AIを搭載して継続的に進化し続ける
「SMART EYE SENSOR MULTI 2」
多機能画像センサ「SMART EYE SENSOR MULTI 2」は、自動車の先進運転支援システムなど高い認識精度が要求される分野で利用されている画像認識AIプロセッサを搭載しており、画像情報から人物の存在や人数などさまざまなデータを取得することができます。搭載したAI機能を活用することで、人物検知精度の向上をはじめとする各種機能の継続的な強化が可能になりました。
従来の赤外線人感センサにはなかった、SMART EYE SENSOR MULTI 2の優れた機能や特長をご紹介します。
画像認識AIプロセッサを搭載
人物の動きによる検知イメージ※1
※1 検知イメージを理解していただくためのデモ画像であり、標準的な使い方では画像の出力は行いません。
人の微細な動きをセンシング
一般的な人感センサは、赤外線を使って動く人からの温度差に反応して「人がいる」と判定する仕組みのため、デスクワーク中の人の動きを捉えることが難しく、動きが鈍くなると、すぐに人がいないと誤検知※2してしまうことがありました。SMART EYE SENSOR MULTI 2は高度な画像認識技術を用いて人の動きを認識することで「人がいる」と判断するセンサなので、マウスを動かす程度の微細な人の動き※3をセンシングでき、人がいる/いないをより的確に認識して、照明など設備機器の即応性の高い制御に活かせます。
赤外線人感センサ
微細な動きのセンシングは難しい
照明の消灯までの時間を長めに設定
SMART EYE SENSOR MULTI 2
微細な人の動きをセンシング
即応性の高い設備機器の制御が可能に
※2 標準的な赤外線人感センサとの比較であり、特殊仕様、特殊用途のセンサは非該当。
※3 最小検出対象は、0.5m/sec以上の速度で移動する15cm角以上の物体。
SMART EYE SENSOR MULTI 2と赤外線人感センサの機能比較※2
赤外線人感センサ | SMART EYE SENSOR MULTI 2 | |
---|---|---|
歩行検知 | 〇 | 〇 |
デスクワーク検知 | × | 〇 |
検知範囲 | 直径約5m | 10.8m x 10.8m |
エリア分割 | × | 最大9エリア |
マスク機能 | × | 〇 |
人数推定 | × | 〇 |
活動量推定 | × | 〇 |
赤外線人感センサ | SMART EYE SENSOR MULTI 2 | |
---|---|---|
歩行検知 | 〇 | 〇 |
デスクワーク検知 | × | 〇 |
検知範囲 | 直径約5m | 10.8m x 10.8m |
エリア分割 | × | 最大9エリア |
マスク機能 | × | 〇 |
人数推定 | × | 〇 |
活動量推定 | × | 〇 |
人に関するマルチな情報を取得
在/不在(人がいる/いない)だけでなく、おおよその人数や照度、活動量、さらには歩行/滞留(歩いているか、その場にとどまっているか)など人に関するマルチな情報を取得できます。取得した情報はセンサ本体でリアルタイムに処理して、数値データに変換して出力することで、設備機器のスマートな制御※4や働く人の動線分析※5など多用途に活用できます。標準的な使い方では画像自体を出力しないので、機密情報の漏洩防止やプライバシーの保護などの観点から監視カメラを設置しづらいオフィスや生産現場などにおいてもご利用いただけます。
在 / 不在
推定人数
活動量
歩行 / 滞留
推定照度
在 / 不在
推定人数
活動量
歩行 / 滞留
推定照度
出力データ(センサ1台当たり)
項目 | 点数 |
---|---|
在/不在 | 9点 |
推定人数 | 1点 |
活動量 | 1点 |
歩行/滞留 | 9点 |
推定照度 | 9点 |
※4 BEMS(Building Energy Management System:ビル・エネルギー管理システム)など制御装置と連携することで実現可能。
※5 サイネージシステムなどと連携することで実現可能。
広範でフレキシブルな検知範囲
従来の赤外線人感センサではセンシング可能な範囲が直径約5mの同心円であるのに対し、SMART EYE SENSOR MULTI 2はより広い10.8m四方を1台でカバーできます。さらに、検知範囲を最大9つまで自由に分割し、エリアごとの情報を照明の制御などに活用することも可能です。分割は必ずしも等分ではなく、任意の多角形で塗り絵感覚で自由に設定することができるのが特長です。什器のレイアウトや通路の位置に合わせてきめ細かく設定したり、オフィスの机一つ一つに割り当てる※6こともできます。
赤外線人感センサ
SMART EYE SENSOR MULTI 2
※6 従来の10.8m×10.8mの検知範囲内において、個々の座席など精細な検知ポイントを最大36点まで設定することができます。
工場や倉庫などの高天井に対応
執務室における微細な動きであるデスクワークの場合、机上面0.7mを標準的な高さとしていますが、歩行などの大きな動きであれば、最大8mの高天井までセンシングが可能です。従来の赤外線人感センサではセンシングが困難な高天井の工場や倉庫などの他、オフィスビルのロビーや吹き抜けのスペースなどで働いている人を認識できます。
執務室の場合
高天井空間の場合
暗い空間でもセンシング可能
暗い空間でもカメラからの入力映像を自動で調整(低照度補正)して、動く対象を見つけます。1ルクス以上の照度があればセンシング可能(1~50ルクスでは歩行検知)なので、誘導灯のみが点っているような夜間の暗い執務室でもセンサとして稼働できるのが特長です。
暗い空間における入力画像※7
補正後に検知対象を捕捉した画像※7
※7 人物の動きによる検知イメージを理解していただくためのデモ画像。なお、検知エリア内における明るさに大きな差異がある場合は検知できないことがあります。
センシング不要なエリアをマスクする機能
SMART EYE SENSOR MULTI 2は人の動きを認識するセンサなので、人以外の動くものにも反応してしまう場合がありますが、簡単な対策でそれをクリアできます。働く人と産業用ロボットや製造ラインなどが共存する工場において、センシング不要なエリアをあらかじめマスクする(覆い隠す)ことで、よけいな照明の点灯など誤動作の可能性を減らします。また、ガラスで仕切られた会議室の場合、部屋の中で働く人や逆に外の通路の歩行者の動きに対して反応してしまう現象を防ぐために、本来の検知対象ではないエリアをセンシングしないようにマスク処理することが可能です。
センシング不要なエリアをマスク
ガラス張りの会議室もマスク可能
マルチベンダ対応
ビルネットワーク用通信プロトコルの標準規格であるBACnetを介して、さまざまなメーカーの設備機器とも接続が可能※8で、BEMSなど制御装置を用いて適正な制御に活用できます。東芝製照明器具個別制御システムを導入する場合は、BACnetを介さずゲートウェイ装置と直結できるため、高い即応性で信号のやり取りを行うことが可能です。
※8 連携するメーカーやシステムなどにより制約がございます。当社にお問い合わせください。
SMART EYE SENSOR MULTI 2は1台で複数の従来センサの機能を代替することで、各種設備機器の制御に活用することができます。今後、オフィスビルのIoT化に伴い、センサは増える方向にありますが、設計段階からマルチなセンサデバイスとして統合化を検討すれば、全体のイニシャルコストの低減にも役立ちます。
SMART EYE SENSOR MULTI 2による従来センサの各種機能の代替
設備 | 従来センサ | 従来センサを活用した制御 | SMART EYE SENSOR MULTI 2を 活用した場合の制御 |
照明 | 赤外線アクティブセンサ(人感センサ) | 人の在/不在を検知し、照明をON/OFF・調光制御 | 画像情報から人の在/不在を検知し、照明をON/OFF・調光制御 |
照度センサ | 室内の明/暗を検知し、照明を調光制御 | 画像情報から照度を推定し、照明を調光制御 | |
空調 | サーモパイルセンサなどの人感センサ | 人の在/不在を検知し、空調の風量を制御 | 画像情報から人数を推定し、人が多い/少ないに応じて空調能力を制御 |
換気 | CO₂センサ | CO₂濃度を検知し、外気導入量を調整 | 画像情報から人数を推定し、必要な換気量算出に活用して、外気導入量を調整 |
防犯 | 赤外線パッシブセンサ | 夜間の侵入者など異常を検知 | ・画像情報から人の在/不在を検知し、夜間の異常を検知 ・検知対象の静止画像を確認可能 |
設備 | 従来センサ | 従来センサを活用した制御 | SMART EYE SENSOR MULTI 2を 活用した場合の制御 |
照明 | 赤外線アクティブセンサ(人感センサ) | 人の在/不在を検知し、照明をON/OFF・調光制御 | 画像情報から人の在/不在を検知し、照明をON/OFF・調光制御 |
照度センサ | 室内の明/暗を検知し、照明を調光制御 | 画像情報から照度を推定し、照明を調光制御 | |
空調 | サーモパイルセンサなどの人感センサ | 人の在/不在を検知し、空調の風量を制御 | 画像情報から人数を推定し、人が多い/少ないに応じて空調能力を制御 |
換気 | CO₂センサ | CO₂濃度を検知し、外気導入量を調整 | 画像情報から人数を推定し、必要な換気量算出に活用して、外気導入量を調整 |
防犯 | 赤外線パッシブセンサ | 夜間の侵入者など異常を検知 | ・画像情報から人の在/不在を検知し、夜間の異常を検知 ・検知対象の静止画像を確認可能 |
高精細画像を出力可能
汎用インターフェースであるUSB端子をセンサ本体に搭載したことで、お客さまのご要望により、USB-Ethernet変換器を介して高精細な画像(毎秒1,920×1,920pix、960×960pix、640×640pixの3種のJpeg静止画像から選択)出力ができます。これにより、外部サーバにおいて画像処理や分析などを行うことで、スペースマネジメントや人流分析、行動分析など新たなサービスへ応用が可能になります。
高精細画像出力イメージ※10
※9 Ethernet経由でのお客さまサーバへの接続には別途弊社推奨のUSB-Ethernetをご準備願います。Ethernetはローカルエリアネットワークのみの対応となっております。
※10 標準的な使い方では画像データ自体の出力は行わず、数値データのみ出力します。
最新機能へのアップデート
一般的な人感センサは最新機能に更新するためには、センサ自体を取り替えるのが通例でした。しかし、SMART EYE SENSOR MULTI 2は画像認識プロセッサを搭載しているので、設置後でもソフトのアップデートを行うことで、必要な機能を後付けすることができます。お客さまのニーズに的確にお応えできるように、新たなセンシング機能やサービスを開発しています。