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横画面でも縦画面でも広い角度から明るい3D映像を楽しめる縦横3D切替技術

2013年5月

概要

当社は、専用メガネの要らない裸眼3Dディスプレイで、横画面でも縦画面でも広い角度から明るい3D映像を楽しめる縦横3D切替技術を開発しました。3D表示用のレンズに液晶GRINレンズ(※注)を採用し、画面の向きに応じてレンズの向きも切り替えます。この技術は、カナダで開催された「2013 SIDINTERNATIONAL SYMPOSIUM」で発表しました。
(※注)液晶GRINレンズ:Gradient-Indexレンズの略。液晶セルに電圧を印加して形成した屈折率分布によるレンズ。

横画面でも縦画面でも広い角度から明るい3D映像を楽しめる縦横3D切替技術の図

開発の背景

裸眼3Dディスプレイは、専用メガネを掛けなくても立体構造を直感的に把握したり、迫力のある3D映像を楽しむことができます。その応用製品は、市場に出始めています。裸眼3Dディスプレイの実現方式には、レンズ方式と視差バリア方式が知られています。レンズ方式では、3Dで見ることができる画面の向きが、一方向に限定されています。視差バリア方式では、横画面と縦画面で3D表示を切り替えられるものもありますが、画面の一部を遮光して3D表示を行うため、3D映像が暗くなります。そこで、裸眼3Dディスプレイの用途拡大に向けて、画面が縦のときも横のときも明るさを維持したまま3D映像が楽しめるように、縦横3D切替技術を開発しました。

縦横3D切替技術

レンズ方式の裸眼3Dディスプレイで、3D表示用のレンズには液晶GRINレンズを採用しました。画面の向きによって液晶GRINレンズの屈折率分布を変化させ、レンズの向きを切り替え、縦横両画面で3D表示を実現しています。レンズ方式のため、視差バリア方式に比べて光利用効率は2倍以上で、3D表示画面の明るさは低下しません。液晶GRINレンズの液晶分子の配列方向とレンズ方向の角度を縦横両画面に対して最適化して、液晶GRINレンズの視野角特性を広げ、広い角度から3D映像を見ることができるようにしました。

今後の展望

縦横3D切替技術と、画面内の任意の位置、サイズで3D表示と2D表示を切り替えることができる部分2D/3D切替技術を組み合わせ、横画面でも縦画面でも任意の位置、サイズで3D表示できる裸眼3D表示技術を開発し、裸眼3Dディスプレイの応用拡大を目指します。