コラム

第4回『自社に最適なサプライチェーンマネジメントの必要性』


災害の監視や調査を行う体制が確立されていても、サプライチェーン情報の精度が粗いと必要な調査を行うことができません。
逆に、サプライチェーン情報の粒度が細かすぎて維持管理ができないなどの例もあります。

BCPを策定していても運用維持に耐え切れず、有効に機能しなかった企業が半数弱もあったという調査結果もあります。
また、直接の取引先から先にあるサプライチェーン情報が正しいかを判断できる企業は多くないのではないでしょうか。サプライチェーンは固定ではなく、自社及びサプライヤの改善活動や製品のモデルチェンジなどで変動することもあります。

サプライチェーン情報が整備されていないと、災害発生時に調査を行おうとしても自社製品の部材供給に繋がるサプライヤの状況が把握できないため、影響度調査に支障が生じてしまいます。
その結果、生産に影響が出ることも考えられます。

そのため、サプライチェーン情報の精度を保つためには、以下のチェックを行う必要があります。

①自社の業態と体制を考慮したサプライチェーン情報の粒度を検討する
②サプライヤにサプライチェーン情報を定期的に確認・更新していただく
③取引しているバイヤの知見で、定期的にサプライチェーン情報を確認する

平時のBCP対策として、希少部品や代替できない部品を扱っているサプライヤ及び希少設備で生産している自社拠点を明確にし、生産の重要度に合わせてマルチ化(拠点分散)を検討する必要があります。

サプライチェーン情報の最適な粒度策定をした上で、更にサプライヤの自発的な情報更新が徹底されると、良い方向で運用が回ります。

〜次回につづく〜