デジタルの力を生かして地方創生に貢献したい

東芝デジタルソリューションズの最先端技術を提案し、官公庁で行政業務に従事する人びとが働きやすい環境づくりに邁進する綿施知樹。近年、政府は国全体のデジタル化を掲げ、デジタル社会に必要な環境や機能の整備・普及を推進。行政のデジタル化が加速する中、官公庁向けの仕事をとおして、地方が抱える課題解決へデジタルの力を生かしたいという想いを胸に抱き、日々奮闘する。そんな綿施にとっての“デジタル技術”について、語ってもらった。


デジタルのプロとして適材適所へ先進技術を提案


入社以来、官公庁向けの営業を担当しています。国の行政に関わる専門性の高い業務端末の全国展開に携わったり、当社の技術やソリューション、例えば人が発した声を高い精度で認識してテキスト化するAIサービスを提案したりするなど、ハードウェアとソフトウェアの両面で官公庁における業務の生産性向上を目指し、日々活動しています。業務端末の全国展開では、仕事の流れや端末の使われ方、現場の雰囲気などを実際の現場を見て体感する機会をいただきました。現場の視点で考える大切さを学んだこの経験は、今の私の営業活動に生きています。

現在日本では、内閣府の「第5期科学技術基本計画」で提唱された「Society5.0」の実現に向け、さまざまな取り組みが進められています。Society5.0は、「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義されています。このような国全体のデジタル化の流れにより、国や地方自治体の業務も改善や生産性向上が進められていますが、まだ国民の一人ひとりがそれを実感できるまでには至っていないのが実情です。

私は、デジタルのプロとして、国の動きを見ながら、その時その時の状況に応じた当社の多種多様な技術やソリューションを適切に提案し続けることで、お客さまにおける新しい気づきや価値創造に貢献したいと思っています。当社には、セキュアな環境づくりに役立つ量子暗号通信のような技術もあります。このような先進の技術も積極的に提案することで、「デジタルは東芝」とお客さまに思っていただけるように、そして信頼関係を築きあげられるように、これからもさまざまな働きかけを続けていくつもりです。

私が担当しているお客さまは、国民が安心して生活できる社会というものを常に意識されています。このようなお客さまと仕事ができることに喜びを感じていた私は、自分自身も国や国民が抱える課題に真摯に向き合い、その解決への道のりを伴走することが重要なのではないかと考えるようになりました。そこで、デジタルの力で既存の業務を改善したりデータの活用を促進したりして、お客さまが国の施策の検討やその追求に注力できるようにすること、さらにその施策にデジタルでどのような貢献ができるのかを考え、提案することなど、常にさまざまな状況を想定し、準備をしています。官公庁では、法改正に応じてシステムを改修する場面がよくあります。それに素早く対応するため、行政の動きを常に注視しながら必要な情報を事前に集め、お客さまをとりまく環境をマクロで捉えた活動も意識しています。私自身が持つ、デジタルのプロの視点と一人の国民の視点とを生かし、お客さまの一番の相談相手になりたいと思っています。


誰ひとり取り残されない社会を実現するために


官公庁には、国民の膨大なデータが集まります。このデータを活用して、国民が行う各種手続きを簡単で便利にすることはもちろん、国民の暮らしをより良く豊かにするための検討へ活用するなど、さまざまな施策にデータが生かされる可能性が広がっています。

ただしそこでは、データの扱いに十分な配慮が必要です。集められたデータは、個人情報をはじめとする機微なデータも含まれているからです。これは官公庁でも民間企業においても同じです。身近なところでは、日々の生活の中で、買い物や健康、行動などに関連する個人のデータが取得され、それが便利に役立てられることも増えています。しかしその一方で、得られたデータをもとに商品やサービスがお勧めされることに、違和感を覚える方もいらっしゃると思います。個人のデータは、どのデータをどこに提供してよいのかを、本人が制御できるようにするべきです。この考えをもとに、当社は行動しています。当社には、官公庁の基幹となるシステムを数多く構築してきた経験やノウハウを生かしたセキュアな環境づくりと、機微なデータの扱いに配慮したデータ基盤の両方で貢献できる力があります。今後も、デジタルデータの扱いについて慎重に議論を重ねながら、国民が誰ひとり取り残されることなく、多様な人がデジタルの恩恵を受けられるような仕組みなども、積極的に提案していこうと考えています。

このように、今でこそ官公庁の方々と仕事をしている私ですが、実は学生のころからその仕事には興味を持っていました。地方出身の私は、デジタルとは無縁の世界で生きてきました。そこでは、人口の減少や超高齢化などによる地域の活性化の難しさといった、地方が直面している厳しい現実を身近に感じていました。デジタルを生業にするようになった今、デジタル化による生活の変化を強く感じ、地方でもデジタルを身近で当たり前のものにして、その成長や、そこで生きる人々の喜びにつなげたいと強く思うようになりました。

これからの時代に、デジタルは欠かせません。都会も地方も関係なく、人々の生活に根付いていくものだと思います。私は、デジタル技術の適性や効果的な活用を幅広く学び、国や地域に住む人々の生活を守る官公庁との仕事をとおして、地方創生の力になりたいです。地域にはそれぞれの特徴があります。その特徴を生かして、多くの地域を自律的で持続的な魅力のあるまちにしていく。そんな活動に携われるように、さまざまな仕事に取り組みながら経験を重ねています。

近い将来、官公庁における業務の生産性と利用者である国民の利便性をともに向上させるプロジェクトに関わっていきたいです。特定の誰かだけでなく、自治体で働く人もそこに住む人びとも、デジタルで負担が軽減されて快適な生活を送れる。そんなデジタルの使い方がよりいっそう広がるような環境づくりに貢献したいです。

大切なことば/好きなデジタルツール

私がいつも心に刻んでいるのは、「失敗からこそ学ぶことがある」という言葉です。これは、物理学者のアルベルト・アインシュタインの名言にある「失敗や挫折をしたことがない人とは、何も新しいことに挑戦したことが無いということだ」に通じていると考えています。何事も初めて挑戦したときは、うまくいかないことが多いものです。しかし、失敗の中から学べることはたくさんあります。たとえ何かに失敗しても、その理由をしっかりと分析して経験として次につなげ、人として成長していきたいです。

最近はテレワークの日が多く、「Uber Eats」を使って夕食を手配することが増えました。地元の友人から聞いた話では、提携しているお店や飲食店そのものが少ないことなどから使う機会に恵まれず、名前は聞いたことがある程度の遠い存在のようです。これは地方とのデジタル格差の一例ともいえます。高齢化が進む地方にとって、お店から自宅まで食事を届けてくれる仕組みが実現すれば、そこに住む一人ひとりの食を支える重要な基盤へと成長する可能性があると思います。そんな社会インフラともいえる仕組みとして、いかに地方に浸透させ、発展させられるかを考えながら、Uber Eatsを頻繁に利用し、分析しています。もちろん、自炊をしないことが最大の理由です。

綿施 知樹

東芝デジタルソリューションズ株式会社
ICTソリューション事業部 官公営業第二部 営業第一担当


入社当初より、官公庁向けの営業を担当。官公庁における専門性の高い業務端末の全国展開に携わりながら、AIや音声技術をはじめとした先進のデジタル技術やソリューションの提案を推進。デジタルの力を生かして、地方創生に貢献したいという強い想いを胸に、日々積極的な挑戦を続けている。

執筆:酒井 洋和

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