材料・デバイスプロセス技術
材料・デバイスプロセス技術研究部

総合デザイン工学専攻 2015年入社 K.I.さん

ナノメートルからメートルスケールまでの構造体・デバイス・ システムを対象に、メカニズム理解に基づいた製造プロセスや処理プロセスの生産性向上および新規技術の提案を目指して、加工技術・反応制御技術・解析技術などを研究開発しています。 

材料・デバイスプロセス技術
材料・デバイスプロセス技術研究部
総合デザイン工学専攻 2015年入社 K.I.さん

ナノメートルからメートルスケールまでの構造体・デバイス・ システムを対象に、メカニズム理解に基づいた製造プロセスや処理プロセスの生産性向上および新規技術の提案を目指して、加工技術・反応制御技術・解析技術などを研究開発しています。

スピーディな研究でモノづくりの現場に変革を


学生時代から現在に至るまで


学生時代は電子工学を専攻し、次世代電子デバイス応用に向けてグラフェンというナノマテリアルの電気的特性に関する研究を行ってきました。私が第一期生となる新設の研究室であったため、実験環境や研究テーマの立ち上げから関われたことに加え、企業との共同研究も活発であったため能動的に研究を行う姿勢が身に付いたと感じます。

就職活動では大学で得た知識と経験を生かしながら、世界をリードする技術分野で活躍できる企業を探しました。その中で共同研究していた東芝の技術力に魅力を感じ、更には生産を支えるプロセス技術を通して様々な製品への貢献が出来ることから、東芝生産技術センターを志望しました。

配属後はまず、次世代の3次元メモリに対して新材料適用を目指した研究を行いました。四日市工場と連携しながら、自らデバイス試作を行い、電気特性評価や元素分析を試みることでプロセス最適化の方針を提案します。このテーマでは工場での滞在業務を経験でき、自らアクションを起こす重要性や滞在先とのコミュニケーション、環境の変化に対応する体力の必要性を実感しました。現在は姫路工場と連携してSiC(シリコンカーバイド)パワーデバイスの研究を担当し、半年後には社会に製品として出ていくような生産に近いところで、スピーディな研究を実践しながら充実した日々を送っています。


スピード感のある研究を経験


現在は鉄道やエレベータ用のインバータに用いるSiCパワーデバイスの信頼性向上を目指して、加工プロセスの最適化を行っています。SiCは絶縁破壊電界強度がSiと比べて約10倍高いことから、Siの限界を超える高耐圧パワーデバイスとして注目される材料です。
約半年後に製品適用という時間の無い中で計画的に試作と分析を行い、より高い信頼性を持ったデバイスを作るべく研究に取り組んでいます。
学生時代と大きく異なる点は、メーカーの研究者は課題解決の提案まで求められることです。そのためには豊富な知識も大事ですが、本質的な目的を見失わず、常に課題を意識して状況整理していくことが重要だと感じています。さらに、生産計画に合わせて期日が厳密に決められており、実験は勿論のこと報告もスピード感を持って行わなくてはなりません。そのため、サンプル試作や測定、分析を仲間と協力して並列で進め、情報共有や議論を繰り返し、連携しながら進めることが欠かせません。失敗も想定した計画性とコミュニケーション能力が重要であると感じる毎日です。

今までの担当テーマは、自分が学生時代から親しみ深い3次元メモリを皮切りに、上記パワーデバイスのように、自身が経験のない分野に対しても幅広く挑戦させて貰えることが東芝生産技術センターの魅力の一つだと思います。また、各工場の特定製品に特化した研究者と交わりながら研究を進めることで、高い専門性と現場のスピード感に触れることができて非常に勉強になります。


職場環境と休日の過ごし方


私の所属する部門では、上記の電子デバイス以外にもエネルギー・環境などの社会インフラに関する様々な製品に対し、新技術開発を始め、早期量産化や生産性向上に寄与しています。各生産現場での課題に迅速に対応すべく、高いモビリティとバイタリティを持って業務を遂行しています。また、経営理念にある「人を大切にする」ことを実感できる職場です。何か困難な課題を抱えても、一人で悩まずに一緒に考えてくれる頼れる先輩・仲間がいます。様々な専門分野を持つエキスパートと協力して一つの目的に突き進むことができ、研究者として非常に幸せな環境だと感じます。

プライベートでは、横浜を中心に鎌倉や箱根を散歩したり、地域のバレーボールチームに参加して汗を流したりと健康的な生活を心掛けています。滞在業務を経て、研究者は身体が資本であり、それを管理できるのは自分しかいないという経験が活かされています。

就職活動は博士卒の学生にとって難しい面もありますが、自身の経験からも、他の人よりも大学で深く長く研究したという自信を持って取り組めば、自ずと道は開けてくると思います。特に、幅広い分野で高い技術力を求める東芝は博士卒の学生に対しての門戸が広く、理解もあります。迷っている方がいらしたら是非ともOB/OGに声を掛ける、もしくは説明会にご参加頂けたらと思います。

休日は鎌倉や箱根を散歩して過ごします。

Iさんは、まじめで明るい性格で、課題に対して真摯に取り組んでおり、周囲からの信頼が厚いです。また、自分から提案するアイディアマンでもあり、会議でも柔軟な発想で様々な意見を出し活発な議論を推進しています。特技は絵を描くことで、職場のイベントでパラパラ漫画を披露して盛り上げ役となってくれています。現在は、化合物半導体の研究に従事していただいておりますが、これからの社会を変える重要な技術なので、是非、製品化に貢献していくとともに、技術者としても、ますます成長していって欲しいと思います。

※記載内容は掲載当時のものです。