「SMART EYE SENSOR MULTI™」の発売について
-高度な画像認識技術を用いた多機能画像センサ-

2017年11月30日

 当社は、多機能画像センサ 「SMART EYE SENSOR MULTI™ (スマートアイセンサーマルチ)」(以下、本センサ)を今月から発売します。本センサは、東芝デバイス&ストレージ株式会社が開発した画像認識プロセッサ(Visconti™2)を搭載し、画像情報より人物の在/不在やおおよその人数・活動量などを検知可能な多機能人感センサです。照明・空調・エレベーターなどファシリティ(設備機器)やBEMS(Building Energy Management System)注1などと連携することにより、IoTを駆使して省エネや快適性、利便性などファシリティのさらなるポテンシャルの向上に貢献します。

オフィスの執務室への設置イメージ
オフィスの執務室への設置イメージ

新製品の主な特長

1.
センサ1台で多彩な情報を取得可能
赤外線の変化を検出する従来の焦電型赤外線センサ注2では、人の大きな動作がないと検知できないため、照明制御を行う場合、人の動きが小さい時には消灯してしまうなどの問題がありました。
本センサは、画像情報により人の微細な動きを検知注3可能なため、オフィスで着席しているデスクワーク中の執務者も検知できます。また、周囲の明るさも把握(照度推定)でき、照明の調光制御などに活用すれば、別途、照度センサを設置する必要がありません。
さらに、検知エリア内のおおよその人数や活動量を推定して、ファシリティの制御に活用することができます。その際、歩行中(通り過ぎる)か滞留(そのエリアにとどまっている)かを判別して、通りすがりの人物を誤検知して制御に影響を与えないようにすることで、より効果的なファシリティの制御が可能になります。
このように、センサ1台で“マルチ”な情報を取得できる多機能人感センサです。
オフィスにおける画像センサの検知イメージ(実機デモ用管理画面)
オフィスにおける画像センサの検知イメージ(実機デモ用管理画面)
2.
広範でフレキシブルな検知により、さまざまな活用シーンに対応
本センサの検知範囲は、9m×9m(机上面注4)です。検知範囲を最大9エリアまで自由に分割可能で、通路など検知対象から除外したい場所は非検知エリア設定(マスク)することもできます。現行の赤外線センサを4台設置した広範囲をカバーできるとともに、フレキシブルな活用が可能です。
また、設置高さ8mまで検知可能で、工場や倉庫などの高天井空間にも対応できます(3m以上は歩行検知)。
オフィスの執務室における検知範囲例
オフィスの執務室における検知範囲例
3.
ファシリティのスマート制御や防犯・防災への応用
BEMSなどと連携することで、照明・空調・エレベーターなどファシリティの連動制御や防犯・防災への活用など、高性能かつ効率的な制御が可能になり、省エネしながらその空間に適した快適性・利便性の提供ができます。
ファシリティのスマート制御や防犯・防災への応用 1
人の在/不在を検知し、不在のエリアは減光、または消灯します。通り過ぎる歩行者のみの場合は、周囲の明るさに応じて、照明を暗めに抑えるか消灯したままで、省エネを図ります。
ファシリティのスマート制御や防犯・防災への応用 2
在室人数が少ない時には空調能力を抑えて、省エネや冷やしすぎ暖めすぎの緩和を図ります。また、人数からCO2濃度を予測することで、 CO2センサを設置しなくとも外気取り入れ制御を行えます。
ファシリティのスマート制御や防犯・防災への応用 3
乗り換え階などのエレベーターホール天井に設置した画像センサにより、混雑度(利用者数)に応じてかごを優先的に割付け、最大待ち時間の短縮を図ります。
ファシリティのスマート制御や防犯・防災への応用 4
火災発生エリアや警戒モードエリアで動体を検知した場合、その画像情報(静止画像)を監視端末にポップアップ表示し、データ保存することができます。

主な仕様

この表は横スクロールできます。

項目 仕様
品名 東芝人感センサ
形式 TSBHS01
電源 AC100-242V、50/60Hz
定格消費電力 4W
外形寸法 120mm×107mm(取付ばね含まず)
質量 500g
設置高さ 2.4m~8m(2.4~3mはオフィスワーク検知、3~8mは歩行検知)
検知範囲 9m×9m(机上面0.7m)
使用照度 1ルクス以上
エリア設定数 最大9分割
検知種類 在/不在、推定人数、活動量、歩行/滞留、推定照度

製品紹介サイト

https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/building-dx/smart-eye-sensor-multi.html

注1
ファシリティを統合的に監視し、自動制御することで、省エネや運用の効率化を図るシステム。
注2
センサの検知対象内の人体と周囲の温度差による赤外線エネルギー量の変化を検知する赤外線センサ。
注3
最小検出対象は、0.5m/s以上の速度で移動する15cm角以上の物体。
注4
床面から0.7m高。