社会人の基本!ビジネスマナーを研修で身につけよう

「あいさつをしない」「敬語を使わない」「時間を守らない」。ビジネスで、ちょっとしたことで不快な思いをすることはよくあります。自分が気づいていないところで、無意識にマナー違反をしているかもしれません。今回は、社会人として不可欠なビジネスマナーや、ビジネスマナー研修についてご紹介します。

何のためにビジネスマナーがあるのか

ビジネスマナーは、社内外を問わず、相手を不快にさせないための基本的なマナーです。マナーの目的について、改めて考えてみましょう。

他者に良い印象を与える


言葉づかいや態度に人間性を感じとる人は多くいますので、基本的な作法がしっかりできていると、相手に良い印象を与えることができます。一度決まってしまった第一印象をくつがえすのは難しいことが多いため、なおさらマナーは大切です。

コミュニケーションを円滑にする


伝えるメッセージが同じでも、表現方法を少し工夫するだけで、他者への印象が変わります。対人コミュニケーション能力としてビジネスマナーを洗練させることは、ビジネスのパフォーマンスに直結します。

良好な人間関係を築く


他者に良い印象与え、円滑にコミュニケーションをとることができれば、必然的に良い人間関係に発展するでしょう。人脈も広がり、ビジネスを順調に進ませることができるでしょう。

経済産業省の「社会人基礎力」育成のススメ

さらに、2006年には経済産業省が「社会人基礎力(=3の能力、12の能力要素)」を発表しています。考え抜く力(シンキング)、前に踏み出す力(アクション)、チームで働く力(チームワーク)の3つの能力に対し、それに付随する12の能力が提唱されています。

考え抜く力(シンキング)


  • 課題発見力 現状を分析し目的や課題を明らかにする力
  • 計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
  • 創造力 新しい価値を生み出す力

前に踏み出す力(アクション)


  • 主体性 物事に進んで取り組む力
  • 働きかけ力 他人に働きかけ巻き込む力
  • 実行力 目的を設定し確実に行動する力

チームで働く力(チームワーク)


  • 発信力 自分の意見をわかりやすく伝える力
  • 傾聴力 相手の意見を丁寧に聴く力
  • 柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力
  • 情況把握力 自分と周囲の人々と物事との関係性を理解する力
  • 規律性 社会のルールや人との約束を守る力
  • ストレスコントロール力 ストレスの発生源に対応する力

(引用元:『人生100年時代の社会人基礎力について』平成30年2月 経済産業省 産業人材政策室)
これら3能力、12能力要素を評価基準にビジネスマナーを習得していけば、効率良くスキルを磨くことができます。新社会人はもちろん、中堅・ベテラン社員にもこれらの能力が十分に備わっているかどうか、確認に用いるのもよいでしょう。

ビジネスマナーの種類

ビジネスマナーは無数にありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。

お辞儀


お辞儀は3種類あります。軽く目を合わせて首だけでお辞儀してしまうのは、よくある間違いです。何かをしていても一度手をとめ、座っているなら立ち上がりましょう。

  • 会釈=15度(通りすがり)
  • 敬礼=30度(一般的なお辞儀)
  • 最敬礼=45度(謝罪、感謝)

わざとらしくならないように、リラックスして自然にできれば好印象を与えることができます。挨拶は先手必勝なので、瞬発力が肝心です。こちらから挨拶をして、相手の反応が悪くても気にすることはありません。

名刺交換


日本のビジネスシーンでは、名刺交換はまだまだ現役です。名刺を差し出す高さは、相手より低くすることが一般的ですが、相手方も同じことを考えていますので、だいたい同じくらいの高さなら問題ないでしょう。両手で受け取るのが基本ですが、お互い同時に出して交換する場合には、右手で出して、左手で受けとりましょう。一番ありがちな失敗は、名刺を出すときにもたつくことです。あらかじめ名刺入れから出して、準備万端でいきましょう。

電話対応


電話は3コール以内にとるのが望ましいとされています。人は電話で11秒以上待たされるとイライラし始めるという調査があり、電話での約3コールは11秒だからです。

敬語


ビジネスマナーでもっとハードルが高いのが敬語ではないでしょうか。知識として知っていても、日常会話の流れで自然に使うには、それなりの慣れが必要です。今まで普通に使っていた言葉でも、実は間違っていることはよくあります。正しい表現を再確認して、実践あるのみです。

席次


席次も一概にはいえない部分が多く、難しい分野です。まず、「出口から遠い順に上座」という基本を押さえておけば問題ないでしょう。ただし、景色が綺麗な窓側の席が上座の場合もあり、臨機応変に対応する必要があります。

ビジネスマナー研修のポイント

ビジネスマナーの種類はさまざまであり、何から取り組むべきか迷う場合もあるでしょう。@niftyニュースにおいて、ビジネスマナー違反で気になるものを調査したところ、以下のような結果が出ています。

  • あいさつをしない (60%)
  • 打ち合わせに遅刻する (50%)
  • 周りと調整せずに休みをとる (49%)

(2016年4月22日~2016年4月28日/有効回答数:3,201)

上述のマナー違反の内容はかなり基本的なことですが、それだけに不快感を与えると考えられます。まずは、挨拶とチームワークにおけるマナーを重点的に行うことから始めましょう。

ビジネスマナーを体系的に学ぶ方法

最後に具体的なビジネスマナーの習得方法です。書籍・OJT・eラーニング・専門機関の研修などを利用して、自社社員に体系的に学んでもらうことができます。

書籍


『入社1年目ビジネスマナーの教科書』

(著者・金森たかこ、監修・西出ひろ子、プレジデント社、2017年)

ビジネスマナーの本といえば、かた苦しく無味乾燥なものが多いなか、本書はわかりやすいイラストを用いており、とっつきやすいのが最大の特長です。時間があるときに手にとって気楽に確認するという使い方ができます。内容は、身だしなみや自己紹介など基本的なことから、ビジネスメールや冠婚葬の作法まで網羅的に学ぶことができる本格派です。「書き途中のメールを誤って送信してしまった」「打ち合わせの途中に電話がかかってきた」など、不測の事態に対する対処法までカバーされているのも、分かりやすいところでしょう。

eラーニング


ビジネスマナーはeラーニングでも学習することができます。たとえば、東芝デジタルソリューションズ株式会社が提供するGeneralist/LMというeラーニングサービスでは、前掲の社会人基礎力やビジネスマナーといったビジネススキルを標準コンテンツとして提供しています。

このサービスは10万人規模の組織を前提に設計されていますので、受講者数が増加することによって費用がかさんだり、ログイン制限がかかったりといったデメリットはありません。そのため、新入社員研修のような大人数を対象にした教育に適しています。

管理者はグループや提供するコンテンツごとに、学習状況や受講結果・進捗フォローを一元的に管理することができ、受講者は操作性を重視した学習環境で特にマニュアル等を必要とせず、すぐに学習を開始することができます。低コストで手軽にも関わらず、高い教育効果が期待できるところがeラーニングの魅力です。

もちろん、eラーニングの大きなメリットである「いつでもどこでも」学習できる環境に対応しており、マルチブラウザを採用しています。スマートフォンのAndroid、iOS両方のブラウザで好きな時間に学習できます。学習コンテンツはパソコンで行い、テストはモバイル端末で行うというような柔軟な学習形態が可能です。300種類以上の標準コンテンツのほかに、社内のネットワーク環境やパソコンのスペックに合わせてオリジナルコンテンツを制作することもできます。テキストだけではなく、イラストや音声などを組み合わせたコンテンツ作成が可能なところもよいでしょう。

OJT


営業職では、取引先に上司と同伴して、業務を学びながらビジネスマナーを身につけるのが一般的です。日常業務をこなしながら、マナーを身体に染み込みこませることができます。ただし、上司のビジネスマナーが完璧ではない場合もありますので、気になる部分はその都度、書籍やeラーニングなどで確認させる必要があります。

ビジネスマナー研修


ビジネスマナーの集合研修には、新入社員向けのビジネスマナー研修、営業職向けマナー研修、クレーム電話応対研修など、さまざまなものがあります。研修のメリットは専門講師の正確な知識とロールプレイングで実際に体験できるので、書籍とOJTのいいとこ取りともいえます。

入社員もベテランもマナーの大切さは同じ

自社社員がビジネスマナーを身につけていない場合、周りに不快感を与え、企業のイメージダウンにもつながりかねません。自社社員のビジネスマナーをチェックし、研修の実施を検討してみてはいかがでしょうか。