SCiB™の使い方Blog 進化するロジスティクス:東芝リチウムイオン電池SCiB™が港湾クレーンにもたらす未来

進化するロジスティクス:

東芝リチウムイオン電池SCiB™が港湾クレーンにもたらす未来

東芝リチウムイオン電池 SCiB™がハイブリッド港湾クレーンの燃費を改善

東芝 リチウムイオン電池 SCiB™は、従来の概念を覆す電池です。
この使い方Blogでは、SCiB™だからこそ実現できる、従来の概念を覆すリチウムイオン電池の使い方をご紹介しています。
今回ご紹介するのは、港湾で使われているハイブリッドクレーンの事例です。

なお、この事例は単純化したモデルであり、実際の運用とは異なる場合がありますので、ご注意ください。


荷降ろしの際のエネルギーは捨てられてしまう?


港湾では毎日、大きなコンテナが大量に取り扱われています。
その荷役を行っているのがクレーンです。地上からコンテナを持ち上げ船に積み込んだり、逆に、コンテナを船から地上へ降ろしたり、さらに地上でコンテナを移動するのにもクレーンが用いられます。

クレーンの巻き上げには電動モータが用いられ、これまではディーゼルエンジンを動力としたものが主に使われてきました。コンテナを持ち上げる際は、ディーゼルエンジンの最大出力で巻き上げます。十分な出力を確保しようとするとエンジンの大型化/重量化が避けられない一方、エンジンの小型化軽量化しようとすると最大出力で運用する時間が長くなり、エンジンの耐久性やメンテナンスが課題とされてきました。
一方、コンテナを降ろす際は、エンジンの出力は使いません。逆に大きなエネルギーが発生しますが、利用されることなく熱として捨てられており、これも活用したいところです。


ハイブリッド化によるコスト削減のメリット


一方、ハイブリッドクレーンとは、どのようなものでしょう。ハイブリッドクレーンは、ディーゼルエンジンと電池を組み合わせ、動力としているものです。港湾クレーンにおいては、エンジンの耐久性や省エネルギーの課題を解決する手段として、動力のハイブリッド化が検討されてきました。

コンテナを吊り降ろす際に熱として捨ててしまっていたエネルギーを一度電池に蓄え、吊り上げたり水平移動する際に再利用することで、以下のメリットを期待できます。

  • 燃料コストの削減:
    コンテナを吊り上げる際にエンジンに掛かっていた最大負荷を電池が肩代わりすることによって、ピークエネルギーを抑制できるため、ディーゼルエンジンが使う燃料を削減することができます。エンジンを小型化することもでき、使用条件にもよりますが、燃料消費を半減させることも可能です。
  • メンテナンスコストの削減:
    コンテナを吊り上げる際にエンジンに掛かっていた最大負荷を軽減させることによって、これまで高くなりがちだったエンジンの故障率を抑えることができます。これは、エンジンのメンテナンスコストの削減につながります。


コスト削減には急速充電/⻑寿命/高低温動作性能が不可欠


では、ハイブリッドクレーンでコスト削減のメリットを実現しようとすると、電池にはどのような性能や使い方が求められるでしょうか?

  • 急速充電性能:
    電池を充電できるのは、港湾クレーンがコンテナを吊り降ろす10秒から数分の短い時間に限られます。電池には、必要なエネルギーをその短時間で効率的に充電できる性能が何よりも必要です。効率的に充電できないと大きな回生エネルギーを受け止めきれず、省エネに貢献できません。
  • 長寿命性能:
    港湾クレーンは、この短時間でのコンテナの上げ降ろし動作を、繰り返し24時間休むことなく連続で行います。降ろすときに充電し、上げるときに放電する、充放電のサイクルを繰り返しても劣化が少なく、寿命の長い電池が必要です。
  • 耐熱性能:
    クレーンが設置されている港湾は、海に面していることもあり、太陽や風を遮るものもなく、季節によって寒暖差が大きい場所といえるでしょう。電池にとっては、温度を管理するのが難しい環境ですが、真夏でも長寿命を保ち、真冬でも充放電サイクルを発揮できる電池が必要です。

どれも、電池に大きな負荷が掛かるものばかりです。これを実現できる電池は…。


ハイブリッドクレーンには東芝リチウムイオン電池 SCiB™


近年性能が向上してきているリチウムイオン電池のなかには、これらの性能を謳うものも登場しています。ただ、各々の性能を持つことは勿論ですが、これらの性能を持ち合わせてはじめて、ハイブリッドクレーンの性能を十分に発揮させることができるといえるでしょう。

これらの性能を持っているリチウムイオン電池といえば、そう、東芝リチウムイオン電池 SCiB™です。

急速充放電や低温下での充放電といった過酷な使い方をしても劣化することなく、そのような条件で連続使用しセル温度が上がっても高い耐久性を維持できる寿命の長い電池、それがSCiB™です。

*セルの種類や使用条件により特性は異なります

短時間で充放電できエンジン自体を小型軽量化し、エンジンの負荷を肩代わりすることでエンジンの燃料コストを下げ、最大負荷からエンジンを解放し故障率を下げることでメンテナンスコストも抑え、長期間連続稼働しても劣化しない長寿命だから電池の交換も不要、しかも寒暖の差があっても性能を発揮できる!全てを高い次元で実現している東芝リチウムイオン電池SCiB™だからこそ、ハイブリッドクレーンというソリューションを提供できるのです。


東芝リチウムイオン電池SCiB™の使い方のアイデアを一緒に考えましょう


東芝リチウムイオン電池SCiB™の導入モデルとして、ハイブリッドクレーンの事例をご紹介しました。

  • エンジンの燃料コストを削減!
  • エンジンの故障率を減らし、メンテナンスコストを削減!

SCiB™が急速充電と長寿命を両立し、耐熱性も持っていることで、たくさんのメリットが生まれ、それらが結果的にトータルコストの低減につながることをご理解いただけたと思います。
クレーンをハイブリッド化することでディーゼルエンジンの燃料を削減し、それに伴うガスの排出を抑制できることは、環境負荷の低減にも貢献し、SDGsの実現にも寄与します。

課題やお困りごとがあれば、以下の「お問い合わせ」よりぜひお聞かせください。

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本記事の適用モデルは使用例のひとつであり、実際の効果についてはお客様の使用条件によって異なる場合がございます。

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