AI Technology

素早い応答速度で「もの」を画像認識できる拡張現実感技術

2012年3月

概要

当社は、拡張現実感を用いた新しいサービスに向けて、高い識別精度を低処理コストで実現した領域ベースエッジ画像認識技術を新たに開発しました。身の周りで気になる 「もの」 にタブレットをかざすと、あらかじめ登録された動画を再生したり、ウェブサイトへつなげることができます。応答速度わずか0.5秒、識別精度99%で「もの」 を見分けられます。

領域ベースエッジ画像認識技術の写真

従来技術

身の周りで気になる 「もの」 にスマートフォンやタブレットをかざしてショッピングする新たなサービスに期待が集まっています。例えば、雑誌にスマートフォンやタブレットをかざすとあらかじめ登録された動画が再生されたり、ウェブサイトへつながるサービスです。これまでにない驚きや面白さをユーザが感じ、手軽にショッピングができる機会を生み出すことができます。このような拡張現実感を用いたサービスを実現するためには、目の前にある「もの」 をカメラで正しく区別する画像認識技術が必要です。画像認識技術を用いた拡張現実感として、従来はマーカを利用する手法が一般的でした。しかし、無機質なマーカはデザインを損ねるため、マーカレスの画像認識手法が登場しました。ただ、マーカレスの手法は計算量が多く、処理コストも高く、多くの「もの」を認識させようとすると、タブレットやスマートフォンで快適に動作しないことが課題でした。

特長

当社は、拡張現実感を用いたサービス向けに、高い識別精度、かつ、低処理コストの領域ベースエッジ画像認識技術を開発しました。タブレット上で、応答速度わずか0.5秒、識別精度99%で「もの」を見分けることが可能です。また、100物体を登録しても素早い応答速度を保つことができます。さらに、ワンタッチで物体を簡単に登録できる機能、手元にデジタルコンテンツを持ち出す機能、という2つの新しいUI(ユーザインタフェース)を実現しました。

今後の展望

本技術は、身近なところできっかけを与えることができる点がポイントです。そのきっかけの驚き、面白さ、手軽さを、一般消費者に向けてサービス展開していきたいと考えています。例えば、紙のポスターと連携した動画のストリーミングによるコンテンツ配信サービスアプリなどを考えています。本技術は、2012年2月28日から3月1日にドイツで開催されたEuroCISに出展し、また、2012年3月6日から9日まで東京ビックサイトで開催されたリテールテックJapan(RTJ)に出展し、来春(2013年)の実用化を目指して研究開発を進めていきます。