導入概要
正しい証跡を残すと共に、さらなる業務効率の
向上を図るため、ToruMeterを採用
三菱ケミカル九州事業所では、自動車部品や光学フィルム、光ディスクなどに使用されるポリカーボネート樹脂、印刷用のインク顔料、電子材料用超純水の製造などに使用されるイオン交換樹脂など、様々な製品を製造しています。私たち品質保証部は、それら製品の検査や保証に関する業務を行っています。
検査結果の証跡(エビデンス)を確保するため、電子帳票システムi-Reporterを導入し、写真を撮影、数値を手入力していました。正しい証跡を残すと共に、さらなる業務効率の向上を図るため、ToruMeter(トルメーター)を採用しました。
ConMas i-Reporterは、株式会社シムトップスが提供する現場帳票ペーパーレス化ソリューションです。
九州事業所で製造されている多様な製品
導入前の課題
i-Reporterで帳票の電子化は進んだが、
証跡保存の作業負荷とヒューマンエラーが課題
課題1
業務負担の軽減。写真の加工や数値の手入力が多く、
担当者の負荷が大きい
i-Reporterは写真を撮ってそのまま帳票に貼れるので、証跡が取れるようになりました。しかし、撮影した写真を拡大し、レイアウトに合わせて数値部分を切り出すなどの加工をする必要がありました。また、写真を見ながら数値を入力する作業もあります。
検査は毎月何万件もありますので、i-Reporterで電子化は進んだものの、担当者の負担になる作業がまだ残っている状態でした。
課題2
正しい証跡を残す
ヒューマンエラー(撮り忘れ・入力ミス)をなくす
i-Reporterの導入で証跡は残せるようになりましたが、写真の撮り忘れ、撮った写真の解像度が悪くチェックできない、数値の入力ミスなどが発生することがあります。
これらのヒューマンエラーを防ぐため、複数の担当者によるダブルチェックを行っていますが、本当にその機器の数値なのか、正しい証跡なのかという確認に時間がかかっていました。
イオン交換樹脂関連製品の検査室
電子天秤による計測
導入するサービスに求める条件
扱う検査機器の種類が多いため、
様々な機器の数値を読み取りできること
私たち品質保証部では、電子天秤や滴定装置、㏗計、表面張力計など、様々な機器を使って検査を行っています。これらの機器になるべく多く対応できることが条件の1つでした。
重要なデータを外部に出さないで利用できること
近年はクラウドの利用などが進んでいますが、検査結果の証跡は重要なデータとなりますので、社外に出すことができません。そのため、画像データを送信しないで利用できることが条件でした。
インク染料関連製品の検査室
表面張力の計測
証跡はi-Reporterに保存
i-Reporterと連携できること
当初、固定カメラで計器を連続撮影する方法も検討しました。しかし、この方法だと撮影した動画の中からエビデンスとなる部分を抜き取る必要があり、別の作業が発生します。業務の効率化やDX活動を進めて行くうえで、i-Reporterの電子帳票に証跡を残して行くことが決まったので、i-Reporterと連携できるということが導入の条件でした。
導入効果
写真の加工や数値の入力が不要に
ToruMeterは撮った写真を自動で切り取って数値の部分を拡大してくれます。加工をしなくても良いと言うのは本当に楽ですね。写真を撮った瞬間、数値の拡大写真と読み取った値が並んで表示されるので確認も簡単ですし、入力ミスやチェックの工数も減りました。写真と読み取った値に差異があった場合でも、その場で簡単に修正できるのも良かったです。
数値部分が自動で拡大して切り出され、
全体写真とともに保存される
拡大写真と数値を並べてi-Reporterに記録
正確な証跡を簡単保存
正しい証跡を残す意識も一層向上
全体写真と数値の拡大写真の両方が帳票に残るので、正しい証跡(エビデンス)を残すのに手間がかかりません。以前は数値は計測したものの、写真を撮り忘れて再計測することがあったのですが、ToruMeterは写真を撮らないと数値が入らないので、写真の撮り忘れがなくなりました。
また、写真と数値はあとで他のメンバーがダブルチェックするのですが、写りが悪いと「これ誰が撮ったの?」と言われるようになり、写真を丁寧に撮って残すよう、メンバーの意識が一層高まりました。コンプライアンスが重要視されてきている昨今、品質保証部門としてとても大きな変化だと思います。
読み取り対象の拡充で、
多くの検査機器が読み取れるように
「メーター以外の数値の読み取り(液晶パネルや監視モニターなどに表示される数値やドット表示の読み取り)」機能がリリースされ、読み取りたかった多くの機器の数値が読み取れるようになりました。チャート(印刷紙)の数値も試してみたところ、そちらも読み取りができたのには驚きました。
複数の数値が並んでいるところでは、読み取りたい数値を指一本で指定できるのも便利でした。
モニター画面の読み取り
ポリマー関連製品の検査室
動粘度の計測
データ送信限定サービスで重要な
データは社内のみに保持
オプションのデータ送信限定サービスを利用することで、写真を社外に出すことなく使用でき、セキュリティ面でも安心です。
i-Reporterとは帳票で連携
既存の帳票を少し改修するだけで、i-Reporterと連携できました。
トライアルでこの辺りのことも確認できたので、安心でした。
導入後の課題解決効果
スピーディーな証跡確保が実現したことで、時間的な余裕も生まれ、
チーム内でより一層「正確な証跡管理への意識」が向上し、
業務の効率化につながりました。
ToruMeterはスモールスタートが可能なので、いきなりすべての帳票で対応するのではなく、代表的な帳票から運用を開始して、段階的に全帳票へ展開して行きます。
また、今まではデータを取るのをあきらめていた項目なども、帳票に入れて行きたいですね。これらができるようになると、データの管理や活用と言った面でも利用が広がり、DXへの取り組みも進化すると思っています。
i-ReporterやToruMeterなど導入した様々なツールを使いこなし、活用の幅を広げることで、社員ひとりひとりがさらなる業務改善を考えていくことを目指しています。
品質保証部員の皆様
初回トライアル時には読み取れない機器も多く、導入は厳しいかもしれないと思いましたが、開発中の機能が順次リリースされていくなかで、多くの機器が読み取り可能となり驚きました。スピーディーな証跡確保が実現したことで、時間的な余裕も生まれ、チーム内でより一層「正確な証跡管理への意識」が向上し、業務の効率化につながりました。
東芝注:初回トライアル時は、「メーター以外の数値の読み取り(液晶パネルや監視モニターなどに表示される数値やドット表示の読み取り)」を開発中で、多様なデジタル表示に対応していなかった。
導入企業プロフィール
三菱ケミカル株式会社
九州事業所 品質保証部 様
企業情報
所在地
本社:東京都千代田区丸の内1-1-1(パレスビル)
九州事業所:福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1-1
資本金
532億2900万円
創業
1933年8月
事業概要
素材から機能商品といった多種多様な製品を通して、あらゆる産業の基盤を支えるとともに、社会課題の解決に
貢献するソリューションを提供しています
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