SMART EYE SENSOR MULTIは、BEMS※1などと連携することで、照明・空調・エレベーターなどファシリティのスマート制御が可能になり、省エネと快適性の両立や利便性の向上を図ります。また、2050年までのカーボンニュートラル実現のために、さらなる省エネを目指す制御ソリューションのデバイスとして、建築物のZEB化の推進に貢献します。さらには、人の行動に関するマルチな情報を取得できることから、ニューノーマル時代におけるワークプレイスの安全・安心の確保など新たな分野への応用も広がっています。
※1 BEMS(Building Energy Management System):ファシリティを統合的に監視し、自動制御することで、省エネや運用の効率化を図るシステム。
照明との連携
無駄な点灯をなくす
人の在/不在を検知し、不在のエリアは減光、または消灯できます。通り過ぎる歩行者のみの場合は、周囲の明るさに応じて照明を暗めに抑えるか消灯したままで、省エネを図ります。
外光に応じて調光
画像情報からおおよその明るさを検知し、窓から入射する外光に応じて適切な明るさに調光制御できます。別途、照度センサを設置する必要がありません。
(YouTube動画:1分16秒)
空調との連携
人数に応じて適切な温度に
例えば冷房の場合、おおよその在室人数を検知して、人が多い時には空調の出力を高め、快適性を維持します。反対に、人が少ない時には出力を抑えることで、冷やしすぎを緩和し省エネと快適性の両立を図ります。
(YouTube動画:1分36秒)
工場・倉庫で高天井に対応
工場や倉庫など高さ8mまでの高天井の下での歩行者を検知できます。例えば、現場作業員を検知して必要時のみ空調機を稼働させることで、省エネと作業環境の快適性向上に貢献します。こうした現場ではベルトコンベヤやロボットアームなどさまざまな動く物と共存していますが、形状検知機能※2により人かそれ以外かを識別可能なので、作業員の動きに合わせて効果的に制御ができます。
※2 現在開発中
(YouTube動画:0分45秒)
エレベーターとの連携
混雑度に応じた配車
乗り換え階などのエレベーターホールに設置することにより、利用者の混雑度に応じてかごを優先的に割付け、最大待ち時間の短縮を図ります。
社会的弱者のサポート※3
車椅子やベビーカーなど援助が必要な方を検知し、サポートスタッフにいち早くお知らせしたり、エレベーターを自動で専用運転モードに切り替えられます。
※3 現在開発中
(YouTube動画:0分50秒)
ZEBへの貢献
CO₂濃度による外気量制御※4
CO₂濃度の実測値と画像センサを用いた人数計測から推定した値にはおおよその相関があることから、CO₂センサの代わりに画像センサを活用して室内の推定人数に合わせて適正な外気導入量に制御することで、過度の外気量導入を抑えて冷暖房時の外気負荷を低減します。時間によりオフィスの在室人数の変動が大きい場合などに有効です。
空調ファン制御の高度化※4
画像センサで人の在/不在やおおよその人数を検知し、VAV※5の発停や設定値の変更などに反映することで、冷暖房負荷と空調ファンの消費電力を低減します。在宅勤務の増加によりオフィスで働いている人がまばらな状態では、空調をフル稼働させるのではなく、人数に応じて適正に制御を行うことが有効です。
※4 ZEB実証事業でZEB Oriented実現を目指す建築物においては、WEBPRO未評価技術(公益社団法人 空気調和・衛生工学会が公表)9項目のうち1項目以上を導入することが必須であり、SMART EYE SENSOR MULTIはその2項目に対応しています。
※5 VAV(Variable Air Volume):可変風量装置。空調システム方式の一つで、室内負荷に応じて送風量を変化させることにより冷暖房能力を調節する方式。
ニューノーマルへの対応
人数に応じて換気量を調整
おおよその在室人数を検知し、換気量や換気回数を効率的に制御することで、感染症リスクの低減に役立ちます。会議室など閉空間において人が密集していると推定される場合には、強制換気により新鮮な外気と入れ替えることができます。
(YouTube動画:1分36秒)
混雑状況の見える化
社員食堂のリアルタイムの空席状況や、エレベーターのエントランスや乗り換え階のおおよその待ち人数を従業員のPCやスマートフォンなどを介して見える化することで、混雑度の分散や階段利用による健康行動を促します。
(YouTube動画:0分58秒)
会議室の利用状況見える化
会議室の利用状況をリアルタイムで可視化し、予約状況と利用状況の実態把握ができます。また、定員と利用者数のバランスが釣り合っているか分析することで、会議室の適正化に活かせます。ニューノーマル時代にニーズが増えたシェアオフィスやフリーアドレスなどにおいて、利用者へのリアルタイムの空き状況や混雑状況の配信に活用できます。
オフィス・工場の利用状況見える化
座席にどのくらい長く滞在していたか可視化することで、おおよその就業時間を把握できます。在宅勤務の増加により出社率が下がったオフィスにおいて在席率をデータ分析することで、固定席を減らしてフリーアドレスを増やすなど、空間の適正利用に繋がります。また、工場において作業員の動線やエリアの利用状況を分析して、無駄なエリアを可視化し適正なレイアウトに改善することで、生産性や安全性の向上を図ります。
(YouTube動画:1分07秒)
密集状況の見える化※6
おおよその在室人数を検知し、事前に設定した人数以上の人が一定時間同一エリア内にとどまっていると推定される場合には、管理者さまに注意を促すなど感染症対策に役立てることができます。
※6 管理者画面では3m×3mの分割された検知エリアごとに人の在/不在情報を表示しますが、9m×9mの検知範囲内は密集度が高い方の色で統一して表示することで、管理者さまに注意を促します。
防犯との連携
夜間の異常検知確認※7
最終退出を完了した警戒モードエリアで動体を検知した場合、保存されている画像データ(連続した静止画像)で現場状況を視認することができ、適切な防犯対応に活かせます。暗闇でも1ルクス以上の照度があれば検知可能です。
※7 有償オプション仕様で、現在開発中。なお、本機能は防犯の支援機能であり、関連法令などの認定を受けたシステムではありません。
(YouTube動画:0分54秒)