方針

「人と、地球の、明日のために。」のもと、カーボンニュートラル化とサーキュラーエコノミーの実現をリード
佐田 豊の写真

近年の世界では、地球温暖化による自然災害の甚大化や、資源枯渇、貧困、更には経済安全保障など、深刻化する様々な社会課題に直面しています。2022年11月に開催されたCOP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)では、気候変動による「損失と損害」が初めて議題となるなど、気候変動対策の加速と強化が喫緊の課題であることが再確認されました。

東芝グループは、「人と、地球の、明日のために。」を経営理念の主文に掲げ、創業以来、事業を通じて社会課題の解決に取り組んできました。2022年6月の経営方針説明会では、「一人ひとりの安心安全な暮らし」と「社会的・環境的な安定」を同時に満たすことを信念とし、「誰もが享受できるインフラ」と「繋(つな)がるデータ社会」の構築によって、「カーボンニュートラル」と「サーキュラーエコノミー」の実現に貢献していくことを宣言しました。

東芝グループが長年手掛けてきた電力、水処理、交通などの社会インフラ事業を通じて培った知見や技術に加え、Si・化合物パワー半導体、CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization)、水素ソリューション、急速充電二次電池(SCiB™)、次世代太陽電池、超電導モーターなどの新たなフィジカルの技術の強みと、AIや“データの力”を最大限に生かすことで新しい価値を持続的に創造していきます。

その手段として、(1)既存のバリューチェーンをデジタル化するDE(Digital Evolution)、(2)そこから生まれるデータを生かし、プラットフォームを提供するDX(Digital Transformation)、更に、(3)量子技術を活用し、あらゆるプラットフォームが業界を超えて最適な形で繋がるQX(Quantum Transformation)のステップを発展させます。

DE、DXの加速のために、国際標準に準拠したオープンなCPS基盤の構築と、将来を見つめお客様に提供する機能をソフトウェアまたはハードウェアで実現することを決める“ソフトウェア ディファインド(Software Defined)”という設計スキームの導入を進めています。更に、QXに向けて、世界最高性能の量子暗号通信を事業化、量子コンピュータの理論的研究から生まれた量子インスパイア―ド最適化ソルバー“SQBM+™”の提供を開始し、世界中のパートナー、お客様と新たな量子アプリケーションの探索実証を推進していきます。

東芝グループは、グループの強みである技術と開発のダイバーシティを生かし、エネルギー、インフラ、デバイスといった事業領域を核に、データの力を重ね合わせ、そのポテンシャルを最大限に発揮し、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に向けた挑戦を続けていきます。

上席常務執行役員
佐田 豊


体制

東芝の研究開発の体制はコーポレート(本社)の研究開発部門と、分社会社の研究開発部門及び設計・技術部門からなり、研究開発を各部門で機能分担し効率よく進めています。コーポレートの研究開発部門では、中長期的な視点で基盤技術を深め、新規事業領域の研究や革新的かつ先行的な研究開発に取り組んでいます。

分社会社の研究開発部門及び設計・技術部門では、事業ドメインの基盤技術を支え、事業計画に則った新たな商品や差異化技術の開発、及び顧客ニーズを捉えた商品化・量産化に取り組んでいます。これら部門の密接な連携により、市場に商品を送り出しています。

(※1)は研究開発センターに関連する拠点です。
(※2)はデジタルイノベーションテクノロジーセンターに関連する拠点です。
(※3)は生産技術センターに関連する拠点です。
(※4)は事業部に研究開発を担う機能があります。