Hikaru Muraoka

村岡光

グラフィックデザイナー 2022年入社

デザイナーになろうとしたきっかけを
教えて下さい。

幼少期から父の影響で絵を描くことが好きで、中高6年間デッサン教室に通っていました。高校で軽音楽部に入っていた頃は、PCで描いたイラストを使ってフライヤーをデザインしたりと、自分にとって絵を描くことやデザインは身近なものでした。そして、ごく自然な流れでデザイナーを目指すようになりました。

本格的に「デザイン」を意識するようになったのは大学からです。ブランディングやUI/UXの授業で、コロナウイルスや海洋環境問題などの社会課題をテーマとした制作を経験したときでした。世の中を俯瞰した視点から取り組む中で、ふと「デザインがあれば、とんでもなく壮大で複雑な問題も、なんとかできる気がする」と感じた瞬間がありました。当時所属していたのはグラフィックデザイン学科でしたが、装飾や表現にとどまらない、「デザインの意義」に引き込まれました。

デザイナーになろうとしたきっかけを教えて下さい。

幼少期から父の影響で絵を描くことが好きで、中高6年間デッサン教室に通っていました。高校で軽音楽部に入っていた頃は、PCで描いたイラストを使ってフライヤーをデザインしたりと、自分にとって絵を描くことやデザインは身近なものでした。そして、ごく自然な流れでデザイナーを目指すようになりました。

本格的に「デザイン」を意識するようになったのは大学からです。ブランディングやUI/UXの授業で、コロナウイルスや海洋環境問題などの社会課題をテーマとした制作を経験したときでした。世の中を俯瞰した視点から取り組む中で、ふと「デザインがあれば、とんでもなく壮大で複雑な問題も、なんとかできる気がする」と感じた瞬間がありました。当時所属していたのはグラフィックデザイン学科でしたが、装飾や表現にとどまらない、「デザインの意義」に引き込まれました。

その後、東芝のインターンシップでは「若者の政治参加」をテーマに取り組みました。普段から壮大な課題に向き合う東芝の皆さんから、真摯で多角的なフィードバックを受け、「この人たちとなら、自分一人では成し遂げられないことにも手が届く!」と強く感じ、現在に至ります。

現在の仕事は?(業務内容)

グラフィックデザインのスキルを軸に、東芝の製品やサービス、社内施策などのコミュニケーションデザインを担当しています。中でも印象深いのは、「東芝グループDEIB(多様性・公正性・包摂性・帰属意識)方針」の社内浸透のためのガイドブック制作です。「文書だけでは理解してもらえないのではないか」という課題感を持った人事・総務部と共に取り組みました。「イラストを使ってわかりやすくしたい」との依頼だったので、「自分のグラフィックスキルを自由に活かせる仕事が来た!」と、当時心躍ったのを覚えています。

ガイドブックのシナリオを考えるためのヒアリングでは、議論をその場で絵に起こす「グラフィックファシリテーション」をおこない、人事・総務部担当者の伝えたいことを可視化しながら、より効果的な表現を模索しました。また、普段音声読み上げツールを利用している、視覚特性をもった社員の方々に協力してもらい、スムーズな読み上げ対応にもこだわっています。

そうして、無事にガイドブックは完成しましたが、制作を進めるなかで、ある疑問が浮かぶようになりました。「多様性というテーマに、建前や配慮のルールとしてではなく、正面から向き合っている人は今の世の中にどれくらいいるのだろう?」という問いです。ジェンダーや人権、障がい、差別の歴史などを広くリサーチしていく中で見えてきたのは、「多様性って大事だよね」とひと言で片づけられない、複雑さや曖昧さでした。 だからこそ、このテーマを「言葉の意味をわかりやすく伝えるガイドブック制作」で終わらせてはいけないと、強く思うようになりました。

“答えがないことを考え続けるデザイン”

そして、「一見”特別”にみえる問題も、私たちとつながっている」という考えをもつようになりました。たとえば、LGBTQ+や障がいのある人たちが抱えていることは、しばしば特別な問題として取りあげられ、多くの人々の日常に地続きで存在しているものとして捉える機会は少なかったのではないかと思います。困っている人の問題を取りあげて、伝えていくことは大切なアクションです。 ただ、「困っている人に寄り添おう」という善意の姿勢が、ときに「共感しなければならない」というプレッシャーにつながったり、「助ける側」と「助けられる側」という線引きを生み出してしまうこともある、というモヤモヤを感じるようになりました。

そのモヤモヤをもう少しひも解いてみようと、「おしこめるデザインたち」という展示を、デザイン部向けに開催します。この展示では、モノやサービスを通じて社会に価値観を広めていく役割を担うデザイナーという存在が、無意識のうちに誰かを「おしこめてしまう可能性」を持っていることをテーマにしています。こうした一連の活動を通して、次第に「東芝で働く一人ひとりが、DEIBにまつわることをもっと等身大で語り、本当の意味で対等でいられる風土づくり」に、デザイナーとして貢献したいという目標がうまれました。

今後の取り組みや
目標を聞かせて下さい。

現在は、ガイドブックを越えて、社員同士の「対話ワークショップ」という形でその目標に近づくことができないかを模索しています。デザイン部門には、人間工学・心理学などの学術的な基盤強化を目的とした部内横断の委員会があるのですが、この委員会のメンバーに協力してもらいながら、検討を進めています。多様性という言葉が先行して、本音で語ることの難しさを感じることもある現在。ワークショップでは、「誰かを否定しないこと」と「自分の違和感を否定しないこと」を両立しながら、個人的な経験を出発点に社会のあたりまえを見つめなおすことを大切にしています。これは、デザイナーのスキルセットでもある「あたりまえを疑い、新しい価値観を模索する」ことともつながり、DEIBの視点は必ずしも思いやりや優しさの観点だけではなく、問い直す思考力そのものであると考えています。

 

一つの案件と、個人的な思いから発展したこのワークショップですが、デザイン部の新人教育に採用され、今後は、事業部などデザイン部外にも展開させられないかと模索しています。学生のときに感じた「デザインがあれば、とんでもなく壮大で複雑な問題も、なんとかできる気がする」という希望を今後も持ち続け、日々の業務や活動に励んでいきたいと思います。

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株式会社東芝
DX・デザイン&コミュニケーション部

〒105-8001 東京都港区芝浦 1-1-1