ニュースリリース

～電力設備の保全ノウハウを標準化し、設備保全の高度化・デジタル化に貢献～

2021年5月12日（水）

東芝デジタルソリューションズ株式会社

　東芝デジタルソリューションズ株式会社（本社：神奈川県川崎市、取締役社長：島田 太郎、以下 当社）は、四国計測工業株式会社（本社：香川県仲多度郡、代表取締役社長：寺井　昇二、以下 四国計測工業）の電力設備保全に関する知見を活かし、SAPジャパン株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役社長：鈴木 洋史、以下SAPジャパン）が提供する「SAP S/4HANA^®」をベースとした電力業界／装置産業向けEAM（設備資産管理）^注1ソリューションのテンプレート開発を開始しました。重要な社会インフラのひとつである電力設備の保全ノウハウの標準化により、多様な業種における設備保全業務の課題解決・高度化・デジタル化に貢献します。

　国内の電力業界／装置産業における設備保全業務では、設備の複雑化・高経年化^注2、業務に携わる人材の高齢化や人材不足の中でのノウハウ継承など多くの課題を抱えています。一方で、安全確保を最優先に、設備の安定稼動、働き方改革に向けた業務の効率化、保全コストの低減、環境適合や各種規制・制度への対応など多様な対応を求められています。これらの課題に対応し設備を適切に管理するためには、設備設計から運用、保全までの設備管理業務のPDCAサイクルを通してバランスの良いマネジメントを行うことが必要です。
　このような中で、四国計測工業は、四国電力株式会社（本社：香川県高松市、取締役社長　社長執行役員：長井　啓介、以下 四国電力）が伊方発電所において実現した、SAPのEAMソリューションをベースとしたシステムの運用を担い、米国原子力発電所のベストプラクティスをもとに、また日本の厳しい原子力規制基準に準拠した業務品質、ドキュメント品質へ対応することで、原子力設備保全の知見を蓄積してきました。

　このたび当社が開発するのは、四国計測工業の四国電力での原子力設備保全の知見、および一般プラントの業務プロセスのノウハウを元に、「SAP S/4HANA^®」にてその要件をプリセット・汎用化するEAMソリューションテンプレートです。このテンプレートは、国内の他の電力会社の原子力部門はもちろん、原子力以外の保全業務にも適用が可能な見込みで、2021年秋からの提供を予定しています。このテンプレートを活用いただくことで、設備資産管理のデジタル化、保全業務の働き方の見直しを早期に実現し、電力業界／装置産業における設備管理業務のさまざまな課題の解決に貢献してまいります。

　なお、当社は2018年10月から電力業界のEAM分野でSAPジャパンと協業を開始しており^注3、本テンプレート開発は、その成果の一つとなるものです。

　当社は、今後も設備保全業務に関わるソリューションを提供することで、電力業界／装置産業の最適な運用に貢献し続けます。