サステナブル物流
サステナブルって?
サステナブル(sustainable)とは、英語で、「sustain(持続する)」+「able(=できる)」を組み合わせた造語で、持続可能な、ずっと続けているという意味があります。サステナブルという言葉は、1987年の「環境と開発に関する世界委員会」で初めて登場しました。その背景には、環境と開発は互いに反するものではなく、お互いに共存するものであり、環境保全に考慮した節度ある開発が重要であるという考えが込められています。
※引用元:外務省「持続可能な開発(Sustainable Development)」https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/sogo/kaihatsu.html (2023/04/11)
社長に、物流現場の自動化を提案したら、「なんで自動化が必要なのか」って聞かれちゃったよ。
物流の自動化は、持続可能、すなわちサステナブルな物流を実現するためには、重要なことなのにな~。
サステナブルって何?!
持続可能な開発目標SDGsとは
サステナブルな世界を実現するためのSDGs
2015年の国連サミットでは、‟サステナブル”を実現するための具体的な行動指針として、SDGs(持続可能な17の開発目標)が制定されました。SDGsを達成するための取り組みは、様々な場面で進められています。例えばマイボトルやエコバック持参、賞味期限間近の商品を選んで購入することなどがあげられます。企業の取り組みとしては、生産工場の労働環境整備や環境に配慮した原料を調達すること等があります。
なるほど!でも、これって、物流にも関係あるの?
いい質問だね。物流におけるサステナブルってどんなものがあるか、見てみよう!
物流とサステナブル
物流は日々の生活を送る私たちにとって欠かせないものであり、社会基盤です。自分では買いに行くことのできない遠方で作られた商品が、当たり前のように手に入るのは物流のおかげです。また裏を返せば、企業にとっては消費者に商品を届けるために欠かせない事業基盤でもあります。しかしその基盤が今、大きく揺らいでいます。
物流も社会インフラであり、人々の生活に欠かせないものとなっているんだよ。
確かに、今日注文した商品を明日には届けるって、当たり前に思われているところがあるなぁ…
でも、その当たり前になっている便利な生活が、いま危機的な状況になりつつあるんだ。
物流業界の置かれている状況
トラックドライバーの労働条件や待遇は長らく厳しい状況が続いており、担い手が減少傾向にあります。2024年の働き方改革を前に、賃上げの流れも加速し、行政発信によるホワイト物流運動への取り組みや、荷主勧告制度の見直しといった労働環境の改善が進められています。しかし、人手不足解消には至っていない状況です。また、倉庫内業務の多くは人手で行う作業が多く、労働集約的な労働環境にあります。生産労働人口が減っていく社会においては、人手の確保を前提としたサービス提供を続けるのが難しくなっていくかもしれません。
サステナブルな物流を実現するための取り組み
こうした中で、物流現場の自動化は持続可能な物流を実現するための1つの手段となり得ます。例えば、物流現場で自動化機器が導入されることによって重労働や長時間労働が減れば、誰にとっても働きやすい職場環境が実現するかもしれません。自動化は物流コストを低減するだけでなく、物流という社会基盤の維持にも貢献する可能性があるのです。
そうか、物流業界の深刻な状況を変えるためにも自動化って役立つんだね!
物流に携わる者として、真剣に考えないとな~
そうだね!ところでオジさんは、物流業者であり消費者でもあるよね。次はそれぞれの立場で何が出来るのか、一緒に考えてみよう。
サステナブル物流の実現に向けて
物流という社会基盤の維持にも貢献するサステナブルな物流。それを実現するため、一体私たちにどんなことができるか?物流事業者と消費者それぞれ視点で考えてみましょう。
でも、何から手をつけるべきか…僕たちにできることが分からないなぁ?
サステナブルな物流を実現するためにどんなことができるか、物流事業者と消費者の視点で考えてみよう。
サステナブルな物流×SDGs
SDGs(持続可能な17の開発目標)の「8.働きがいも 経済成長も」では、労働集約型の産業を中心に、多様化、技術の向上、イノベーションを通じて、生産性を上げること、安心安全な労働環境を目指すことがサステナビリティを実現するうえでも重要視されています。物流現場の自動化により、肉体労働による身体的な負担や危険な場所での作業を減らすことができます。ほかにも「11.住み続けられる街つくりを」のように、物流倉庫に広い公園や食堂を併設させ、働く環境を整えたり近隣住民への施設開放を通じて住環境の向上に貢献しています。消費者としても、例えば宅急便の配達時間を必ず受け取れる時間に設定し、再配達を減らすといった貢献の仕方もあります。
物流インフラを持続可能にするために
物流インフラを持続可能にするためには、物流事業者と消費者の立場で1歩ずつ進んでいくことが大切です。私たちみんなでインフラとしての物流を推進していくことが、サステナブルにつながる重要な1歩となるのです。
物流事業者と消費者の立場で1歩ずつ進んでいくことが大切なんだ。
なるほど!それぞれの立場で何ができるのか、常に考えて行動することが大切なんだね。
僕たちみんながインフラとしての物流を支えていくことが、サステナブルにつながるんだ!