実装技術
実装技術研究部

材料物理科学専攻 2016年入社 M.S.さん

Si加工、接合、接着に関する技術をベースに、電子デバイス、社会インフラ、エネルギーなど東芝の主力事業に対して、製品・システムの性能向上、低コスト化、新規製品の生産技術の開発に取り組んでいます。

実装技術
実装技術研究部
材料物理科学専攻 2016年入社 M.S.さん

Si加工、接合、接着に関する技術をベースに、電子デバイス、社会インフラ、エネルギーなど東芝の主力事業に対して、製品・システムの性能向上、低コスト化、新規製品の生産技術の開発に取り組んでいます。

最先端技術を用いたウエハ加工への挑戦


自分の技術を活かせる環境


学生時代は材料物理科学専攻で、超臨界二酸化炭素を用いた高分子へのめっき技術の研究をしていました。研究をすすめる中で、微細なめっき配線技術を用いる実装技術の開発に携わりたいと思うようになり、優れた半導体製品を創り出してきた東芝に興味を持つようになりました。夏期にはインターンシップに参加し、「社員の方々が幅広くかつ専門的な知識を持っていること」、そして「仕事や研究に対する質問をしやすく、働きやすい環境であること」を感じ、東芝で働きたいと強く感じるようになりました。

入社後最初の2ヶ月間は新人研修と工場での実習を受けました。新人研修では、社会人としての基礎を学ぶと共に多くの同期と交流を深めることができ、工場実習では実際の生産ラインに入り製品を作ることで、現場のスピード感や、ものづくりの大変さを直接感じることができました。実装技術研究部に配属された後は、半導体後工程での新規ウエハ加工技術の開発を担当してきました。技術確立に向け、日々知識を広げながら業務に取り組んでいます。


新たなダイシング技術確立に向けて


現在私は貴金属触媒を用いた異方性ウエットエッチング技術を応用して、チップに個片化する新しい加工技術の確立に向けて研究を進めています。半導体ウエハをチップに個片化する工程はダイシングと呼ばれ、一般的な個片化技術としては、円形のブレードを回転させてシリコンウエハを機械的に切断する方法が広く用いられています。一方、この新規加工技術はブレードでの加工と比べ多くのウエハを一括で処理でき、個片化する際の加工幅を狭くすることで一枚のウエハから得られるチップ数を増加させることが可能です。この技術では、微細な加工幅で垂直に加工することが重要な課題であり、技術確立に向け仮説と実験検証を繰り返し、開発を一歩ずつ前進させています。

学生時代は化学を中心に研究していたため、半導体エッチングや実装に関してはまだまだ学ぶことが多く、日々知識と技術を吸収して業務に取り組んでいます。実装技術研究部内だけではなく、その他の研究部門の先輩方からもアドバイスをもらう事ができるので、研究をスムーズに進められ、多くのことを学べる素晴らしい環境だと感じています。


仕事とプライベートを両立できる環境


実装技術研究部では、シミュレーションによるデバイスの構造設計や信頼性評価、半導体・電子部品や電子機器の組立に関係する技術、接合技術の開発も行っています。それぞれ分野にプロフェッショナルがおり、多くの技術に触れ学ぶことができる環境です。また質問もしやすく先輩方もサポートをしっかりしてくれるので、とても働きやすい環境だと思います。休暇もしっかり取ることを推奨されており、プライベートの時間も充実させることができるため、私は休日に友人と旅行や温泉巡りなどして、リフレッシュをしています。

就職活動では、まず自分がどのような業務に携わりたいかを第一に考え、その上で多角的な視点で幅広い分野に視野を向けることが重要かと思います。自分の専門性とは異なる分野の会社説明会や工場見学などは視野を広げる良いチャンスです。そういった経験を積み重ねることで、自分のやりたいことを発見、もしくは再確認できるのではないかと思います。

休日には職場の先輩や同期と旅行に出かけ、
リフレッシュしています。

実装技術研究部では、半導体の組立技術、接合技術、解析技術を大きな柱として、半導体、社会インフラを中心に各々の事業に広く貢献しています。主な業務は、製品の機能や信頼性の向上、低コスト化を実現するための技術を、基礎から開発して各事業体の製造部に展開することです。

Sさんは、現在、部門で力を入れている半導体用途のシリコンの異方性加工の要素技術開発に取り組んでいます。この開発はSさんが大学で学んだ電気化学の知識を活かせるもので、1年目から課題対策で自主性を発揮し、落ち着いた人柄もあり、周囲の信頼を得ています。この技術を生産展開するには、技術レベルをさらに高度化して製品に合わせたカスタマイズを行い、加工原理を深く理解して反応を制御・安定化させるための生産技術の確立が必要です。今の業務を通して技術力と専門知識を高め、技術を装置化し、生産展開するまでのステップを取得して技術者として大きく成長することを期待しています。

※記載内容は掲載当時のものです。