ)であった製造ラインもクラウド上でAI連携していくことが必要です。
セキュアにクラウドAIを製造に活用
クラウド型PLCは現場データをセキュアにリアルタイムでクラウドに上げられるため、クラウド上でAIとデータ連携した製造ラインの構築が可能です。
経営者と技術者はデータ利活用検討に集中
クラウド型PLCは迅速な意思決定を助けます。データドリブンな経営判断やAIモデル作成に必要な製造ビッグデータ(装置設定値、センサ値、検査結果、稼働実績など)について、クラウド型PLCは扱う全てのデータを選別することなくクラウドへ上げられるため、経営者と技術者はデータ利活用の検討に多くの時間を割り当てられるためです。