東芝とGEベルノバ、日本およびアジア地域におけるガスタービン火力発電所のCO₂排出量の削減と効率化推進に向け覚書を締結
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2025年11月06日
東芝エネルギーシステムズ株式会社
GEベルノバ
<本発表は、英文の翻訳となります。>
- GEベルノバの排ガス再循環(EGR)システムと東芝のCO2分離回収技術を組み合わせ、日本およびアジア地域のガス火力発電所においてCO2排出量の削減を推進
- 両社の40年にわたる戦略的協業をさらに強化
- 本年6月に経済産業省(METI)とGEベルノバが導入したフォーカスグループに関連する取り組み
2025年11月6日、川崎市 — 東芝エネルギーシステムズ株式会社(以下、東芝)とGEベルノバ(NYSE: GEV)は、発電所のCO2排出量削減を目指し、コンバインドサイクル(GTCC)発電統合型CO2分離回収ソリューション提供に向けた協業に関する基本合意書(MoU)を締結しました。本ソリューションは、GEVの排ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation:以下EGR)システムと、東芝独自の吸収液を用いたCO2分離回収システムを組み合わせたもので、昨年、経済産業省とGEVが設置したフォーカスグループに関連する取り組みの一環として、資源エネルギー庁の木原晋一資源エネルギー政策統括調整官、ならびに東芝およびGEVの代表者が出席したイベントで発表されました。
両社は、GEVがガスタービンを供給済みまたは供給予定の日本およびアジア地域のGTCC発電所において、両社の技術を統合することでCO2分離回収効率の向上を目指します。東芝とGEVは、日本国内のGTCC発電所を運営する主要電力会社と共同で包括的な実現可能性調査を実施しており、本覚書の締結に先立ち、協業の将来性が確認されています。
経済産業省の木原晋一資源エネルギー政策統括調整官は次のように述べました。
「世界共通の目標であるネット・ゼロの実現に向けて、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現は世界的に急務です。こうした観点から、CCUS技術を活用し発電部門の脱炭素化を実現する本取り組みの進展を歓迎します。」
東芝エネルギーシステムズ株式会社・パワーシステム事業部副事業部長の松下丈彦は次のように述べました。
「火力発電所は安定した電力供給源として主要な役割を担っていますが、環境の持続可能性への関心が高まる中、CO2排出削減が喫緊の課題です。本覚書の締結により、カーボンニュートラルの実現に貢献し、さらなる事業成長を推進できることを嬉しく思います。GEVとの協業を通じて、日本およびアジア地域におけるEGRシステムとCO2分離回収システムの普及を加速してまいります。」
GEVのカーボンソリューションリーダー、ジェレミー・ウェザビーは次のように述べました。
「当社は、当社の持つソリューション(蒸気統合、EGRシステム、ガスタービン高背圧ソリューション)を、蒸気サイクルシステムの設計、建設の豊富な知識と経験を持った東芝とともに検討できることを嬉しく思います。これらのソリューションは、GTCC発電の性能にとって極めて重要であり、CO2分離回収設備統合により発生する発電出力低下を最小限に抑えつつ、CO2分離回収性能の最大化を図る上で重要な設計要素となります。」
東芝は、GTCC発電設備向け蒸気タービンを組み込んだ火力発電システムの設計・建設、およびCO2分離回収設備の開発・改良において豊富な知識を有しています。発電所の熱源を活用して東芝のCO2吸収液の温度を上昇させることで、蒸気発生用の追加ボイラーを不要とし、システムの最適化と合理化を実現しています。これにより、発電容量の低下を最小限に抑えることが可能です。
GTCC発電設備とCO2分離回収設備の統合により、資本コスト削減と運転の柔軟性の向上が期待されます。GEVのソリューション(蒸気統合、EGRシステム、ガスタービン高背圧など)はコスト削減と運転オプションの拡充に貢献します。例えば、GEVのEGRシステムは、排ガスをタービン入口に再循環させることで、排ガス組成を変化させ、より小型のCO2吸収塔の実現を可能にし、性能向上、運転コスト削減、CO2回収率向上を実現します。
東芝とGEVの協業について
東芝とGEVは1982年よりGTCC分野で強固な協業関係を築いており、2013年には協業を拡大し、GEVのガスタービンと東芝の蒸気タービン・発電機を組み合わせた先進GTCC発電設備を日本国内で提供しています。1982年以降、両社は世界中で合計20基のGTCC発電設備を受注し、総容量は13ギガワット(GW)を超え、現在18基が稼働中です。
注:CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage):火力発電所や工場などから排出されるCO2を分離回収、利用、貯留する技術
2025年11月6日に川崎市で行われた覚書調印式典にて
前列左から:GEベルノバ社 カーボンソリューションリーダー ジェレミー・ウェザビー、東芝エネルギーシステムズ株式会社 パワーシステム事業部 新技術事業統括 鈴木健介
後列:経済産業省 資源エネルギー政策統括調整官 木原晋一氏
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