真空遮断器(VCB)

ご使用状態

真空遮断器はJIS C 4603(高圧交流遮断器)、JEC-2300(交流遮断器)、IEC60056の規格に準拠して製作されています。また、カタログに記載された真空遮断器は全て屋内用で設計・製作していますので、規格に定められた標準使用状態でご使用ください。尚、特殊状態でご使用の場合には、当社までお問い合わせください。

標準使用状態

  1. 周囲温度が最高+40℃、最低-5℃の範囲を超えない場所。また、24時間の平均値が+35℃を超えない場所。
  2. 相対湿度が45~85%の範囲にて、結露しない場所。
  3. 標高が1000m以下の場所。

特殊使用状態

  1. 周囲温度及び標高が標準使用状態以外の場所で使用する場合。
  2. 潮風を受けることが著しい場所で使用する場合。
  3. 常時湿潤な場所で使用する場合。
  4. 過度の水蒸気又は過度の油蒸気がある場所で使用する場合。
  5. 爆発性、可燃性その他有害なガスがある場所及びそのガスが及ぶおそれがある場所で使用する場合。
  6. 過度のじんあいがある場所で使用する場合。
  7. 異常な振動又は衝撃を受ける場所で使用する場合。
  8. 氷雪が特に多い場所で使用する場合。
  9. 以上のほか、特殊の条件で使用する場合。

使用条件

  1. 周主回路の印加電圧は、遮断器の定格電圧以下にて使用ください。
  2. 主回路の連続通電電流は、遮断器の定格電流以下にて使用ください。
  3. 主回路の周波数は、遮断器定格周波数の±10%以内にて使用ください。
  4. 遮断器の閉路操作、制御、開路操作電圧の許容変動範囲は、規格に定められた下記範囲です。この範囲内で使用ください。

電動ばね操作の電圧区分、変動範囲 仕様表

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電動ばね操作の電圧区分、変動範囲 仕様表
操作方式 電圧区分 変動範囲
閉路操作電圧 制御電圧 操作回路と制御回路が同一電源の場合 開路操作電圧
電動ばね操作 直流 定格電圧の85~110% 定格電圧の75~125% 定格電圧の85~110% 定格電圧の60~125%
交流 定格電圧の85~110%

開閉サージに対する適用基準

真空遮断器の開閉サージに対する適用基準は下表によってください。

開閉サージに対する適用基準表 (※7)

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開閉サージに対する適用基準表 (※7)
真空遮断器 回転機(※1) 油入変圧器およびモールド変圧器(※3) 乾式変圧器
(※5)
進相コンデンサ(※6)
V4□形
V6□形
CRサプレッサで保護します 保護不要 避雷器で保護します 保護不要
但し、コンデンサバンクへの適用基準容量以下
V4□S形
V6□S形
VH□形
保護不要(※2) 保護不要 保護不要(※4)
VZ形 CRサプレッサで保護します 保護不要(※4) 避雷器で保護します
  • ※1 主として誘導電動機ですが、自家用発電設備の小容量動機発電機なども含みます。
  • ※2 55kW以下でインチング操作を行う場合はCRサプレッサを取り付けてください。
  • ※3 油入変圧器およびモールド変圧器は、6kV用:雷インパルス60kV/3kV用:雷インパルス45kV品を示します。
  • ※4 300kVA以下で励磁突入電流を遮断する必要がある回路では避雷器を取り付けてください。
  • ※5 6kV用 雷インパルス60kV未満/3kV用 雷インパルス45kV未満のモールド変圧器も含みます。
  • ※6 コンデンサ容量群が300kvarを越える場合は、直列リアクトルを挿入してください。
  • ※7 避雷器の代わりにCRサプレッサで保護も可能です。

定格遮断電流の選定

回路の短絡遮断電流以上の定格遮断電流を有する機種を選定します。回路の短絡遮断電流は、高圧受電の場合は電力会社から受電点の短絡遮断電流が指示されますのでこれにより決まります。受電点から離れて設置する場合は、受電点から設置点までの配線インピーダンスを考慮して短絡遮断電流を算出してください。短絡遮断容量と短絡遮断電流の関係式は、「短絡遮断容量=√3×定格電圧×定格遮断電流」となります。

定格電圧と定格遮断電流と参考遮断容量表

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定格電圧と定格遮断電流と参考遮断容量表
定格電圧(kV) 定格遮断電流(kA) 参考遮断容量(MVA)(※1)
3.6 8 50(49.9)
12.5 80(77.9)
16 100(99.8)
25 160(156)
7.2 8 100(99.8)
12.5 160(156)
20 250(249)
25 320(311)
31.5 400(392)
40 500(498)
12 25 520(519)
40 840(831)
24 16 670(665)
25 1040(1039)
  • ※1 ( )内の遮断容量は計算値です。

配電盤への適用

(1)配電盤の形に対する適用可能範囲

配電盤の構造に対する適用可能範囲を下表に示します。詳細についてはご相談ください。

配電盤の形に対する適用可能範囲表

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配電盤の形に対する適用可能範囲表
真空遮断器 配電盤・制御盤の構造及び形
JIS C 4620
キュービクル式
高圧受電設備
JEM1425
金属閉鎖形スイッチギヤ
スイッチギヤの形 (※1)
CX CY CW PW MW
V4C-U、L、T、V4CS-U、L、T、
V4C-MU、ML、MT、 V4CS-MU、ML、MT、
V6C-U、L、T、V6CS-U、L、T、
V6C-MU、ML、MT、V6CS-MU、ML、MT
× × × ×
V4C-MLD、V4CS-MLD、
V6C-MLD、V6CS-MLD
× × × ×
VHA-6H8S、6J13S、6J20S、6M20S × × ×
VHB-6H8S、6J13S、6J20S × × ×
VHA-6H8SB、6J13SB、6J20SB、6M20SB × × ×
VHB-6H8SB、6JBSB、6J20SB × × ×
VZ形
  • ※1 スイッチギヤの形は、仕切り板の構成を示す第1記号、主要機器の構造を示す第2記号、主回路の絶縁被覆を示す第3記号を、第1記号、第2記号、第3記号の順に組み合わせて呼称 します。ただし、主回路に絶縁被覆を施さないものについては、第3記号を省略します。それぞれの記号の種類は、下表のとおりとします。(JEM1425)

スイッチギヤの形の記号表

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スイッチギヤの形の記号表
記号 記号の説明
第1記号 M メタルクラッド形スイッチギヤ
P コンパートメント形スイッチギヤ
C キュービクル形スイッチギヤ
第2記号 X 固定形機器
Y 搬出形機器
W 引出形機器
第3記号 G 主回路の母線、接続導体及び接続部に絶縁被覆を施したもの

交流操作で必要な操作電源容量

電動ばね操作形の電源を計器用変圧器で使用する場合は、下表の容量でご使用ください。

操作電源容量表

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操作電源容量表
シリーズ名 計器用変圧器の適用容量
V4C/V6C形 V4D/V6D形 50VA-1P
VHB形シリーズ
VZ形シリーズ
100VA-1P

主回路端子の接続

真空遮断器の主回路端子は電源側、負荷側の区別はありません。どちらに接続しても性能は同じです。