特集・トピックス:定期点検工期短縮施策による稼働率の向上について

定期点検工期短縮施策による稼働率の向上

蒸気タービンの定期点検工期短縮施策のプロモーションビデオです。
当社独自の新工法適用による工期短縮施策について、わかりやすくご説明します。

定期点検工期短縮の必要性

電気の安定供給のため、機器を点検し必要に応じて調整することを目的として、蒸気タービンは一定期間ごとに定期点検を行うことが義務付けられています。点検中は発電できないため、工期の長期化は発電所稼働率の低下を招き、経営に大きな影響を及ぼしています。

点検手順における問題点

蒸気タービンの定期検査はおおまかに分解/点検検査/組立という3つのステップに大別されます。
蒸気タービンの組立には1/100mmオーダーの精度が要求され、高い精度を実現するために半世紀以上実機を使用した仮組立というプロセスを用いており、以下3つの問題点がありました。
 ①組立プロセス内に調整作業がクリチカル工程として存在していること
 ②組立プロセス内に実機仮組による確認・調整作業が実施され多くの無駄な後戻り作業が発生していること
 ③仮組調整作業が連続的に実施され、並行作業で実施することは不可能とされてきたこと

従来の定期点検プロセス
従来の定期点検プロセス

レーザ計測に基づく三つの新工法

この3つの問題点を解決するため、当社ではレーザ計測装置を使用した新工法を開発しました。
 ①車室仮組レス間隙変化予測
 ②ロータ仮組レスアライメント調整
 ③ロータ仮組レス・鉛線レス間隙調整

これらの技術を定検作業というプロセスに適用することで、従来定検工法の課題であった、実機仮組による調整作業を廃止し、調整作業を部品手入れ期間中に並行作業で完了させ、組立プロセスでの調整作業を極小化することで工期短縮を可能とします。

車室仮組レス間隙変化予測
車室仮組レス間隙変化予測
ロータレスアライメント事前調整
ロータレスアライメント事前調整
間隙事前調整
間隙事前調整

新たな価値の提供

この新工法の採用により、リソース拡大無しに工期短縮が可能となります。さらには定期点検全体への影響が大きいクレーン作業が平準化され、クレーン待ち時間が大幅に削減されることで工期短縮効果も確認されています。
さらに大物重量物を運ぶクレーン作業は、落下・衝突等の安全リスク並びに機器破損等の品質リスクも伴うため、今回の新工法はクレーン作業が大幅に削減することで、安全・品質の観点からもメリットがあると評価されています。

東芝の定期点検プロセス
東芝の定期点検プロセス