放熱性能を約2倍に高めた、EVバスや電動船の駆動用電池、定置用途向け
リチウムイオン電池SCiB™モジュールの新製品を発売
~放熱性能の向上により連続での高入出力と電池寿命の維持を両立~
2025年04月08日
当社は、EVバスや電動船の駆動用電池、定置用途での使用を想定したリチウムイオン電池SCiB™モジュールにおいて、底板にアルミニウムを採用し、放熱性能を従来モジュールの約2倍に高めた新製品を2025年4月中旬以降順次、国内外で販売します。
リチウムイオン電池が幅広い用途で活用される中、EVバスや電動船における急速充電や運行に応じた充放電、定置用途における電力負荷平準化を想定した充放電など、電池の使い方の多様化が進み、短時間でより高い電力を連続して入出力することが求められるようになりました。一方で、短時間で高い電力を連続して入出力すると、リチウムイオン電池に熱が発生し、寿命を短くします。このため短時間での連続高入出力を実現しながらも、いかに放熱し電池の寿命を維持するかがリチウムイオン電池の課題となっています。
当社のSCiB™は、負極にチタン酸リチウムを採用することで、「安全性」「長寿命」「低温性能」「急速充電」「高入出力」「広い実効SOC注(State of Charge)レンジ」を実現しており、ハイブリッド車だけでなく、EVバス、クレーン車や鉄道、物流拠点で使用される無人搬送車(AGV)など産業用途でも広く活用されています。電池パックやセルでの販売に加えて、必要な電圧や容量を得るために、直列や並列での組み合わせが可能なモジュール製品も販売しています。
モジュール製品においても、短時間での連続高入出力と寿命の維持の両立に対するニーズが高まっており、このニーズを踏まえ今般当社は、底板に初めてアルミニウムを採用し、放熱性を約2倍に高めた新製品を開発しました。
今般使用するアルミニウムは従来使用している樹脂素材と比べると熱抵抗が低く、熱を逃しやすい素材です。一方でアルミニウムは導電性があり、底板は電池セルとの絶縁を保つ必要がありますが、当社は独自の新構造を採用することで耐電圧性能を確保し、今般の製品化に至りました。通常、モジュール製品では、顧客が冷却システムを組み込んで使用しますが、同じ冷却システムで同じ使用条件であれば放熱性能が従来モジュールの約2倍となり、電池の寿命を大幅に延ばすことが可能となります。
当社は既存のモジュール製品群に新製品を追加することで、顧客のニーズや用途に応じ、より柔軟に対応します。今後も、SCiB™の持つ特長を生かしながら、導入から維持管理、廃棄までの顧客のライフサイクルコストを意識した製品を提供していきます。
注:SOC(State of Charge)レンジは、完全充電状態をSOC100%、完全放電状態をSOC0%とした際に、実際に電池を使うことのできる充電状態の幅の広さを指します。
製品仕様
製品名 | Type4-23 (FM01202CCB04) | 電流 | 160 A (連続) 350 A (30秒) |
---|---|---|---|
寸法 | 203.8(W)× 395(D)× 134.2(H) mm | 使用周囲温度 | -30~50 ℃ |
重量 | 約16.5 kg | 主な実装機能 | セル電圧計測、モジュール温度計測、セルバランス※、通信 |
定格容量 | 45 Ah(1,242 Wh) | 使用電圧範囲 | DC18.0~32.4 V |
公称電圧 | 27.6 V | セル構成 | 23Ahセル2並列12直列 (計24セル) |
製品名 | Type4-23 (FM01202CCB04) | 電流 | 160 A (連続) 350 A (30秒) |
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寸法 | 203.8(W)× 395(D)× 134.2(H) mm | 使用周囲温度 | -30~50 ℃ |
重量 | 約16.5 kg | 主な実装機能 | セル電圧計測、モジュール温度計測、セルバランス※、通信 |
定格容量 | 45 Ah(1,242 Wh) | 使用電圧範囲 | DC18.0~32.4 V |
公称電圧 | 27.6 V | セル構成 | 23Ahセル2並列12直列 (計24セル) |
- 直列に接続したセルに生じた電圧差を均一化する機能
本製品は、オフグリッド、マイクログリッドなどの定置用途に向け、安全規格UL1973認証取得を予定しています。