株式会社東芝・公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団、
リポソームを用いたiPS細胞の樹立法に関する共同研究を開始

2022年11月2日
株式会社東芝
公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団

ポイント

  • 株式会社東芝(以下、東芝)と公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団(以下、iPS財団)は、リポソームを用いたiPS細胞の樹立法を開発するため、共同研究を開始しました
  • 東芝が開発したリポソームを用いて遺伝子導入することにより、より安全で臨床応用可能なiPS細胞の作製を目指します

1. 概要

東芝とiPS財団は、共同研究契約を締結しました。

研究題目:リポソームを用いた遺伝子導入に関する研究
契約締結日:2022年9月1日
実施場所:公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団 本部実験室(京都大学iPS細胞研究所内)、京都リサーチパーク

2. 背景

生分解性リポソームと東芝について

リポソームはナノサイズの脂質カプセルです。カプセル内に治療用遺伝子や薬剤を内包し、体内の細胞へ安全に届けることができる医療材料として、利用が拡大しています。より効果的に目的の遺伝子を対象とする細胞に届けるため、東芝は、蓄積してきた分子設計技術とAI技術を用いて、生分解性リポソームをカスタマイズ設計し、作製する技術を開発しました。この東芝独自の生分解性リポソームを用いて、臨床応用可能なiPS細胞の樹立法を開発し、再生医療の発展に貢献することを目指します。

研究内容について

本共同研究では、主に以下の検証を目的としています。
1. 初期化に必要な遺伝子を封入したリポソームを用いて、ヒトの体細胞に遺伝子導入をすることで、iPS細胞を樹立できるか検証する
2. リポソームの種類、封入する遺伝子とその量、及び導入方法を最適化し、iPS細胞の樹立効率の向上をはかる
3. iPS細胞あるいは、細胞の初期化前の体細胞に、リポソームを用いて遺伝子導入や遺伝子編集を行うことで、遺伝子改変iPS細胞あるいはその分化細胞を作製できるか、検討する

株式会社東芝について

東芝グループは、「人と、地球の、明日のために。」を経営理念の主文に掲げ、エネルギー、インフラ、電子デバイス、デジタルソリューション、データサービスなど幅広い領域で事業を展開しています。創業時から培ってきた製造業としてのフィジカル技術と、情報処理やデジタル・AI技術といったサイバー技術を融合したサイバー・フィジカル・システム(CPS)テクノロジーを駆使し、社会やお客様が直面する課題の解決に貢献します。そして、脈々と受け継がれるベンチャースピリットを胸に、新しい未来を始動させることが、私たちの存在意義です。

  • 本件問い合わせ先
    株式会社 東芝 研究開発センター
    inquiry@rdc.toshiba.co.jp
  • 本件に関する報道機関からの問い合わせ先
    株式会社 東芝
    コーポレートコミュニケーション部 メディアコミュニケーション室
    media.relations@toshiba.co.jp / 03-3457-2100

公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団について

CiRA_Fは、最適なiPS細胞技術を良心的な価格で届けることを理念として掲げ、国立大学法人京都大学CiRAから一部の機能を分離して2020年4月に活動を開始した公益財団法人です。CiRAから継承した再生医療用iPS細胞ストックプロジェクトの推進をはじめ、iPS細胞を用いた製品の製造、品質評価、保管等の受託や、製造に関するSOP(標準作業手順書)の公開等に取り組み、再生医療の実用化に貢献します。

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    公益財団法人 京都大学iPS細胞研究財団
    企画推進室 広報グループ
    contact@cira-foundation.or.jp / 075-312-3378