ニュースリリース

量子技術のためのクラウドプラットフォーム「Strangeworks Platform」で、
量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+™」の提供を開始

2024年4月25日

東芝デジタルソリューションズ株式会社
Strangeworks, Inc.

 東芝デジタルソリューションズ株式会社(本社:神奈川県川崎市、取締役社長:島田 太郎、以下 東芝デジタルソリューションズ)とStrangeworks, Inc.(本社:アメリカ合衆国テキサス州オースティン、CEO:William Hurley、以下 Strangeworks)は、社会課題解決に向けた量子インスパイアード最適化技術における協業関係を強化し、Strangeworksが展開する、量子技術のためのクラウドプラットフォーム「Strangeworks Platform」において、東芝デジタルソリューションズの量子インスパイアード最適化ソリューション「SQBM+」の提供を本格的に開始しました。さまざまな最適化サービスへのワンストップなアクセスを提供するStarangeworks Platformを通じて、SQBM+を簡単に導入できるようになります。

 SQBM+は、株式会社東芝が開発した技術「シミュレーテッド分岐アルゴリズム」を用いた組合せ最適化ソルバー「シミュレーテッド分岐マシン」を核とした量子インスパイアード最適化ソリューションです。組合せ最適化は、ポートフォリオの最適化、創薬、物流管理などの重要な課題を解決するための効果的なアプローチです。実際に、SQBM+を利用しているお客さまには、金融サービス、航空宇宙、エネルギー分野などの大企業が含まれています。

 Strangeworksは、量子技術のためのクラウドプラットフォームを提供するアメリカの量子ソフトウェア企業で、さまざまな課題に対して量子技術を適用していく方法をサポートしています。ライフサイエンス、エネルギーなど重要な業界のフォーチュン 500の企業を含むStrangeworksのお客さまは、現在、最適化サービスを使用して、価値の高い問題に新しいコンピューティング技術を適用しています。Strangeworks Platformは、さまざまな量子技術を簡単に利用できる企業向けQaaS (Quantum as a Service) のエコシステムとなっており、クラウド環境の構築や運用管理が不要です。

 今回、Strangeworks Platformで提供を開始するSQBM+は、計算時間あたりの従量課金で利用できます。最大1,000万変数の問題に対応可能で、複雑で大規模な問題の高精度な近似解(良解)を短時間で得ることが可能です。二次制約なしバイナリ最適化問題を解くQUBOソルバー、3次および4次問題をサポートする高次項対応のPUBOソルバー、および、線形制約付き二次バイナリ計画問題を解くQPLIBソルバーを提供しています。また、SQBM+が用意しているさまざまなユースケースに最適化されたインスタンスタイプの中から、目的に応じた適切なインスタンスを柔軟に選択することができます。

 さらに、Strangeworks Platformの主力最適化サービスである Strangeworks Optimization Serviceで提供されることで、Strangeworks Platformが提供しているさまざまな最適化ソルバーとSQBM+を一緒に使うことが簡単にできるようになります。Strangeworks Optimization Serviceでは、ソルバーにかかわらず、問題データの入力形式が統一されています。お客さまは、問題データを生成するためのプログラムを一度作れば、そのコードを1行変更するだけでさまざまなソルバーに適用することができます。それによって、その問題に対して最適なソルバーの選択が簡単にできるようになります。


 Strangeworksの創業者でCEOのWilliam Hurleyは、次のようにコメントしています。
 「東芝デジタルソリューションズは量子インスパイア領域で確かな実績を積み上げてきた最適化計算のエキスパートであり、SQBM+ソルバーはその卓越したスケーラビリティによってStrangeworksの顧客企業に実証可能な価値を提供しています。そして、Strangeworksのビジネスの中核は、顧客企業に対して先進技術ソルバーへのアクセスを容易かつコスト効率良く提供することであるため、今回の戦略的提携は意義のある重要なことです。実際に、東芝デジタルソリューションズのSQBM+は、すでに多くのStrangeworksの顧客企業に価値を提供し、重要なビジネス課題の解決に貢献しています。」

 東芝デジタルソリューションズの取締役常務の月野浩は、次のようにコメントしています。
「最適化問題への量子コンピューティング技術の活用は多くの実績と成果を生み始めています。Strangeworksの量子クラウドプラットフォームにSQBM+が組み込まれ、世界中のお客さまにSQBM+の強力な能力を簡単にご利用いただける環境を提供できることを大変嬉しく思います。世界的に期待されている量子技術の産業化のために、さまざまな領域での利用が加速されることを期待しています。」 

東芝デジタルソリューションズ 取締役常務 月野 浩(左から3番目)、Strangeworks CEO William Hurley(右から3番目)

■ 東芝デジタルソリューションズ株式会社について
東芝グループのデジタルソリューション事業を担う企業としてIoTや人工知能(AI)などのデジタル技術や量子技術を活用した事業をグローバルに展開しています。東芝グループの幅広い事業領域で生まれるさまざまなデータの力を最大限に活用し、プラットフォーム化を推進することで価値あるサービスを次々に生み出し、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーの実現に貢献していきます。東芝グループの経営理念「人と、地球の、明日のために。」のもと、お客さまやパートナーの皆さまとともに、新しい価値を持続的に創造していきます。
https://www.global.toshiba/jp/company/digitalsolution.html

■ Strangeworks, Inc.について
アメリカ合衆国テキサス州オースティンに本社を置くStrangeworks(ストレンジワークス)は、量子技術のためのクラウドプラットフォームを提供するアメリカの量子ソフトウェア企業です。その高度な計算プラットフォームを通じて、顧客企業や研究者に各種ハードウェア(古典・量子インスパイア・量子コンピュータ)へのアクセスを提供しています。これにより企業が今日のビジネス課題を解決しながら、将来のソリューションを見出すことを可能にします。
Strangeworks独自のソフトウェアとして、フラッグシップである組合せ最適化計算用モジュールを搭載しています。その他にも、世界のパートナー企業のソフトウェアライブラリを簡単に追加することができ、組織全体で利用するためのビジネス管理ツールなども実装されているので、量子計算、ハードウェア使用状況、クレジットの分配・追加、チームのマネジメント、請求書の管理などがすべて一箇所で簡単に行えます。Strangeworksは、既存の問題に対して、あるいは新しいビジネス課題に対して量子技術を適用していく方法をサポートすることで、顧客企業や研究者のビジネス課題解決を実現しています。アメリカとヨーロッパで創薬・航空・金融・エネルギー業界の大企業とのプロジェクトの実績があり、業界内で高い信頼を得ています。詳しくは https://strangeworks.com をご覧ください。
https://strangeworks.com

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