べいかりあす座談会

衣斐:今回、黒塗りの件では、開発に関わっていただきましたが、木村さんは応募の段階からサポートメンバーとして応募いただいていて、サポートのリーダーをお願いしていました。  

 

ーーーバックオフィス的なところで四方八方、色々なことをサポートいただいたと思いますが、どういったモチベーションで参加いただいたのか教えてください。  

 

木村:募集がかかるって話を衣斐さんから伺って。毎週水曜日に共創センターでモノ作りをするスイスイ会というコミュニティー活動があって、私も参加させてもらっているんですけど、そこに来ているメンバーが魔改造の夜に参加するんだろうなと思いました。彼らの一人一人の技術力というのはすごいんですよね。あのメンバーがいるんだったら僕ができることないと思ったので、実は応募をするのは諦めようと思ったんです。でも、ふと考えると、あの番組の中に出てくる他の企業は、国内でも名だたる企業が、恐らく全力で戦いに来るんだと思ったんですね。その時にT芝が優秀な技術者を揃えただけで、彼らに勝てるのかと思った時に、その技術者の人たちが開発に集中できる環境を整えなきゃダメなんだと思いました。であれば、僕はサポートにまわろうっていうので、メンバーに入れていただきました。  

衣斐:ありがとうございます。本当に木村さん他、サポートメンバーの皆さまには、運営側の面でも開発の皆さんのサポートも、色々サポートしていただきました。  サポートするにあたって、特に苦労したところとか、ここ頑張ったぞみたいなところがあったら、テレビでは放送されないと思うので、この機会に教えてください。  

木村:僕が一番いろいろなところの協力あって、この魔改造のプロジェクトが成り立っていたんだというのを見た人間の一人だと思っています。例えば、会場の大きさの問題で、川崎から拠点をRDCに移すことになって、いろいろな準備してたわけです。当初から、実は向こうに展開すると、椅子と机が足りないっていうのが分かってたんですけど、あの頃どうやったら必要な数だけの什器が用意できるか、誰にお願いすればいいかって私は全然分かってませんでした。そんな中、RDCの冨澤さんとかがいろいろ用意してくださったんですけど、やっぱり圧倒的に足りないんです、机と椅子が。で、いや困ったなと思って、みんなでもう床で作業をしてもらうかっていうのは本気で考えたんですよね。 そしたら一通メールが来るわけですよ。トラックが翌朝着くからそこから荷物を搬入してくれって言うんですね。京浜事業所のメンバーからだったんですけど。翌朝トラックが着いて、トラックの扉がバーンって開くとぎっしり机と椅子が入っているんですよ。 「うわー、助かったー!」ってなりましたね。RDCっていう組織と京浜事業所って全然別の組織なわけですけど、上司の人たちも気にしてくれてたんですね。 なので足りないってなったら持ってけって話をしてくれたみたいで。こちらからお願いをするまでもなく必要なものが届くって、初めての経験だったと思います。後日談なんですけど、9月の初旬に島田社長が社内SNSの中で「越境せよ」というのを投稿されていたんですよね。 お互いに助け合うために越境しなさいというお話です。いや、できてましたよ、もう既にって私は思ったんです。もう正直トラックの蓋が開いて机と椅子が入ってて助かった!と思った瞬間にちょっと泣きそうなりましたね。僕たちは支えられている、味方がいるんだなって思いました。  

衣斐:このプロジェクトは本当に越境だらけでしたね。差し入れとかも、色々な方からいっぱいいただきましたしね。  

安達:アンケートに、こんなに応援された仕事はないって書いてありました。(会場、笑い) 

木村さん

衣斐:木村さんには開発に関わらないような色々なところでご尽力いただきました。ありがとうございました。では、

 

ーーー最後にどなたかこれは言っておきたいみたいなエピソードありますか?

 

渡邊:チームワークで良かったと思ったのが、Z駆動機構を2m上げると、板のたわみが原因で、途中で止まってしまう時、それ直すのに、東芝インフラシステムズ株式会社(以下、TISS)の現場にお願いするということができました。

衣斐:機器試作部にお願いしている作業がパンパンになって来ていた時ですね。

渡邊:はい。TISSの現場の部長に話をしたら、「好きに使ってくれ」と言っていただけました。あの時は自分と冨澤さんで、その場でホワイトボードで絵をかきながら構造検討して、誰が何やるのか決めて、モーター側につけるフレームを、狩野さんに設計してもらって、朝からTISSの現場で加工してもらえるようにして、朝山さんには朝来たらやって欲しい作業についてビデオ通話で説明してと段取りしました。んで、次の日の夕方17時に自分が現場についたら解決していたって言う感じで、あのスピード感は楽しかった。

山崎:原因がラックピニオンが曲がっていたせいだったんですが、それが発見できた理由が、本田さんが黒く塗ってくれていた塗装が片方だけ剥がれたからだったんです。

衣斐:黒く塗るのは世界観の演出だけでなく、不具合の検出にも効果があったんですね。そして、その不具合を解決する際に、TISSの現場と、機器試作部とでのコラボがあったわけですね。

渡邊:そうです。

衣斐:その後、

 

ーーー機器試作部から、TISSの現場に修行に行ったという後日談があると聞いたのですが、どういう内容なのでしょうか?

 

渡邊:今回のべいかりあすの試作のときは、基本的にはレーザーで板物を切ってもらうっていうのをやってもらってたんですけど、溶接をやってる部隊もあって。で、朝山さんは試作部の中で溶接ができるのが唯一の人だったらしくて。ただ先生が誰もいなくて、全然俺は下手くそでしょうがないと言ってたので、じゃあうちに習いにきたらという話を現場の課長に話をしたら、結構話がトントン拍子で進んで。一か月後くらいに2週間うちの現場の溶接部隊で、アルミ溶接とステンレス溶接を勉強していきましたね。

衣斐:朝山さん、勉強になりましたか?特に修行して身に付いたところはどこなんですか?

朝山:そうですね。やっぱり今まで独学だったので、実際にめちゃくちゃ上手い人に手本見せてもらうっていうのはすごい勉強になりました。アルミニウムの溶接って難易度が高くて、今までまともにつけたことがなかったんですけど、それが付けれるようになったのは良かったです。

鎌田:朝山さんと言えば、朝7時くらいに来るんですけど、毎日掃除してくれていたんですよ。

朝山:人がいるとできないから朝来た時に、掃除してました。

衣斐:夜、人が少なくなってきたころには、根岸さんや緒方さんたちサポーターの皆さんが掃除してくれてましたよね。

山崎:魔改造の夜のテーマは「エンジニアをヒーローに」でしたが、T芝の魔改造は、「エンジニアもデザイナーもサポーターもみんなヒーローに」することができたんだと思います。

衣斐:皆さんの開発における活躍だけでなく、プロジェクトに掛けた想いや姿勢など、T芝の人材の魅力が伝わる話がたくさん聞けたと思います。長時間ありがとうございました。

 

参加メンバー

衣斐 秀聽
東芝 CPSxデザイン部 デザイン開発部 共創推進担当

安達 浩祐
東芝 CPSxデザイン部 デザイン開発部 共創推進担当

山崎 宏明
東芝 研究開発センター 先端デバイス研究所 バックエンドデバイス技術ラボラトリー

馬場 一彰
東芝デベロップメントエンジニアリング モビリティソリューショングループ

本田 達也
東芝 CPSxデザイン部 デザイン統括室

大西 直人
東芝 CPSxデザイン部 デザイン開発部 プロダクト・ブランドインタラクション担当

鎌田 啓輔
東芝 研究開発センター 研究企画統括部 機器試作部

三友 敏也
東芝 研究開発センター 情報通信プラットフォーム研究所 ワイヤレスシステムラボラトリー

岡 佳史
東芝 生産技術センター 業務プロセス変革推進領域 ロボット・自動化技術研究部

佐々木 雅恵
東芝デベロップメントエンジニアリング エッジ&エンベデッドソリューショングループ システムLSIテクノロジー担当 システムLSI設計第二チーム

狩野 元臣
東芝デベロップメントエンジニアリング インダストリアルシステムグル-プ インダストリアルメカニカルソリューション担当 プロダクトメカデザイン第一チーム

牧野 翔太
東芝デベロップメントエンジニアリング モビリティソリューショングループ 自律移動システム担当 AMシステム第二チーム

渡邊 紘和
東芝インフラシステムズ 府中事業所 交通システム部 開発設計第二担当

出浦 香織
東芝インフラシステムズ 府中事業所 鉄道システム部 鉄道システム機械・構造設計担当

木村 孝志
東芝電波プロダクツ システム技術部

中村 圭策
東芝エレベータ 情報戦略システム部 情報フィールド担当