電磁流量計シリーズ

概要

Stable、Useable、Performableに応える東芝電磁流量計シリーズ

電磁流量計は、ファラデーの電磁誘導の法則を応用して流量を測定する計器です。当社は1960年代後半の第1号機を誕生させて以来、さまざまな新技術を導入し、モデルチェンジを進めてきました。それぞれの検出器では、液体に応じた各種接液材質をラインアップ。広範な産業分野で威力を発揮します。

  • 可動部、管内への突起物がなく、高信頼性での流量測定ができます。
  • 圧力損失がなく、高効率の配管が実現できます。
    (同じポンプで他の流量計の場合よりも多く流せます)
  • 管内断面の全信号を取り出す方式であり、高精度測定を実現します。
  • 測定対象は導電性液体のみです。気体や油等絶縁性液体の測定はできません。

主な用途

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主な用途
紙パルプ分野 パルプ液/填料/漂白剤/廃液 など
鉄鋼・非鉄 冷却水/アルミナスラリー など
食品 ビール、酒、ワイン/ジュース、牛乳/醤油、ソース/ジャム など
化学 苛性ソーダ/化学肥料/酸性水溶液/アルカリ水溶液 など
土木・建築 地下水/石灰スラリー/セメントミルク/鉱石スラリー/土砂スラリー/モルタル など
空調 冷暖房用循環水/冷水 など
その他 工業用水/農業用水/排水/温泉水/冷却水 など

特長

フィールドでの実質的な高精度測定を実現

関数磁界分布方式の採用で偏流影響を低減

電磁流量計内のそれぞれの箇所の流速情報を同じ重みで電極に集めるようにした関数磁界分布方式の採用で、非軸対称の流れ(偏流)でも高精度で測定できます。
※一部機種には該当しません。

電磁流量計内の感度分布および関数磁界分布 イメージ

電磁流量計内の感度分布および関数磁界分布

90°曲がり管による偏流影響例 イメージ

90°曲がり管による偏流影響例

方形波励磁方式+ノイズサプレッサによるノイズ影響低減

1970年代後半から採用してきた方形波励磁方式のさらなる改良やノイズサプレッサ、分割サンプリング方式等の演算技術の採用で、ノイズ影響をさらに低減し、より安定な測定を実現しました。

パルプスラリー測定時の電磁流量計出力 イメージ

パルプスラリー測定時の電磁流量計出力

耐環境性強化

セラミックス測定管による強化

LF410(15~100mm)、LF511検出器では、測定管にセラミックス(アルミナ)を採用し、耐摩耗性・耐負圧性・耐熱性を強化しています。また、セラミックス測定管を本体ケースから浮かせ、設置することにより、配管時の応力や熱の急変による応力にも強い構造としています。

セラミックス測定管による強化 イメージ

豊富なラインアップ

一般用電磁流量計

2.5mmから200mmまでの幅広い口径と各種接液部材質のラインアップで微小流量測定から大流量測定まで、そして通常の水から各種薬品までと幅広い流量測定のニーズにお応えします。

純水・液糖用電磁流量計(LF511/LF541形)

セラミックス測定管外側の面電極により、電極が流体に接液しない構造です。この構造により純水・液糖などの低導電率流体や、高濃度スラリー流体の流量測定が可能です。また、絶縁物が付着した場合でも安定した流量測定が可能です。(サニタリクランプにも対応)

サニタリ形電磁流量計(LF490形)

通常の電磁流量計の特徴を生かし、配管との接続部をサニタリ継手、液の滞留部を排除した食品の流量測定に適した構造となっています。米国3A規格認定品。

非満水用電磁流量計(LF502形)

関数磁界分布方式の更なる改良により、これまでの電磁流量計では不可能であった非満水状態の流れの高精度測定を実現しました。

インテリジェント化による機能・操作性向上

多機能

変換器のディジタル入出力機能表に示すように多くの機能を実現します。多くの機能の中からお客様が利用したい機能を自由に選択することができます。

※ディジタル入力:1点、ディジタル出力:2点を用いて選択可能。

ディジタル入出力機能表
ディジタル入力機能 ディジタル出力機能
・レンジ切替入力
・カウンターコントロール入力
・出力ホールド入力
・ゼロ点調整入力
・積算パルス出力
・多重レンジ切替出力
・上下限警報出力
・上上下下限警報出力
・流体抜け警報出力
・プリセットカウンタ出力
・変換器異常警報出力
ディジタル入力:1点・ディジタル出力:2点

通信機能(HARTプロトコル※, Modbus)

4~20mADCのアナログの流量信号にディジタル信号を重畳させたスマート通信機能によって通信端末で遠隔からでも計器情報を読み取ったり、各種操作が実施できます。オプションでModbusも対応しました。

※ "HARTプロトコル"とは、Highway Addressable RemoteTransducerの略でHCF(HARTCOMMUNICATION FOUNDATION)が推奨する工業センサ用通信プロトコルの名称です。

LCD表示器での対話式操作&エンクローズドオペレーション

ドットマトリックスLCDを見ながら、対話式にて各種操作ができます。なお、湿気が高い場所では変換器のカバーを開けずに操作(エンクローズドオペレーション)することが有効です。

LCD表示器での対話式操作&エンクローズドオペレーション イメージ