2023年7月4日
株式会社東芝

東芝の「ニオブチタン酸化物負極を用いたハイパワー長寿命二次電池の研究開発」がNEDO「経済安全保障重要技術育成プログラム」に採択

-大型モビリティの電動化を実現し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献-

当社は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「経済安全保障重要技術育成プログラム(K Program)/ハイパワーを要するモビリティ等に搭載可能な次世代蓄電池技術の開発・実証」において、「ニオブチタン酸化物負極を用いたハイパワー長寿命二次電池の研究開発」を提案し、この度、本提案が委託事業として採択されました。当社は、重機・建機・船舶などのハイパワーを要する大型モビリティ向け二次電池の研究開発を進めます。

カーボンニュートラル社会の実現に向け、自動車をはじめとした様々なモビリティの電動化が世界的に進む中、大型モビリティ分野でも電動化の拡大が期待されています。重機・建機・船舶といった大型モビリティ分野では、高い運転負荷での連続稼働や、不安定な路面・悪天候などの過酷な環境下での運用が求められ、自家用乗用車向けの従来のリチウムイオン電池では性能面でクリアできない課題があります。また、鉱山など稼働時間が長い現場においては、大型モビリティの充電時の稼働停止時間が生産性の悪化につながるため、稼働率の向上には、運転の自動化に加えて、急速充電と高い入出力・長寿命・信頼性能を両立させることが不可欠です。

当社は、負極材に、急速充電性能を実現し、低温環境下で繰り返し充放電しても電池の劣化や短絡の原因となる金属リチウムの析出が無く耐久性と安全性に優れるチタン酸リチウム(Lithium Titanium Oxide、以下LTO)を採用したリチウムイオン二次電池SCiB™を2008年より製品化しています。さらに当社はLTOと比較して高い体積エネルギー密度を得られるニオブチタン酸化物(Niobium Titanium Oxide、以下NTO)を用いた負極材の開発を進めています。NTOによる負極材は、LTOが実現する特長を生かしつつ、LTOを使った従来SCiB™に比べて、1.5倍以上の体積エネルギー密度を得ることが可能です*1

当社はこのNTOを用いた負極材をベースに、安全性を確保しながら、高エネルギー密度・高入出力・10分以内の超急速充電・10万回以上の充放電が可能で10年以上の超長寿命を兼ね備えた二次電池の開発を目指します。電池性能の実証に加え、車両搭載を想定した性能実証も行う予定です。

当社は、本事業終了後、大型モビリティ向けの二次電池の事業化を目指します。大型モビリティを電動化することにより、二酸化炭素の削減はもちろんのこと、エンジンのメンテナンスが不要になり、運用コストの削減にもつながります。当社は、大型モビリティの電動化を実現する二次電池を開発することで、カーボンニュートラル社会の実現、そして建設・運輸業界のトータルの運用コスト削減に貢献していきます。

事業の概要

経済安全保障重要技術育成プログラム
本プログラムは、経済安全保障推進会議及び統合イノベーション戦略推進会議の下、内閣府、文部科学省及び経済産業省が中心となって、府省横断的に、経済安全保障上重要な先端技術の研究開発を推進します。中長期的に我が国が国際社会において確固たる地位を確保し続ける上で不可欠な要素となる先端的な重要技術について、科学技術の多義性を踏まえ、民生利用のみならず公的利用につながる研究開発及びその成果の活用を推進するものです。
https://www8.cao.go.jp/cstp/anzen_anshin/kprogram.html
https://www.nedo.go.jp/activities/k-program.html

ハイパワーを要するモビリティ等に搭載可能な次世代蓄電池技術の開発・実証
事業期間(予定) 2023年度~2027年度(5年間)
実施内容 高入出力 ・長寿命 ・高安全化のためのリチウムイオン電池用材料開発、プロトタイプセルの開発及び試作検証、重機・建機等への適用を想定した総所有コスト(TCO)低減シミュレーション、二次電池パックの性能実証
実施スケジュール 2023年~2024年:セルでの機能実証、モデルベースによる車両適用効果検証
2025年~2027年:パック化、パックでの機能実証

LiB:リチウムイオンバッテリー
EV:電気自動車
HEV:ハイブリッド車
PHEV:プラグインハイブリッド車
UPS:無停電電源装置