機械・システム
金属資源採掘が生物多様性へ与える影響を世界規模で定量指標化
2012年12月
概要
当社は、生物多様性への採掘影響指標(MiBiD™)を開発しました。MiBiD™は、鉄・銅・アルミニウム・亜鉛・鉛の5種のベースメタルの採掘が現地の植生など生物多様性に与える影響を、世界規模で定量化した指標です。ベースメタル単位重量あたりの生物多様性への影響度を全世界の鉱山ごとにデータベース化し、製品の環境性評価に適用できるようにしました。
従来技術の課題
2010年に名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に引き続き、2012年10月8日~19日にインドでCOP11が開催され、企業活動と生物多様性の関係について活発に議論が行われました。従来、生物多様性評価の観点から製品を評価する手法としては、ライフサイクルアセスメント(LCA)がありました。しかし、被害係数はある地域を想定して設定されているため、現地の生息種や植生状況などの局所性を考慮した生物多様性の評価は困難でした。
生物多様性への採掘影響指標MiBiD™
そこで、生物多様性への採掘影響指標(MiBiD™)を開発しました。全世界のベースメタル5種の主要鉱山について、ベースメタル単位重量あたりの生物多様性への採掘影響指標MiBiD™の値を、地理情報処理アルゴリズムを応用して計算、データベース化し、製品の環境性評価に適用できるようにしました。鉱山を指定できれば局所性を反映した製品の生物多様性評価が可能です。
今後の展望
製品の総合的な環境性評価にMiBiD™とLCAを併用し、生物多様性の配慮に役立てることを目指します。また、事業活動全般への応用範囲拡大も検討します。