所長ごあいさつ

未来を描き、未来を創る。 Imagine the Future, Create the Future.  研究開発センター所長 向井 稔

"Open Research & Innovation"で、社会課題を解決する研究所へ。

■未来を見据えた構想・研究と、社会実証により未来をカタチ創ることが、私たちのミッション。

私たち東芝研究開発センターの重要なミッションは、新しい事業、製品やサービスの核となる技術の獲得と、その社会への実装・実証により、人々の暮らしを豊かにするイノベーションを起こすことです。研究開発センターは"Open Research & Innovation"を掲げ、その実現を目指しています。私たちは、未来の構想を基点として研究に取り組み、その成果の社会実証、すなわち社会やお客様にとっての価値の検証まで、取り組んでいきます。それぞれのステージで、大学、公的研究機関、ベンチャーを含むパートナー企業、お客様と対話を重ねることで、自分たちだけでは思いつかなかったニーズに出合い、今までにない答えを創り、皆さまにその社会やお客様にアイデアや技術を検証いただく、こういったサイクルがイノベーションにつながると確信しています。

■サイバー・フィジカル・システム(CPS)テクノロジー企業に向けて研究開発センターの目指すべき姿。

東芝は世界有数のサイバー・フィジカル・システム(CPS)テクノロジー企業に向けて変革を進めています。SDGs に代表される社会課題は、多様・複雑化し、深刻なものとなっています。「社会価値」、「経済価値」、「人々の生活の豊かさ」を三立させる持続的な解を導きだしていくことが、東芝が目指すCPSだと考えています。研究開発センターが取り組むCPS 関連技術は沢山ありますが、複雑な課題を抱える社会は地球規模では一つです。未来の社会を皆で見つめて、社内外含めて相互に構想を共有し、アイデアを繋いで持続的なソリューションを創り上げていくことが大事だと考えています。また、サイバーで価値を生むポイントは社会やお客様のデータにあり、社会やお客様の現場に入り込み課題とその解決手段を考えていく、そこに私たちの技術を創り込むことが大切だと思います。

■一人ひとりの研究者のアイデアをカタチに。"Open Research & Innovation"で、さらなる飛躍を。

東芝研究開発センターの強みのひとつに、個人のアイデアや能力を尊重する風土があります。非常に広い分野の技術、多様な研究者がひとつの組織に集まり、互いの技術、アイデアを語り合い、練り上げることで、予想もできないような成果が生み出されます。最近では、量子計算機とコンピュータアーキテクチャの研究者が生み出した「シミュレーテッド分岐マシンの金融裁定取引応用」がその代表例でしょう。こうした風土を大切にしながら、東芝グループ、ひいては日本の産業を支える人材の育成も大切な使命だと考えています。"Open Research & Innovation"を発展させることで、これまでに私たちが取り組んでこれなかったような、社内外を巻き込んだ大型プロジェクトも創り出していくつもりです。互いに尊重、刺激しあいながらアイデアや技術を高め、よりよい社会のための新しい価値を生み出していく、私たちはそんな研究所を目指しています。