ニュースリリース

　東芝デジタルソリューションズ株式会社（本社：神奈川県川崎市、取締役社長：岡田　俊輔、以下 東芝デジタルソリューションズ）の設備メーカー向けアセットIoTクラウドサービス「Meister RemoteX™」とアナリティクスAI「SATLYS™（サトリス）」を活用した排水処理の遠隔監視サービスが、栗田工業株式会社（本社：東京都中野区、代表取締役社長　門田　道也、以下 栗田工業）が本日発表した沈殿槽自動監視サービス「S.sensing™ TS」に採用されました。排水処理の最適化と安定化を通じてCO₂排出量と廃棄物を削減し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

　これまで栗田工業では、排水処理を行う沈殿槽に対し、超音波センサーを活用して排水の処理状態を可視化する技術を提供しておりました。しかしながら、沈殿槽の処理状態の正常／異常の判断基準が明確になっていないことや、異常発生時の原因特定と対処には熟練者を必要とするなど、技術伝承や人材確保の面での課題があり、また、沈殿槽の処理状態の確認は現場にて目視で行われることが多いのが実情でした。

　このような課題を解決するため、東芝デジタルソリューションズは、「Meister RemoteX™」と「SATLYS™」を活用した排水処理の遠隔監視サービスの開発を進め、このたび、栗田工業の「S.sensing™ TS」に採用されました。
　「Meister RemoteX™」で収集したデータをもとに、「SATLYS™」で2種類のAIモデル（「異常検知AI」と「状態推定AI」）を構築、この2つのAIモデルが、現場に設置する端末（Edge PC）上で異常検知の推論と、異常時の状態推定の推論を行います。また、「Meister RemoteX™」によって、現場に設置した端末（Edge PC）に対して遠隔でAIモデルを配信可能にするなど、AIモデルの維持管理の効率化も実現しました。

本サービスの特長

1. システム（設備メーカー向けアセットIoTクラウドサービス「Meister RemoteX™」）
   ・　現場に設置した端末（Edge PC）上で、AIが推論を行う
   ・　収集データと推論結果をクラウドへアップロードし、Web画面（図）で閲覧できる
   　　・　異常度の経時変化（過去の推移）
   　　・　状態変化（正常⇒異常／異常⇒正常）
   　　・　処理水中の不純物の浮遊
   　　・　処理水の濁度
   　　・　処理水中のガス（気泡）　など
   ・　異常を検知した際、アラートメールを担当者へ通知できる
   ・　WEB画面にて、現場に設置した端末（Edge PC）が収集した画像データをリアルタイムで表示する
   ・　クラウドからEdge PCに対し、AIモデルや設定情報を遠隔で配信できる
2. 異常検知AI
   ・　沈殿槽の正常時のデータのみを用い、教師なし学習^注1と呼ばれる手法で構築
   ・　沈殿槽内の異常状態を、高精度で検知できる
   
3. 状態推定AI
   ・　沈殿槽の、正常時のデータ、および、複数種類の異常状態のデータを用い、教師あり学習^注2と呼ばれる手法で構築
   ・　沈殿槽で異常状態が生じた際、高精度で複数種類の異常状態の識別が可能