SCiB™で自動搬送ロボットの稼働率がアップ?トータルコストも削減??
二次電池SCiB™は従来の概念を覆す電池で、さまざまな産業分野で活用いただけます。
第1回では「EVバス」を題材にして、急速充電と長寿命の特性がバスの台数を削減できる例をお話ししました。
電池で自動搬送ロボットの台数が減らせる仕組み
第2回となる今回は、物流倉庫で使われる「自動搬送ロボット」の事例をご紹介します。
なぜSCiB™が搭載された自動搬送ロボットを導⼊すると、倉庫のピッキング効率が⾼まり、その結果トータルコストの削減につながるのか、使い方のアイディアを皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
なお、以下は、単純化したモデルを例にしており、実際の運用とは異なる場合がありますので、ご注意ください。
自動搬送ロボットは、「ロボットをシステムで制御→ロボットが商品棚を移動→ピッキングして発送」する仕組みで、
- 商品を探す時間がかからず、すばやい︕
- システム管理なので誰でもできる︕
- 必要最⼩限の倉庫⾯積でOK︕
がメリットです。
ですが、導⼊する際の懸念点としてこんなイメージがありませんか︖
- ロボットは⾼額だから⾼稼働させないと意味がない。そうなると容量の⼤きい電池が必要
- 充電時間も必要なため、たくさん台数を⽤意しないと、出荷が遅れてしまう
→コストがかかり、なかなか導⼊できない
自動搬送ロボットは電池で動いていますが、搭載する電池によって、ロボットの運用が変わることをご存じですか。
充電時間 | ロボット台数 | 充電器 | |
---|---|---|---|
⼀般の電池 | ⻑い | 充電中のお休み分も考慮した台数が必要 | 充電器の数、充電用待機スペースも必要 |
SCiB™ | 短い! | 充電中のお休み台数を削減可! | 充電器の数、充電用待機スペースも最⼩に︕ |
充電時間 | ロボット台数 | 充電器 | |
---|---|---|---|
⼀般の電池 | ⻑い | 充電中のお休み分も考慮した台数が必要 | 充電器の数、充電用待機スペースも必要 |
SCiB™ | 短い! | 充電中のお休み台数を削減可! | 充電器の数、充電用待機スペースも最⼩に︕ |
例えば携帯電話のように3時間充電して15時間動くとすると、ロボットの稼働率は、15時間/(15時間+3時間)=83%となります。つまり17%の時間は仕事をしていないということができます。例えば、常時倉庫で100台のロボットを稼働させたい場合、100台/83% = 120台のロボット投資が必要になります。
⼀⽅、SCiB™は5分間の充電で3時間動きます。⽐較をわかりやすくするため稼働時間を揃えると、15時間動くには25分間の充電が必要となり、ロボットの稼働率は15時間/(15時間+25分)=97%、100台のロボットを稼働させたい場合は100台/97%=103台のロボットですみ、17台のロボット削減になります。
つまり、
効率稼働には、充電速度が大事︕
ロボット1台当たりの充電時間と稼働時間
常時100台のロボットを稼働させるためには、充電時間を考慮すると120台必要
- 充電待ちのロボット⇒多数発生
- 充電スペース⇒広いスペースが必要
- 電池容量、電池数⇒大きな電池が大量に必要
ロボット1台当たりの充電時間と稼働時間
常時100台のロボットを稼働させるためには、充電時間を考慮しても103台で運用可能
- 充電待ちのロボット⇒最小化
- 充電スペース⇒最小化
- 電池容量、電池数⇒最小化
充電時間が短いということは、ロボットの稼働率が⾼まって、結果的に台数が少なくてすむのです。電池容量がなくなってきたらその都度充電をして、すぐに稼働できるため、電池容量も最⼩限に抑えることもできます。また、急速充電で⾼稼働が実現できると、充電設備や待機スペースも最⼩限に抑えることが可能です。空いたスペースは、倉庫自体をコンパクトに、あるいは同じ倉庫で在庫棚・出入庫スペースを増やせる等、倉庫そのものの効率運用にもつながります。
コスト削減には電池の⻑寿命(サイクル特性)が⼤事
最近では急速充電に対応できるリチウムイオン電池が登場しており、同じ様に運用できるように思えますが、実際はどうでしょう。上図で充電/稼働のパターンに注目してみると、1⽇あたりのサイクル回数が⼤きく増えることになり、圧倒的な急速充電と長寿命特性を持つSCiB™以外ではこのソリューションは提供できないことがお分かりいただけると思います。
自動搬送ロボットの稼働率を上げ、さらに電池容量を減らすことができることは、資源利⽤の観点でも効率的でSDGsの実現にも寄与します。
まとめ
ここまで、前回に引き続き、SCiB™導入のモデル事例をご紹介しました。
- 自動搬送ロボットの台数を削減!
- 短時間充電により電池容量も少なくすむ︕
- 充電器、充電スペースも削減!
- 自動搬送ロボットの稼働率向上による倉庫の効率運用︕
SCiB™が急速充電と長寿命を同時に実現できていることでたくさんのメリットが生まれ、それらが結果的にトータルコストの低減につながることをご理解いただけたと思います。
当社では、今後も「SCiB™の使い方」をご紹介してまいります。
課題やお困りごとがあれば、ぜひお聞かせください。一緒に解決策を考えていきたいと思っています。
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