知能化ロボット技術
ロボット・自動化技術研究部

創造情報学専攻 2019年入社 R.H.さん

工場や倉庫では、人手不足や作業内容の多様化が課題となっています。その課題に応えるために、定型的な繰り返し作業だけでなく、周囲環境や作業内容に応じて、自律的に働く知能化ロボットの開発と実用化を進めています。

知能化ロボット技術
ロボット・自動化技術研究部
創造情報学専攻 2019年入社 R.H.さん

工場や倉庫では、人手不足や作業内容の多様化が課題となっています。その課題に応えるために、定型的な繰り返し作業だけでなく、周囲環境や作業内容に応じて、自律的に働く知能化ロボットの開発と実用化を進めています。

人の作業を助けてくれるロボットの実現を目指して


コンピュータサイエンスからロボット工学へ


私は学部時代にはコンピュータサイエンスを専攻していましたが、大学院の研究室を調べている中で、ロボットが高速で器用な作業をしているのを見てかっこいいと思い、ロボット工学に興味を持ちました。また、人間が指先で行う器用な作業にも興味があったため、大学院ではロボットハンドを使用した物体操作の研究を行いました。物体操作にはロボット制御技術と物体検出技術が必要ですが、学部時代には学んでいなかった分野のため、新たにこれらの分野について勉強しました。例えば、ロボットハンドの指先を目標の位置に動かすためには、目標の指先位置から関節角度を計算して指示する必要があります。さらに、物体操作のためには画像処理によってロボットに対する物体の位置を検出する必要があります。試行錯誤の末、自分の想定した通りにロボットが動いたときはとても嬉しかったです。
大学院での経験を通じ、ロボットにはたくさんの開発要素があり、挑戦しがいのあるテーマと感じました。そのため、就職先でもロボットの研究に関する仕事をしたいと思いました。企業を調べたところ東芝がロボットの研究開発をしていることを知り、入社を考えました。社内にはロボットに関連するさまざまな分野に精通した研究者がいるため、自分だけでは実現できないようなロボットの研究開発ができます。


物体検出技術で自動化に貢献


私の現在の研究開発のテーマは、建築現場や工場内でのボルト・ナットを緩めたり取り外したりする作業の自動化です。ロボットでこのような作業を自動化するには、ボルト・ナットの位置を検出する必要があります。位置検出の方法としては、検出したい物体の画像を事前に登録しておき、画像内で登録した画像と似た部分を探すというテンプレートマッチングの方法があります。この方法は、物体の見た目の変化が少ない場合には有効ですが、照明環境の変化や多種多様なボルト・ナットを検出することは困難です。このような場合には深層学習を使用した手法が有効です。画像データを学習させることで、多種多様なボルト・ナットを検出できます。
この手法で課題となるのが、学習に必要な大量の画像データを用意することです。このため、3次元のコンピュータグラフィックスを使用して、大量の画像を自動的に生成するという手法を用いました。これによって、実物のボルト・ナットを高精度で検出することができました。


自分に合った働き方を


東芝は学習環境が充実しており、研究開発の遂行に必要な論文を電子ジャーナルで閲覧できたり、セミナーへ参加したりできます。そのため、意欲があれば社内リソースを活用して、専門性を高めることができます。また、ワーク・ライフ・バランスを充実させるための勤務制度が多くあり、自分に合った働き方ができます。私は在宅勤務を活用して、ロボットを動かす必要があるときには出社して、論文調査やプログラムを書くときは在宅勤務にするなど、自分に合った働き方を実現しています。


ある日のタイムスケジュール


在宅勤務の場合

9:30 勤務開始
●メール/Teamsチェック
●本日のスケジュールとタスクを確認

10:30 文献調査
●文献調査で技術動向を把握

12:00 昼休憩

13:00 午後勤務開始

13:00 資料まとめ
●文献調査や実験で得られた結果をまとめる

14:00 (週一回)進捗会議
●各自の進捗を報告して、課題などを整理する

15:00 ソフト実装・論文調査・実験

18:30 勤務終了

ルービックキューブ世界大会への参加
私は趣味としてルービックキューブの早解き競技を行っており、有給休暇を利用して世界大会に2回参加しました。1回目は2019年にオーストラリアのメルボルン、2回目は2023年に韓国の仁川で開催された大会でした。自分の競技を行う時間以外は、開催地を観光して海外旅行としても楽しみました。東芝では有給休暇の取得推進の取り組みがあるため、このように長期休暇でプライベートの時間を充実させることもできます。

  • 記載内容は掲載当時のものです。