相対評価とは?
絶対評価との違い、導入・運用方法までを詳しく解説

相対評価とは、同じ部署や等級などの集団内で、ほかの従業員と成果や能力を比較して評価する方法です。評価に差をつけやすく、人件費を管理しやすい一方、本人の努力や成果が十分に評価へ反映されない場合もあります。

「相対評価と絶対評価は何が違うのか」「自社にはどちらの評価方法が適しているのか」と悩んでいる人事担当者も多いのではないでしょうか。

人事評価制度を適切に運用するには、それぞれの特徴を理解し、評価の目的や組織の状況に応じて使い分けることが重要です。

本記事では、相対評価と絶対評価の違いから、メリット・デメリット、具体的な導入・設計方法までわかりやすく解説します。

相対評価とは?

相対評価とは、同じ部署や等級などの集団内で従業員同士を比較し、成果や能力の順位・位置づけによって評価を決める方法です。

一般的には、従業員を成果の高い順に並べ、S・A・B・Cなどの評価ランクを割り当てます。評価ランクごとに人数割合を設定する「強制分布方式」も、相対評価の代表的な運用方法の1つです。

具体的な評価分布の例を見てみましょう。

評価ランク 人数割合
S評価 5%
A評価 20%
B評価 55%
C評価 20%

※上記は説明用の一例であり、標準的な評価割合を示すものではありません。

この方式では、評価ランクごとの人数が決まっているため、高評価者の人数を把握しやすくなります。評価結果と賞与・昇給額が連動している制度であれば、人件費の予測にも役立つでしょう。

一方、本人が前年より高い成果を上げたとしても、周囲の従業員がさらに優れた成果を出していれば、評価ランクが上がらない可能性があります。

相対評価は、本人の成果だけでなく、比較対象となる集団の構成や成果水準が評価結果に影響する点を理解しておくことが重要です。

なお、相対評価は必ずしも人数割合の固定を意味するものではありません。集団内の順位を参考にする方法と、評価ランクごとの人数を固定する方法を区別して制度を設計しましょう。

絶対評価とは?

絶対評価とは、ほかの従業員と比較するのではなく、あらかじめ定めた評価基準や目標に対する達成度をもとに評価する方法です。

個人の成果や能力、職務上の行動などを基準と照らし合わせて評価するため、ほかの従業員の成績によって本人の評価が直接変わることはありません。

具体的には、次のような項目を評価基準に設定できます。

評価項目 評価内容の例
成果 売上目標の達成率、契約件数、業務改善の実績
能力 専門知識、業務遂行能力、課題解決力
行動 チームへの貢献、顧客対応、求められる役割の遂行


評価基準が明確であれば、従業員は「何を達成すれば評価につながるのか」を理解しやすくなります。

また、上司との評価面談でも、達成できた項目や不足していた点を具体的に確認できるため、今後の育成計画に活用しやすい点がメリットです。

ただし、目標の難易度が従業員によって異なっていたり、評価者ごとに判断基準が違ったりすると、公平性が損なわれる恐れがあります。

絶対評価を適切に運用するには、評価基準の明確化だけでなく、目標設定の妥当性や評価者間の判断基準をそろえることが大切です。

相対評価と絶対評価の違い

相対評価と絶対評価の大きな違いは、評価結果を決める際の比較対象にあります。

相対評価は、同じ集団内の従業員と比較した順位や位置づけをもとに評価する方法です。一方、絶対評価は、事前に定めた基準や個人の目標に対して、本人がどの程度到達しているかを判断します。

両者の違いを、以下の表にまとめました。

比較項目 相対評価 絶対評価
評価基準 集団内の順位や位置づけ 事前に設定した基準や目標
他者の成果による影響 受けやすい 原則として受けない
評価分布 人数割合を固定する方式がある 基準を満たした人数によって変動する
人件費の管理 分布固定と報酬制度の連動により予測しやすい 報酬原資を別途管理する必要がある
従業員の納得感 比較対象や順位の根拠が重要 基準の明確さと目標の妥当性が重要
育成への活用 集団内での位置づけを把握できる 個人の強みや課題を把握しやすい


両者の基本的な違いは、人事評価に関する専門的な解説でも同様に整理されています。

具体的には、同じ売上目標を達成した従業員が2人いた場合、絶対評価では、どちらも基準を満たしていれば同じ評価を得られます。

相対評価では、ほかの従業員の成果や集団内の順位によって、評価結果が異なる可能性があるでしょう。

ただし、どちらの評価方法でも、公平性や納得感が自動的に確保されるわけではありません。

自社が人事評価によって何を実現したいのかを明確にし、それぞれの特徴を踏まえて選択・組み合わせることが重要です。

相対評価のメリット

相対評価には、従業員の成果や能力を比較しやすく、評価結果を報酬の配分や人材の選抜に活用できるというメリットがあります。

主なメリットは、以下の5つです。

  • 集団内での位置づけを整理しやすい
  • 評価者の主観による評価のばらつきを抑えやすい
  • 競争意識が生まれる場合がある
  • 人件費のコントロールができる
  • 評価に差をつけやすい

特に、評価ランクごとの人数割合を固定する方式では、高評価者の人数を予測しやすくなるため、人件費の管理にも役立ちます。

それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

集団内での位置づけを整理しやすい

相対評価では、共通する条件の従業員を比較することで、集団内での位置づけを整理しやすくなります。ただし、順位を決めるためには、成果や能力を確認する共通の基準と、その根拠となる情報が必要です。

絶対評価のように基準への到達度だけで判断するのではなく、同じ集団内で比較するため、評価分布を整理しやすい点が特徴です。一方で、比較条件の設定や順位付けの根拠確認が必要であり、評価業務の負担が必ず軽減されるとは限りません。

また、評価分布を設けることで特定のランクへの偏りを抑えやすくなります。ただし、順位付け自体には評価者の判断が含まれるため、比較条件と評価基準を明確にし、評価者間で認識をそろえることが大切です。

評価者による評価のばらつきを抑えやすい

相対評価のうち、評価ランクごとの人数割合を事前に設定する方式では、評価分布を設定することで、特定の評価ランクへの偏りを抑えやすくなります。ただし、評価者の主観による影響を防ぐには、順位付けの基準を明確にする必要があります。

たとえば、上司が部下との関係を気にして、つい高い評価をつけてしまう「寛大化傾向」を抑える効果が期待できるでしょう。評価基準や比較条件を明確にすることで、評価者による判断のばらつきを抑え、判断の一貫性を高めやすくなります。

また、相対評価では従業員同士の順位を明確にするため、成果に応じて評価に一定の差をつけやすくなります。評価にメリハリをつけたい企業にとっては、有効な評価方法の1つといえるでしょう。

競争意識が生まれる場合がある

相対評価では、他の従業員との相対的な順位が評価や報酬に影響するため、従業員間の競争意識を促しやすいという特徴があります。

他者との比較が仕事への意欲につながる場合があります。一方、競争意識が強まりすぎると、情報共有や協力を妨げる可能性もあります。

成果の相対的な位置づけを処遇や選抜の参考にしたい場合には、相対評価を活用できます。一方で、過度な競争は従業員同士の協力を妨げる可能性もあるため、自社の組織風土や評価制度の目的に合わせて運用することが大切です。

人件費の予算を管理しやすい

相対評価の大きなメリットの1つは、企業が支払う人件費を管理しやすいことです。あらかじめ「上位5%はS評価」といったように、各評価に割り当てる人数の割合を設定しておくことで、評価ランクと賞与・昇給額が連動している制度であれば、賞与や昇給にかかる費用を予算内に収めやすくなります。

また、評価ごとの人数を一定の割合に設定できるため、評価結果に応じて発生する人件費を事前に見込みやすくなります。企業全体の業績や人員構成などに大きな変化がない場合には、人件費の予算を管理しやすい点も、企業側にとってメリットといえるでしょう。

評価に差をつけやすい

相対評価では、従業員同士を一定の基準で比較できるため、成果を上げている従業員を把握しやすくなります。評価結果は、登用候補者の検討や人材配置を考える際の参考情報として活用できます。

ただし、相対的な順位だけでは個人の強みや育成課題を十分に把握できないため、具体的な成果・能力・行動に関する情報と組み合わせることが重要です。

相対評価のデメリット

相対評価には、評価結果に差をつけやすいというメリットがある一方、従業員の納得感や組織の一体感に影響する可能性もあります。

主なデメリットは、以下の3つです。

  •  所属する集団によって評価が変わる
  •  個人の成長が評価結果に表れにくい
  • 組織の一体感が欠ける可能性がある

相対評価は、本人の成果だけでなく、周囲の従業員の成果水準によって評価結果が左右される仕組みです。そのため、努力や成長が十分に反映されないと感じる従業員が生じる場合もあるでしょう。

制度の導入前に把握しておきたい3つのデメリットを解説します。

集団によって評価が変わる

相対評価では、同じ成果を上げても、所属する集団によって評価が変わる場合があります。

優秀な従業員が多い部署では、本人が目標を達成していても、相対的な順位が低くなる可能性があるでしょう。

また、少人数の部署では、設定した評価割合を適用しにくいという課題もあります。

公平性を高めるには、職務や等級が近い従業員を比較対象にし、必要に応じて評価分布の例外を設けることが重要です。少人数の部署では評価分布の設定が難しいため、必要に応じて例外ルールを設けることも検討しましょう。

個人の成長が評価結果に表れにくい

相対評価では、本人が前年より成長しても、周囲の従業員も成果を伸ばしていれば、評価ランクが変わらない場合があります。

努力や成長が評価に反映されない状況が続くと、モチベーションの低下につながる恐れもあるでしょう。また、順位だけでは、次に何を改善すればよいのかを把握しにくいという課題もあります。

個人の成長を支援するには、目標達成度やスキルの習得状況を確認し、具体的なフィードバックを行うことが大切です。

組織の一体感が損なわれる可能性がある

相対評価による競争が過度になると、従業員同士の協力や情報共有が妨げられる恐れがあります。

同僚より高い評価を得るために、チームの成果よりも個人の実績を優先する行動が生じる可能性もあるでしょう。こうした状況が続けば、組織全体の生産性にも影響しかねません。

協力関係を維持するには、個人の成果だけでなく、チームへの貢献や後輩育成も評価項目に含めることが重要です。

絶対評価のメリット

絶対評価は、事前に設定した基準や目標の達成度によって評価するため、個人の成果や成長を評価に反映しやすい方法です。

主なメリットは、以下の3つです。

  • 評価基準が明確で、従業員の納得を得やすい
  • 従業員の成長を評価できる
  • 目標達成に集中しやすい

ほかの従業員の成果に左右されず、本人の目標達成度をもとに評価できるため、従業員が自分の課題や成長に意識を向けやすくなります。

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

基準と評価結果の関係を説明しやすい

絶対評価では、評価基準を事前に明確にすることで、従業員が達成すべき目標を理解しやすくなります。評価者も基準に沿って判断できるため、評価結果の根拠を説明しやすい点がメリットです。

ただし、目標の難易度や評価者の判断に差があれば、納得感が損なわれる可能性もあります。

期初に評価基準を共有し、期末には実績や行動の事実に基づいて説明することが重要です。

従業員の成長を評価できる

絶対評価は、個人の目標達成度や能力の向上を評価に反映しやすく、人材育成に活用できます。

成果だけでなく、専門知識の習得や業務改善への取り組みなども評価項目に設定できるでしょう。また、評価面談で達成できた点や課題を確認すれば、次の目標や育成計画も明確になります。

従業員の成長を継続的に支援するには、成果とともに能力の習得状況を確認することが大切です。

目標達成に集中しやすい

絶対評価では、ほかの従業員の成果によって本人の評価が直接変わらないため、自分の目標達成に集中しやすくなります。努力や成果と評価結果の関係が明確であれば、主体的な行動や継続的なスキルアップにつながるでしょう。

ただし、達成が極端に難しい目標を設定すると、かえって意欲の低下を招く場合があります。

従業員の役割や能力に応じた目標を設定し、上司が達成までの過程を支援することが重要です。

絶対評価のデメリット

絶対評価には、従業員の成果や成長を評価しやすいというメリットがある一方、評価基準の設定や運用に関する課題もあります。

主なデメリットは、以下の3つです。

  • 全体の評価バランスを調整しにくい
  • 人件費が想定を上回る可能性がある
  • 評価者の負担が大きくなりやすい

特に、評価者によって判断基準が異なると、部署間で評価結果にばらつきが生じる可能性があります。また、評価ランクと報酬が連動している場合は、人件費の予算管理にも注意が必要です。

絶対評価を適切に運用するために、押さえておきたい3つのデメリットを解説します。

全体の評価バランスを調整しにくい

絶対評価では、設定した基準を満たせば高評価を得られるため、特定の評価ランクに人数が集中する場合があります。

ただし、実際に多くの従業員が基準を満たしているのであれば、評価分布の偏り自体が問題とは限りません。

重要なのは、評価の偏りが実際の成果を反映しているかを確認することです。

評価者研修や評価調整会議を実施し、目標の難易度や判断基準をそろえましょう。

人件費が想定を上回る可能性がある

絶対評価では、高評価者が増えると、賞与や昇給にかかる人件費が想定を上回る可能性があります。特に、評価ランクに応じて支給額が決まる制度では、報酬総額の管理が重要です。

対策として、個人の成果は絶対評価で判断し、賞与は会社の業績に応じた原資の範囲内で配分する方法があります。

評価基準を安易に変更せず、報酬制度との連動方法を適切に設計しましょう。

評価者の負担が大きくなりやすい

絶対評価では、従業員ごとの目標設定や成果の確認が必要となるため、評価者の負担が大きくなる場合があります。職種や役割によって評価項目が異なる場合は、目標の妥当性を確認する作業も発生するでしょう。

負担を軽減するには、評価項目を必要以上に増やさず、共通の評価シートや記録方法を整備することが有効です。期中から成果や行動を記録し、期末の確認作業を効率化しましょう。

相対評価・絶対評価の使い分け方

相対評価と絶対評価は、どちらか一方が優れているわけではなく、人事評価の目的や組織の状況によって適した方法が異なります。それぞれの特徴を理解したうえで、自社の課題や評価制度の目的に応じて使い分けることが大切です。

相対評価と絶対評価を使い分ける際のポイントについて解説します。

人事の目的 評価方法の活用例
基本給の改定 絶対基準を基本に、処遇バランスを調整
賞与の分配 絶対評価と相対比較を組み合わせ
昇格 昇格基準への到達度と候補者比較
配置転換 個人の能力や職務適性を確認
人材育成・1on1 絶対評価で成長や課題を把握
離職リスクの早期把握 個別面談やサーベイを併用

※上記は制度設計の一例であり、すべての企業に共通する必須の運用方法ではありません。

特に、人事評価の基準と、給与・賞与などの処遇を決定する基準は、必ずしも同一にする必要はありません。

人材育成のための評価と、限られた報酬原資を配分するための判断を分けることも、制度設計の選択肢となります。

絶対評価が適切な場合

絶対評価は、従業員の成長や目標達成、評価への納得感を重視する場合に適しています。

主な活用場面は、以下のとおりです。

活用場面 活用方法
人材育成 スキルの習得状況や成長を確認する
1on1・評価面談 目標の達成度や今後の課題を明確にする
ECサイトの売上高 2027年3月31日を期限として、ECサイトの月間売上高を1,500万円にする
配置転換 個人の能力や適性を職務要件と照らし合わせる
離職リスクの早期把握 評価結果と面談を通じて本人の状況を確認する


絶対評価では、他者との順位ではなく、本人の成果や能力を基準に沿って確認できるため、人材育成や適切なフォローにつなげやすくなります。

ただし、配置転換や離職リスクの判断は、評価結果だけで行うべきではありません。本人の経験や希望、面談で把握した状況なども踏まえ、総合的に判断することが重要です。

 

相対評価が適切な場合

相対評価は、限られた予算や登用枠の中で、従業員同士の成果や能力を比較する必要がある場合に適しています。

主な活用場面は、以下のとおりです。

活用場面 活用方法
賞与の分配 相対的な成果を参考に、予算内で支給額を調整する
昇格候補者の選抜 2026年度末までに、新規顧客からの年間受注額を1億円にする
売上総利益 共通の基準で候補者の成果や能力を比較する
人材の選抜 集団内での位置づけを判断材料にする


賞与原資や登用人数が決まっている場合、相対的な比較を取り入れることで、限られた枠の中で配分や選抜を検討しやすくなります。

ただし、単純な順位だけで判断することは避けましょう。職務内容や等級などの比較条件をそろえ、昇格では役職に必要な能力や経験も確認することが重要です。

相対評価の導入・設計方法

相対評価を導入する際は、評価ランクごとの人数割合をどのように扱うかという「評価分布の設計」と、誰と誰を比較するかという「母集団の設定」が重要です。

評価分布には、人数割合を固定する方法と、部署の実情に応じて柔軟に設定する方法があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

方式 指標 メリット
比率固定(強制分布) 人数や報酬予算を予測しやすい 成果の高い集団でも低評価者が生じる
緩やかな目安比率 部署の実情に合わせやすい 評価者によるばらつきが生じやすい


どちらの方式を採用する場合も、評価分布だけでなく、比較対象となる従業員の条件をそろえることが欠かせません。

ここからは、評価分布の設定・見直しと母集団の定義について、具体的な設計方法を解説します。

No.61 評価基準

評価分布を設定・見直しする

まず、S・A・B・Cなどの評価ランクごとに、人数割合を固定するか、目安として設定するかを決めましょう。

比率固定方式では、評価人数を予測しやすい一方、成果が高い部署でも一定数を低評価にする場合があります。緩やかな目安比率では柔軟に対応できますが、評価者による判断のばらつきに注意が必要です。

適切に運用するため、以下の項目を事前に決めておきましょう。

  • 評価ランクごとの人数割合
  • 少人数部署や同点者への対応
  • 評価分布の例外ルール
  • 評価結果の確認・調整方法

また、従業員数や組織構成の変化に応じて、評価分布や運用方法を定期的に見直しましょう。

評価対象の母集団を定義する

評価分布を設定したら、次に誰と誰を比較するのかという「母集団」を定義しましょう。

職務内容や等級が異なる従業員を単純に比較すると、公平性が損なわれる恐れがあります。

母集団を設定する際は、以下の項目を確認することが重要です。

確認項目 ポイント
職種・職務 業務内容や成果指標が近いか
等級・役割 求められる責任や能力が同程度か
母集団の人数 評価分布を適用できる人数か
業務条件 担当業務の難易度に大きな差がないか


少人数部署では、比較条件が近い複数の部署をまとめる方法もあります。

ただし、人数を確保するためだけに異なる職務をまとめることは避け、比較対象の設定根拠を従業員に説明することが大切です。

絶対評価の導入・設計方法

絶対評価を導入する際は、評価基準を明確にし、職務や役割に応じた目標を設定することが重要です。

制度を適切に運用するには、次の3つのステップで進めましょう。

  1. 評価基準を明確化する
  2. 職務や役割ごとに目標を設定する
  3. 目標達成の進捗を定期的に管理する

評価基準を整えるだけでなく、期中の進捗確認まで仕組み化することで、従業員の成果や成長を適切に評価しやすくなります。

それぞれの設計・運用方法を解説します。

評価基準を明確化する

まず、「何を達成すれば評価されるのか」を明確にしましょう。

「会社への貢献度」などの抽象的な項目では、評価者によって判断が異なる恐れがあります。

評価基準を具体化する際は、以下のように整理するとわかりやすくなります。

評価項目 具体的な基準例
業務改善 課題を特定し、改善策を実行する
顧客対応 定められた対応基準に沿って問題を解決する
チームへの貢献 知識の共有や後輩育成を行う


評価項目だけでなく、求められる行動や達成水準まで具体化し、従業員に事前に共有することが大切です。

職務や役割ごとに目標を設定する

評価基準を明確にしたら、職務や役割に応じた目標を設定しましょう。

営業職では売上などの数値を評価指標にしやすい一方、人事職や経理職などの管理部門では、業務の正確性や改善への取り組みも考慮する必要があります。

職種ごとの目標例は、以下のとおりです。

職種 目標設定の例
営業職 売上達成率、契約件数
エンジニア 開発品質、案件の進捗
人事職 採用計画の達成度、人材育成
経理職 決算業務の正確性、業務改善


すべての職種に同じ基準を当てはめず、業務の特性や目標の難易度を踏まえて設計することが重要です。

目標達成に向けた進捗を定期的に管理する

目標を設定した後は、期末の評価だけでなく、期中の進捗確認も欠かせません。

中間面談や1on1を通じて達成状況を確認し、必要に応じて目標や取り組み方を見直しましょう。

具体的な運用の流れは、以下のとおりです。

職種 実施内容
期初 目標と評価基準を設定・共有する
期中 面談で進捗を確認し、課題に対応する
期末 成果や行動をもとに評価する
次期 課題を整理し、新たな目標を設定する


日頃から成果や行動を記録しておけば、評価面談でも具体的な根拠を示しやすくなります。

評価結果を伝えるだけでなく、次の目標や成長につなげることが大切です。

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相対評価と絶対評価は、それぞれにメリット・デメリットがあり、評価の目的や組織の状況に応じて使い分けることが大切です。

適切な人事評価を実現するには、評価基準の明確化や従業員への説明に加え、評価に関わる人事情報を正確かつ効率的に管理する必要があります。

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