GridDB Enterprise Edition V5.9では、ユーザのシステム規模が拡大していることに対応するため、大規模システムにおける性能および運用効率を向上させました。

① SQLスケジューリング機能の強化

GridDB Enterprise Edition V5.9では新しいSQLスケジューラ*1 を導入し、同時に実行されるSQLの公平性・安定性を向上させました。

  • 高負荷のクエリーを実行中でも他のクエリーの応答時間を安定させました。
  •  全件読み出しなど大量のデータ転送を伴う演算において、SQLスワップを大幅に削減し、処理性能を高めました。
  •  分割されたテーブルを扱う演算(ジョインなど)において、参照する分割範囲が増えた場合の応答時間を改善しました。

*1:SQLスケジューラはSQLを小さな処理単位に分割し、並列に実行することで処理効率を高めます。さらに、リソースの使用状況を監視しながら、実行順序や同時実行数を調整することで、CPU・メモリを効率的に使い、処理性能を安定させます。

② DBファイルレプリカ生成*2の高速化

V5.8までのレプリカ生成は、システムで同時に1つのクラスタパーティションしか実行できませんでした。そのため、DBファイルが大きい場合に、障害からの復旧後のレプリカ生成に時間がかかり、その間にさらなるシステム障害が発生すると復旧に時間がかかるという課題がありました。V5.9では、複数のクラスタパーティションでレプリカ生成を同時に実行可能となりました。これによりレプリカ生成の時間が短くなり、システムの耐障害性を高めました。

*2:GridDBでは万一の障害に備え、DBファイルの複製(レプリカ)を用意しています。サーバを追加したり、サーバが障害から復旧すると、レプリカファイルの生成を行います。

③ SQL最適化の強化

SQL検索時の索引選択最適化を強化しました。従来のSQLプランでは、索引選択はユーザが記述したSELECT文の内容や記述順に基づき、ルールベースで決定していました。今回の強化により、テーブルに格納された統計情報からコストを計算し、その結果を基に最適な索引スキャンを自動的に選択した実行プランを生成・実行できるようになりました。スキャン方法・索引の自動選択により、一部ケースで5倍以上高速化しました。

④ 時系列データ管理・検索機能の強化

時系列データの変化傾向に着目した検索・分析を可能にする「行パターン認識機能」を導入しました。これにより、異常検知やトレンド分析といった高度な時系列分析に対応できます。本機能は標準SQLである SQL:2016 の行パターン認識をサポートしており、値の変化パターン(例:上昇・下降・一定など)に基づく検索が可能になりました。