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小型プロジェクタで明るい部屋でも見やすく綺麗な映像を表示できる領域別階調変換技術

2013年4月

概要

当社は、プロジェクタから投影した映像を明るい部屋でも見やすく表示できる領域別階調変換技術を開発しました。明るさが不十分な小型プロジェクタにこの技術を導入すれば、部屋の明るさや投影する壁の反射率によらず、視覚的に明るく、見やすい映像を投影することができます。この成果は、2013年電子情報通信学会総合大会で発表しました。

小型プロジェクタで明るい部屋でも見やすく綺麗な映像を表示できる領域別階調変換技術の図

開発の背景

プロジェクタが小型化され、携帯用のモバイルプロジェクタやプロジェクタが組み込まれたスマートフォンが登場し、大画面のプロジェクション映像をどこでも気軽に楽しめるようになってきました。しかし、小型プロジェクタは明るさが不十分なため、部屋の明るさや投影する壁の反射率によってはプロジェクション映像が暗く、見にくいことがあります。そこで、従来から、低階調側(暗い領域)が明るくなるように画面一括で階調変換を行い、見やすさの改善を図っています。ただ、この方法では画像の高階調側(明るい領域)の階調が潰れてしまうという課題が残されていました。

領域別諧調変換技術

今回当社が開発した領域別階調変換技術では、画像をいくつかの小領域に分割し、領域毎に階調変換を行い、画像の明るい領域の階調性を維持したまま、暗い領域を明るくすることができます。部屋の明るさや壁の反射率から実際のプロジェクション映像を求め、理想的な環境でのプロジェクション映像を推定し、その差が小さくなるように各領域で階調変換を行うことで、視認性を改善しています。

今後の予定

今後は、照明の明るさや壁の反射率だけでなく、照明や壁の色にも対応できる技術を開発していきます。また、この技術を世の中のニーズに応じて高性能画像処理回路などで実現し、様々な小型プロジェクタへの導入を目指します。