新たなデジタルの力で、垣根のない世界へ

コンタクトセンターシステムの構築や保守、機能の改修などの業務を担う田中里奈。安定したシステム運用はもちろん、お客さまの声を、システムの品質維持やお客さまの新しい価値の創出につなげられるように意識しながら、日々の業務に取り組んでいる。一方で、グローバルな人材を集めた米国での研修や、新規事業の創出に向けた研修などへ積極的に参加し、自身の可能性を広げることにも余念がない。そんな田中にとっての“デジタル”について語ってもらった。


ユーザーと企業の大切な接点を創り出す


私は、ユーザーからの要望や問い合わせの窓口である、企業のコンタクトセンターのシステム構築や、その保守に携わっています。コンタクトセンターは、ユーザーと企業の接点となる非常に重要な拠点です。

主にシステムの利便性向上や、データ活用のための機能改修といった開発業務を担当しています。業務においては、システムを管理する情報システム部門をとおして、コールセンターや商品の品質改善に取り組む品質保証部門、海外拠点といったさまざまな部門の方々と接する機会が多くあります。コンタクトセンターのシステムをとおして、さまざまなユーザーや部門の方の声を捉え、お客さま企業のビジネスへ広く貢献できるよう、日々思考を巡らせています。

コンタクトセンターのシステム開発に携わる私だからこそ、お客さまの要望やニーズを引き出し、できるだけ応えていきたい。そのために、社内外を問わず、人とのつながりや信頼関係を大切にするように努めています。

こうした意識を持ちながら構築したシステムが、お客さまのホームページなどで紹介されたときはとても嬉しかったですし、実際にお客さまの日常業務で活用されていることには、大きなやりがいを感じます。また、お客さまから感謝の言葉をいただいたときは、貢献できたという実感につながりました。頑張って良かったと感じた瞬間でもあります。

私はこれまで、住宅設備のメンテナンスを行うハウスメーカーのフィールドサービスシステムや、化粧品メーカーのコンタクトセンターシステムなどのシステム改修を数多く経験してきました。そして現在は、空調機器メーカーにおいて業務用の空調機器からデータを収集して活用するためのシステムを一から構築するプロジェクトに参画しています。このプロジェクトでは、データ収集・分析基盤にクラウドを採用しています。私にとって、業務でのクラウドの活用は初めての経験であるため、プロジェクトへの参画をきっかけとして新しい技術や知識を得ることに積極的に取り組み、自分の成長にもつなげていきたいと考えています。

東芝には、さまざまなことを学ぶチャンスが用意されています。以前、東芝グループのグローバルな人材を集め、米国のカリフォルニア工科大学で1週間ほどかけて行われたプロジェクトマネジメント講座を受講しました。そこでは、現地の大学の教授から説明を受け、内容を踏まえてグループ討議をし、発表をする、そしてこれらはすべて英語で行うという日々を送り、とても苦労した研修でした。それでも、一日の研修を終えて出かけた全世界から集まったメンバーとの観光や、年代や人種を越えて交わしたさまざまな会話も含め、この研修は、刺激的で楽しく、とても貴重な経験となりました。ここで学んだプロジェクトマネジメントの知識を、今、日々の業務に生かしています。また、新規事業の創出に向けた国内での研修では、新しい事業を生み出す一連の流れを、自ら実践しながら学びました。実際に、自分が考えた事業プランを講師や起業家の方々、そして当社の社長を相手にプレゼンする機会があり、とても緊張感のある雰囲気を体験できました。自分がやりたいことを探し、それを企画して人に伝えることの難しさや、自分のメンタルをどのようにコントロールするかなど、新たな知識やノウハウを学んだよい経験となりました。

今、興味があるのは、UI/UXに関わるデザインやユーザビリティーです。システムの設計や構築において、利用者の使いやすさや使い勝手(ユーザビリティー)を考慮したデザインを組み込められれば、お客さまにとってより質の高いシステムになるのではないかと考えています。そのために、東芝のデザイン部門が用意している研修なども、積極的に活用しています。


先進技術という新しい風に吹かれる環境を求めて


大学の研究室では、情報工学やVR(Virtual Reality:仮想現実)を研究していました。今でも、新しい技術に触れると、とてもワクワクします。衝撃だったのは、SR(Substitutional Reality:代替現実)を取り入れたホラーアトラクションです。VRゴーグルをかけて数名で参加したのですが、圧倒的な没入感で、現実とAR(Augmented Reality:拡張現実)の境目が、まったくわかりませんでした。例えば、一緒に参加している人は現実ですが、その人に起こっていることが現実なのか、ARなのかが判断できないのです。今後、VRゴーグルはさまざまな場面で使い方が考えられていくと思いますが、その中でもホラーとの親和性は非常に高いと感じています。恐怖心を必死に抑えながら、VRの可能性を探求してしまう自分がいます。

このようなエンターテインメント分野以外でも、こんな使い方はできないか、どのようなところで有効かなどを想像すると、楽しくなります。

最近は、メタバースを中心とする先進技術に関する社内の検討会にも参画しています。先進の技術により変化するもの、これから実現するもの、生まれるものなどを議論する場は、私の意欲をかき立ててくれます。

これからの時代、デジタルは私たちが生活する中で、今まで以上に重要な存在になっていくでしょう。デジタルのおかげで、個人にとっての自由時間の使い方に選択肢が増えたり、社会が抱える課題を解決できたりすれば、より快適で、便利で、そして楽しい世の中になると思います。さまざまな人が創造的な活動に時間をかけられるようになるかもしれませんし、もしかすると「退屈」という言葉が死語になる時代がくるかもしれません。私は、そんな可能性を持つデジタルに期待し、その活用方法を考える前線にいたいと思います。

このような世の中で私は、仕事とプライベートのバランスを取りつつ、自分の時間を大切にしながら充実した人生を送りたいと思っています。その傍らには、いつもあたたかなデジタルが存在していてほしいです。

おすすめのデジタル

私のおすすめのデジタルは、何といってもVRゴーグルです。セットアップを終えてVRゴーグルを装着すると、目の前にあるはずのないもの、例えば、スキーのジャンプ台が突如現れ、自身の上体を起こすとあたかも雪の急斜面に向かってジャンプしたかのような感覚を得ることができます。想像を超えるVR空間のリアリティーや臨場感に感動しましたし、今後の使われ方や進化にも期待しています。

ただ一方で、アナログの良さも捨てがたいと思っています。今はスマートフォンやミラーレスカメラでも充分きれいな写真を簡単に撮ることができますが、フィルム写真には、独特の質感や、現像するまで何が映っているか分からないという楽しみ方があります。

私は、旅行にはフィルムカメラを必ず持っていき、撮った写真を思い出に残しています。デジタルに目が行きがちですが、アナログならではの楽しさも感じつつ、デジタルとのハイブリッドでお互いの良さを生かしていきたいです。

田中 里奈

東芝デジタルソリューションズ株式会社
ICTソリューション事業部 CXMソリューション部 ソリューション担当


コンタクトセンターシステムの構築に携わり、機能改修や保守を行っている。新しい知識への探求に余念がなく、さまざまなことに積極的に取り組み、経験を積んでいる。プライベートと仕事を大切に想い生活する中で、自分の信念を持ち、時間をうまくコントロールしていこうと模索している。

執筆:秋葉 けんた

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