東芝リチウムイオン電池SCiB™が急速充電・長寿命でEVバスの未来を変える

進化するモビリティ:
東芝リチウムイオン電池SCiB™がバス事業者にもたらす未来

導入バスが6台から4台へ?!
東芝リチウムイオン電池SCiB™でバスの導入台数を削減

大容量の電力を蓄えることができるリチウムイオン電池。自動車や鉄道、産業機器、エネルギー貯蔵システムなど、さまざまな分野で活用されており、今注目されているEV(電気)バスでも利用されています。
急速充電と長寿命を同時に実現した東芝リチウムイオン電池SCiB™。バスの必要台数を減らし、コスト削減に貢献する、その理由を解説していきます。


SCiB™の利用分野が拡大しているわけ


通常、リチウムイオン電池の高性能化というと、「軽くなった、小さくなった、安くなった」ということがあげられます。この場合、 よく用いられる指標はエネルギー密度です。電力エネルギーはWh(ワット時)で表されるので、Wh/kg(kg当たりワット時)、Wh/l(リットル当たりワット時)、円/Wh(ワット時当たり円)などの形で用いられます。
東芝リチウムイオン電池SCiB™はこの点では、通常のリチウムイオン電池よりも「重くて、大きくて、高い」電池といえます。
そうなんです!!この指標では全然よいリチウムイオン電池とはいえません。これは他のリチウムイオン電池と比較して電池電圧が低いからです。他のリチウムイオン電池は一個当たり3.3~3.7Vの平均作動電圧を持ちますが、SCiB™は2.3~2.4V。つまり、最初から2/3のデメリットを背負っているということになります。
ではなぜ、利用分野が拡大しているのでしょうか?

その答えの一つは、

からです。


SCiB™は充電時間が短く、バスの運用効率を高められる


例としてEVバスで考えてみましょう。

以下、単純化したモデルを例にお話しします。
実際の運用とは異なりますからご注意ください。
前提条件は以下の通りです。

  • 1周を1時間で回ることのできる運行ルート
  • 営業運行時間は6時から22時までの16時間
  • バスは常に20分ごとにルート上を運行している

ここに、4時間充電/4時間走行できるリチウムイオン電池を搭載したバスを導入した、としましょう。
その場合、6時から3台が走行し始めて10時には電池の電気を使い切ってしまいます。この時、最初の3台は充電にまわり別の3台のバスが必要になるため、結果的に6台のバスが必要になります。

一方、東芝リチウムイオン電池SCiB™を搭載したバスの場合はどうでしょうか?
SCiB™は急速充電特性に優れ、6分で80%以上を充電できるので、それを活用してみましょう!!

*セルの種類や使用条件により特性は異なります

1時間に1周走行できるだけのSCiB™を搭載したバスがルート上に3台走っていて、そのうちの1台が20分に1回充電のために戻って来ますが、次のバスを待っている20分の間に充電を終えることができます。つまり、必要なバスは、ルート上を走行している3台のほかに充電しているバスの1台、計4台です。

結果的に6台のバスが4台で運用可能となった、と言えます。
つまり充電時間が短いということは、バスの運用効率を高め、結果的に台数が少なくて済むのです。


搭載する電池容量が削減できるので、より広い車室と電費の改善が期待できる


さらにこの運用方法には別のメリットがあります。それは電池容量が小さくなることです。
既にお気づきの方もいるかもしれませんが、走行距離が4時間分の電池と1時間分の電池では電池容量が1/4になっています。バスの空間、重量の大きな部分を占めていた電池を大幅に小さくすることができるのです。
これによって、より広い車室や、軽量化による電費の改善が期待できます。

ノーマルEVバス 電池大容量=大きい

SCiB™EVバス 容量小=コンパクト


繰り返し急速充電しても電池の劣化が少なく長寿命だからEVバスの台数を削減できる


では急速充電だけできれば、すべてうまくいくのか?というとそんなことはありません。4時間充電の運用と20分充電の運用を比較してみると、バス1台の1日当たりの充電回数は、それぞれ2回に対して12回。なんと6倍の充電回数の違いがあります。

ノーマルEVバス 1日1台当たり2回の充電

SCiB™ EVバス 1日1台当たり12回の充電

つまり6倍以上の寿命を持たない限り、電池の交換頻度が高くなってしまい、経済的にも環境的にも問題です。
そこで東芝リチウムイオン電池SCiB™のもう一つの特長である超長寿命が重要なポイントになります。

*セルの種類や使用条件により特性は異なります

SCiB™は、繰り返し急速充電をしても電池の劣化が少なく長寿命なため、このようなバスの運用ができます。


東芝リチウムイオン電池SCiB™の使い方のアイデアを一緒に考えましょう


ここまで、EVバスを例にとり、東芝リチウムイオン電池SCiB™の導入によって、

モデル事例をご紹介しました。

その結果、「より広い車室」と「軽量化による電費の改善」が期待できることや、それらはSCiB™が「急速充電」と「超長寿命」を同時に持つことで実現できており、いずれかひとつでは実現できないこともご理解いただけたと思います。
ただ同時に、SCiB™はお客様と一緒に使い方のアイデアを考えていくリチウムイオン電池であることも感じていただけたのではないでしょうか?
今後もこのようなコンテンツをご用意し、使い方のヒントをご紹介してまいります。
課題やお困りごとがあれば、ぜひお聞かせください。一緒に解決策を考えていきたいと思っています。

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本記事の適用モデルは使用例のひとつであり、実際の効果についてはお客様の使用条件によって異なる場合がございます。