研究のスタイル
生産技術センターでは、2つのアプローチで研究を進めています
Mission 1
- モノづくりに関する基礎研究
- 5年、10年先の将来に必要となる技術を先行して研究開発を行っています。
こんな研究しています!(事例紹介)
事例1 金属3Dプリンタ技術の開発
- 01 研究に取り組んだきっかけ
- 3Dプリンタとは、CAD図面から直接部品を作ることができる技術です。複雑な形状も容易に作ることができ、モノづくり革新技術として注目されています。一方で、金属材料を対象とした3Dプリンタの部品製造速度は遅く、実用化への課題の1つでした。そこで世界最高速の速度を目指し、金属3Dプリンタの開発に着手しました。
![[イメージ] 金属3Dプリンタ技術の開発](/content/dam/toshiba/migration/corp/manufacturingAssets/cmc/recruit/cmc/img/mission1/1.jpg)
- 02 ここまで出来るようになりました
- 従来のパウダーベッドフュージョン方式に替え、レーザ照射と同時に金属粒子を噴射して造形するLMD(レーザメタルデポジション)方式を採用しました。また、生産技術センターの流体シミュレーション技術を活用して金属粒子の噴射領域を小さく集束させる造形ノズルを新たに開発したことにより、世界最高レベルの製造速度(359cc/h)を実現しました。 材料は、ステンレス鋼、インコネル、鉄など幅広い素材に対応しており、部分的に素材を変えた部品の造形もできます。
- 03 これから目指すもの
- 東芝機械株式会社と共同開発し、社会インフラ機器部品等の製造工程への金属3Dプリンタの適用を進め、生産効率の向上を目指します。
事例2 油圧-電動ハイブリッド駆動型双腕ロボット技術の開発
- 01 研究に取り組んだきっかけ
- 東芝のモノづくりの現場では、社会インフラ向けの大型部品を生産しており、重量物を搬送するニーズが多くあります。 一方、従来の産業用ロボットは、電動アクチュエータで構成されているため、高精度な作業を行える反面、重量物を搬送することができません。重量物を搬送するためには、電動アクチュエータの出力を大きくする必要があり、その結果ロボットが大型化し、生産ラインのスペース効率を下げてしまいます。
大型の重量物を搬送可能で、小型で省スペースなロボットを開発するべく、研究に着手しました。
![[イメージ] 油圧-電動ハイブリッド駆動型双腕ロボット技術の開発](/content/dam/toshiba/migration/corp/manufacturingAssets/cmc/recruit/cmc/img/mission1/2.jpg)
- 02 ここまで出来るようになりました
- 重量物搬送と省スペースを両立するため、従来の電動アクチュエータで構成された駆動源を油圧アクチュエータに変更しました。具体的には、負荷の大きい肩から肘にかけての部分と腰に相当する部位に油圧アクチュエータを、細かな作業が求められる肘から手首までに電動アクチュエータを採用しました。このベストミックスにより、パワフルかつ精細な稼働を実現しています。その結果、可搬重量100kg、肩幅700mmの省スペース性、高精度を実現しました。
- 03 これから目指すもの
- まだ解決すべきミッションはありますが、人間と共存しながら働ける状態を目指しています。また、目覚ましく進歩するAIとの組み合わせにより、認識力が向上すれば、定型作業だけでなく人間のような非定形作業にも従事できる可能性もあると思います。
この他にも、機械学習やAI(人工知能)、半導体プロセス応用技術の開発取組みなども行なっています。