AI Technology

顧客対応業務を自動化する課題解決型の対話技術

2013年4月

概要

当社は、自由発話に対応する課題解決型の対話技術を新たに開発しました。顧客の曖昧な要望や困りごとに対して、その意図を正しく解釈し、具体的な解決策を提案することができます。

顧客対応業務を自動化する課題解決型の対話技術の図

開発の背景

実際に人間が対応する人対人の顧客対応業務では、相手の曖昧な要望や困りごとを汲み取り具体的な解決策を提案するやりとりが、ごく自然に行われています。自由な文章の発話でスマートフォンの操作ができる機能の登場を契機に、人間の代わりに装置が対応する人対装置の顧客対応の場面でも、自由発話による対話技術が求められるようになってきました。しかし、従来技術の多くは、人が具体的な指示や質問を発話することを前提としているために、人が曖昧な要望や困りごとを発話しても、十分に対応することができません。

課題解決型の対話技術

そこで、当社は、課題とその解決策のリスト(課題解決知識)を持つ意図理解・対話制御方式により、人の曖昧な要望や困りごと(課題)に関する多様な発話表現を正しく理解し、具体的な解決策を提案する、課題解決型の対話技術を開発しました。課題の表現は、100億文を超える大規模なWebコーパス(※注)の中から人間の行動目的や理由を表す表現を約4万件抽出しました。また、解決策として、スマートフォンで提供可能な機能を約400件用意しました。そして、各課題に対して解決策を5、6個提案することができる総数25万件の課題解決知識を構築しました。これによって、人に相談している時のような曖昧な要望や困りごとが発話されても、システムは課題解決知識を活用して具体的な解決策を提案することができます。

(※注)コーパス:言語解析などに利用可能な大規模なテキストデータ群

今後の予定

当社は、遠隔および対面での顧客対応業務の自動化システム・ソリューションを主なターゲットとして、2014年以降の商用化に向け、課題解決型の対話技術の研究開発を進めていきます。