予防保全内容

絶縁フレーム、絶縁シャフトの絶縁物に塵埃が堆積し、湿度による水分が重畳すると絶縁性能が著しく低下します。このため特に屋外キュービクルに使用されている VCBにおいては、感電防止を確実に実施した上で、絶縁物の表面清掃、絶縁抵抗の測定をお願いします。

1. 点検のポイント(詳細は機種毎の点検マニュアルを参照下さい)

主回路部分を目視にてチェックをお願いします。

  1. 絶縁フレームおよび絶縁シャフトの表面に放電痕跡が無いことの確認。特に当該VCBは絶縁シャフトの表面(下図A部分)に放電痕のあったことが報告されておりますので、この部分に黒色の変色が無いか確認下さい。
    絶縁シャフトの放電痕跡 イメージ
  2. 主回路端子および真空バルブ端面に錆びの発生の無いことの確認。
    真空バルブ錆、端子部分緑錆 イメージ

2. 処置方法

  1. 清掃の実施
    乾燥したウエスで清掃して下さい。汚れが取れない場合は、アルコール液またはアルコールと水の混合液(1:1)にウエスを浸し拭き取るようお願いします。
  2. 絶縁抵抗測定の実施
    絶縁物の表面清掃後に測定するようお願いします。(1000Vメガー)判定の目安を下表に示します。

処置方法 一覧表

この表は横スクロールできます。

処置方法 一覧表
測定箇所 絶縁抵抗値
(清掃後)
処置内容
主回路 500MΩ以上 継続使用可能です。但し、1回/年の点検を実施願います
50MΩ~500MΩかつトラッキングのないこと 点検周期を短くし、絶縁抵抗が回復しない場合は、早期の 機器更新をお願いします
50MΩ未満またはトラッキングが確認された時 機器更新をお願いします。設備の都合などにより交換が直に出来ない場合は、暫定的な対応としてVCB清掃の他スペースヒータなどにより盤内湿度の改善をお願いします。 (別紙JEMA発行資料参照)
  • トラッキング:清掃後でも絶縁物が炭化(黒色)している状態

VCBの周囲環境が悪い場合は、VCBの交換及びキュービクル内の環境改善処置を検討下さい。