ITトレンド IoT/CPS「世界有数のCPSテクノロジー企業」をめざして

フィジカルとサイバーを融合し新たな価値を創造

産業のデジタル化が世界で加速しはじめたいま、東芝は2030年に向け、「世界有数のCPSテクノロジー企業をめざす」新たなビジョンを打ち出しました。

フィジカルとサイバーを融合し新たな価値を創造

戦後昭和から平成の時代を振り返ると、物質文明、ヒト・モノ・カネの集積による大量生産・大量消費、自動化による生産性向上、高度経済成長という時代から、ネットによる新結合、デジタル革命、ソフトウェア化、ネットワーク効果による、新たな富の創出とその偏在化が現れる時代へと変っていきました。そして、これからの令和の時代は、ヒト・モノ・システム・社会のすべてがつながるコネクテッドな世界になるといわれています。自動運転・自律制御、ロボットやドローン、AIやサイバーフィジカルシステム(CPS)が続々と「社会に実装」され、データが資源化されることで、デジタルによるビジネスモデルの革新と生産性向上はさらに加速するでしょう。
第4次産業革命ともいわれる、産業構造が大きく転換していく変化の時代において、東芝は、140余年続けてきた「ものづくり企業」の1社として、単なるIT企業ではなく、ものづくりを知り・モノの使われ方を知る企業として、人々の暮らしと社会を支える社会インフラ、エネルギー、リテール、ものづくりなどの事業領域で、フィジカルとサイバーを融合させることによって生まれる新たな価値をお客さま・社会に届け、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

世界有数のCPSテクノロジー企業へ

東芝IoTリファレンスアーキテクチャ(TIRA)

経済や事業の成長モデルが従来とは大きく異なる新たな時代に向けて、自社の事業領域や、強みとなるテクノロジーの発現場所を描くには、Cyber/Physicalを的確にとらえ、その構造を描き出す「地図」が必要となります。これが「アーキテクチャ」です。
東芝は、「東芝IoTリファレンスアーキテクチャ(TIRA)」という、CPS時代に向けたアーキテクチャを、いち早く描きました。TIRAは、Physical空間で起きるさまざまな事象をデジタルにとらえ、Cyber空間に集め、さまざまな分析やアルゴリズムによって、最適な制御を可能にします。加えて、発生したデータを他のデータと組み合わせてデジタルサービスとして提供することで、新たな価値を生み出すとともに、他のシステムやヒトとも柔軟・快適につながることによって、さらなる価値創造を目指しています。
TIRAは、IICやNIST、Acatechといった世界のリファレンスアーキテクチャのスタンダードを踏襲しつつ、さらに他のシステムとのつながりを描く「SoS(System of Sys tems)」の観点、ヒトとのつながりを描く「IoP(Internet of People)」の観点を加えることによって、これからの「すべてがつながる世界」に向けた、より包括的な「地図」を提供しています。
TIRAに沿って、さまざまなソフトウェアアセットの開発・整備、あるいは外部のソフトウェアの利用が始まっており、IoTサービスの要となるBusや、AI基盤なども整備しつつあります。共通のアーキテクチャをリファレンスすることによって、会社や部門の垣根を超えたオープンコラボレーションが加速しています。
将来を見据えたTIRAの考え方は、2019年にIICのリファレンスアーキテクチャ「IIRA」のVer1.9に採り入れられ、IIRAの次バージョンでは、適用事例と共に描かれる予定です。東芝は、日本発で世界のIoTのスタンダードをリードしはじめています。

東芝IoTリファレンスアーキテクチャ(TIRA)

東芝のIoTサービス TOSHIBA SPINEX™

東芝は、エネルギー、社会インフラ、ビルファシリティー、ものづくりなどの領域で、TIRAに沿って開発・整備したIoTサービスを続々と提供しております。それが東芝のIoTサービスTOSHIBASPINEX™です。

東芝のIoTサービス TOSHIBA SPINEX™

東芝のIoTサービス TOSHIBA SPINEX™

例えばエネルギーの領域では、東芝がこれまで発電所などに納入してきたエネルギー機器、制御システム、プラント運転などのノウハウを結集させたエネルギー最適化の機能をクラウドサービスとして提供します。これにより豊富な実績にもとづいた高度なエネルギーIoTサービスが、より容易に利用いただけるようになります。

社会インフラ、ビルファシリティーの領域では、産業用機器・ビル用機器の最適運転による省エネルギー・省コスト化、画像センサーなどの活用によるビル向けの新たなIoTサービスを提供します。
ものづくりの領域では、さまざまな製造業のお客さまにご愛用いただいている、ものづくりIoTソリューション「Meisterシリーズ」をクラウドサービス化しました。クラウドでの提供により、単独ではIoTの導入が難しい企業・部門で利用しやすくなり、また、サプライヤーや販売パートナー、保守サポートパートナー、委託先などのバリューチェーンを横断した利用も可能になります。IoTを活用した、きめ細やかなトレーサビリティーの実現や、現場で起きている事象を5M1Eの観点で多角的に見える化するといった、東芝グループでのものづくりの経験・ノウハウを採り入れたMeisterシリーズのアプリケーション機能を、導入しやすいクラウド環境で始めることができます。

  • 5M1E: Man、Machine、Material、Method、Measurementの5要素とEnvironment

東芝のアプローチ「DE」と「DX」

東芝は、CPSテクノロジー企業を目指して、デジタルエボリューション(DE)とデジタルトランスフォーメーション(DX)の両方に取り組んでいます。DEでは、長年つくってきたハードウェアをCPSの力によって進化させていきます。もう一方のDXでは、パートナーと共にエコシステムを形成し、お客さまに新たな価値を提供するプラットフォームにより、新たなビジネスを創出していきます。

芝のアプローチ「DE」と「DX」

CPSテクノロジーで新時代の産業・社会を支える

東芝は長年培ってきたものづくりの知見、制御・システム技術、最適化技術などをCPSテクノロジーとして結集。さまざまなインダストリにおいて、機器やプラントの運転・制御・保全・生産などの最適化を図り、お客さまのビジネス・業務改革に向け、CPSテクノロジーを活用し、共に新たな時代を切り開いてまいります。

CPSテクノロジーで新時代の産業・社会を支える

Solutions Book 2019-2020

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