平成24年度全国発明表彰21世紀発明奨励賞受賞

受賞日 2012年6月19日

2012年6月19日、公益社団法人発明協会主催の平成24年度全国発明表彰の表彰式が開催され、第二表彰区分において、研究開発センターの加屋野博幸主任研究員ら4名の当社従業員が「大電力無線機の超伝導ハイブリッドフィルタの発明」によって21世紀発明奨励賞を受賞しました。あわせて、佐々木社長が、本発明への支援の功績によって21世紀発明貢献賞を受賞しました。本受賞は、狭帯域性と耐電力性を併せ持つ超伝導フィルタを世界で初めて実現し、ゲリラ豪雨対策のための気象レーダへの搭載などによる大きな社会貢献が期待されることが高く評価されたものです。

受賞者

21世紀発明奨励賞

  • 加屋野 博幸
  • 研究開発センター 機能材料ラボラトリー 主任研究員
  • 塩川 教次
  • 研究開発センター 機能材料ラボラトリー 研究主務
  • 田邊 正宏
  • 社会インフラシステム社 小向事業所 電波機器統合技術部 参事
  • 篠永 充良
  • 社会インフラシステム社 電波システム事業部 技監

21世紀発明貢献賞

  • 佐々木 則夫
  • 株式会社東芝 代表執行役社長

発明の概要

本発明は、従来比1/10の狭帯域性と従来の超伝導フィルタを5桁以上上回る耐電力性とを両立させた大電力無線機のためのフィルタ回路に関する。狭帯域特性と耐電力特性を合わせ持つ送信用フィルタは従来技術では実現できなかった。これに対して耐電力性に優れた空洞共振器と狭帯域性に優れた超伝導共振器を組み合わせて、両者の特長を活かした超伝導ハイブリッドフィルタ回路を発明した。

本発明は耐電力性の低い超伝導共振器を2つの空洞共振器で挟み込むことで大電力が超伝導共振器を通過しない構成を実現し、狭帯域特性と高耐電力特性の両立を可能にした。気象レーダ向けのフィルタを試作し、高電力送信も可能であることを実証した。本発明は周波数有効利用に効果があり、ゲリラ豪雨などの水害対策に向けた高性能気象レーダに適用することによる貢献を始め、便利でありながら省エネ性・安全性を合わせ持つ社会づくりへの貢献が期待できる。

21世紀発明奨励賞の受賞者と21世紀貢献賞を受賞した佐々木社長の代理の須藤専務左から、篠永技監、加屋野主任研究員、須藤専務、田邊参事、塩川研究主務
21世紀発明奨励賞の受賞者と21世紀貢献賞を受賞した佐々木社長の代理の須藤専務
左から、篠永技監、加屋野主任研究員、須藤専務、塩川研究主務、田邊参事

21世紀発明奨励賞の受賞者と斉藤研究開発センター所長 左から、篠永技監、加屋野主任研究員、斉藤所長、田邊参事、塩川研究主務
21世紀発明奨励賞の受賞者と斉藤研究開発センター所長
左から、篠永技監、加屋野主任研究員、斉藤所長、田邊参事、塩川研究主務

全国発明表彰(主催 公益社団法人発明協会)は、大正8年、我が国科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に始まり、以来、多大の功績をあげた発明・創作を対象とする第一表彰区分と、その優秀性から今後大きな功績をあげることが期待される発明を対象とする第二表彰区分において表彰が行われています。第二表彰区分では、科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ特許権の設定登録後3年以内の発明で、21世紀の社会を創造すると期待される発明として、著しく優秀と認められる発明に「21世紀発明賞」1点が贈られ、特に優秀と認められる発明に「21世紀発明奨励賞」数点が贈られています。