THK株式会社様 サイネージロボットへの搭載検証実験

コミュニケーション可能なサイネージロボットにおける Soundimension® 音響効果の検証実験

このたび、サイネージロボットを活用した音声コミュニケーション及び、サイネージ広告の付加価値向上に対する、Soundimensionの音響効果を検証する実験を、THK株式会社様(代表取締役社長:寺町彰博、以下THK様)と共同で実施しました。

THK様では、サイネージロボットの活用における、音を発生させたときの周囲に対する騒音対策の必要性や、コミュニケーションツールとして使用した場合に周囲にあまり会話内容を聞かれたくないという、音に関するお客様の声をお持ちであり、また新しい広告媒体の付加価値としての音の活用にも興味を持たれていました。 そこで、今回、これらの課題に対しSoundimensionソリューションが解決の一助となる可能性について、効果を検証する実証実験をTHK様と当社が共同で実施しました。

検証1:

双方向音声コミュニケーションが可能なサイネージロボットを介した、ユーザとVtuberアバターとの会話において、Soundimension 音場制御を適用することで、周囲の人々に会話を聞き取られにくい状態で会話できる効果が得られるかを、イベント会場という実際のロボット稼働場所で検証する

検証2:

サイネージロボットから、仮想音像音源を含む動画コンテンツを投影し、通常の動画コンテンツ投影と比較し、音の聴こえ方が異なることによる効果が感じられるかどうかを検証する


検証1: 実施環境 高輪ゲートウェイ駅のイベント( Playable Week 2023 )  2023/3/11~3/12


実施内容

  • 「サイネージロボットを介した、Vtuberとの直接会話による円滑なコミュニケーション」を本イベントに出展されるTHK様のサイ ネージロボットにSoundimension 音場制御(プロトタイプ)をインストール、また、ロボットの下部にSoundimension  音場制御の処理音を出力するためのスピーカ(3個1セット)を設置
  • 双方向会話アプリを介してリアルタイムで一般イベント参加者とVTuberが会話する音声のうち、VTuberの声がこのスピーカから 出力されるようにセッティングを実施
  • イベント会期2日間にわたり、様々なVtuberの方々の声に音場制御を適用 
  • 音場制御処理の適用により、会話している一般参加者当人以外の、周囲の人々には会話が丸聞こえにならず、気兼ねなく 会話できる効果が感じられるかどうかについて、THK様が確認

結 果

  • 会話中に、音場制御で「良く聴こえるエリア」に設定したサイネージ正面に立つと、Vtuberの声ははっきり聴こえ、一方で「聴こえにくいエリア」に設定した側面方向に立つと、スピーカからの距離はほぼ同じでありながら、声は聞こえるが会話内容までははっきりとは聴き取れない効果が感じられたとのTHK様からの声を頂いた
  • リアルタイムの会話の中で、話が盛り上がり大きな声で笑う等の、入力音種の大きな振れの幅によっては、音場制御の体感効果があまり感じられないシーンも発生するとのコメントもいただき、このようなユースケースに対するSoundimension 音場制御の 適用に際しての課題も見出すことができた
総じて、駅の線路直上のコンコースという、周囲の暗騒音がかなり大きい環境下で、もともとの会話音声のボリュームも大きい条件、且つリアルタイムに発生する音声という音源に対しても、Soundimension 音場制御の効果が感じられることが確認されました。

検証2: 実施環境 第53期 THK定時株主総会併設展示場(品川プリンスホテル) 2023/3/18


実施内容

  • THK様の製品として第53期 THK定時株主総会併設展示場に展示されたサイネージロボットのうちの一台を検証に使用
  • 再生スピーカとしてTHK様がもともと利用されているスピーカを用いて、音に方向感を付与した仮想音像音源を含む動画コン テンツを再生
  • この状態で、音の聴こえ方の差異が感じ取れるか否かについて、THK様の社員の方々、および株主総会に来場された株主様に ヒアリングを実施

結 果

  • 「仮想音像コンテンツの音では、通常の音がスピーカから鳴っているのとは違う聴こえ方をしていることははっきりわかる」、「動画と音が一体となった広告への付加価値としては音の方向感があることは面白く、費用や導入の手間を含めて検討する価値はあると思う」とのご意見を頂いた
  • 高齢の方が試聴した場合に、音の方向感がわかりにくくなる傾向があることも改めて確認された。これは加齢に伴う聴覚の変化と連動するものであり、以前から把握していた事象ではあるが、若年層から高齢層までを効果対象とするにはどのような取り組みが有効かを改めて検討する機会となった
総じて、サイネージコンテンツへの付加価値効果が感じられるか、という観点から、費用や運用の簡便さなども含めて貴重なご意見を頂くことができました。
これらの実証実験1、2より、サイネージソリューションおよびコミュニケーションツールの音響効果に対するSoundimensionの適用により付加価値が高まる可能性があることが示されました。