eラーニングで社員教育!コストを抑えてすきま時間を有効利用

デジタルデバイスの発達にともなって、現代人は細切れの時間をいかに有効に使うかということを意識するようになってきました。通勤中やちょっとした休憩中にスマートフォンで読書やゲームをするのは、当たり前になっています。そのようなすきま時間を利用したビジネスパーソンとして成長する方法として、eラーニングが普及してきています。今回は、ちょっとしたすきま時間を活用してもらうことによって効率的に社員教育ができるという、eラーニングについてご紹介します。

eラーニングとは何か

eラーニングは、主にインターネットを利用した学習形態を指します。パソコン・タブレット・スマートフォンなどのデジタルデバイスを活用し、いつでもどこでも自分のペースで学習することができるのが大きな特徴です。テキストだけでなく、動画やアプリ、ウェブカメラを利用したリアルタイム講義など、技術の進歩を背景に幅広いコンテンツを利用することができます。

eラーニングのメリットとして一番に挙げられる点は、今までの学習方法に比べコストを抑えられることです。外部から専門家を招いてセミナーや研修会を開く必要はありません。端末さえあれば、いつでもどこでも、時間と場所を選ばずに学習できます。学習管理システムを利用すると、学習履歴や学習の進捗情報を一括管理できるため学習効率が良く、社員教育の期間短縮も可能です。

デメリットとして、eラーニングは1人で学習する状況が多いので、人によって向き・不向きがあります。学習へのモチベーションが下がったときのために、受講者へのフォローや質問システムを利用することが望まれます。また、対人コミュニケーションのスキルを学ぶなどの実技が欠かせないものについては、eラーニングで知識の習得を行うと同時に、実技研修を別に設ける必要がありましたが、最近では、VR技術を応用して実技を行うこともできるようになってきています。

eラーニングに必要なものは?

では、eラーニングを導入する際のインフラについて考えてみましょう。

ハード面では、パソコン・タブレット端末・スマートフォン等のデジタルデバイスを利用します。極端にスペックが低かったり、モデルが古かったりする場合は、状況に応じて新しいものに買い替える必要があるでしょう。

ソフト面では、インターネット環境が整っていることが必要条件です。回線速度が速ければ、動画教材などもより快適に活用することができます。デバイスのOSは、最新のものにアップデートされていれば問題なく使用できます。自社のパソコンが古かったり、OSがアップデートされていなかったりする場合には、システムの導入前に、社内のパソコンのスペックとプラットフォームの相性を検討する必要があります。

そして、最も重要なものは、eラーニング用のコンテンツ(教材)とeラーニングを提供するプラットフォームです。 学生向けに特化したものから、BtoB向け、生涯学習を見越してあらゆる分野を網羅しているものなど、さまざまなサービスがあります。導入目的や予算との兼ね合いもありますので、よく検討して最適なものを選定しましょう。

語学やプログラミングを学ぶeラーニングでは、専用アプリが提供されているサービスが多くあります。そのようなeラーニング用の専用アプリがある場合には、アプリケーションのダウンロードも必要です。

どのようなeラーニングのサービスがあるのか

次に、eラーニングのプラットフォームの一例としてGeneralist/LWをご紹介します。これは、東芝デジタルソリューションズ株式会社が提供するeラーニングサービスです。

教材作成ツールを使い、オリジナルの教材を自由自在に作成することができます。既存のHTMLやPowerPointも活用できますので、教材づくりの幅が広いのも特徴です。

マルチデバイス対応なので、パソコン・タブレット端末・スマートフォンをすべて活用でき、外出時や移動時間も無駄にしません。サービスの料金プランによっては従量料金にすることもできますので、使用量が少ないときにはコストを最低限に抑えることができます。

学習状況の管理機能もあり、テストやアンケート結果の一括管理で教育担当者に負担がかかりません。Web上で契約できますので、すぐに社員教育を開始できる点もよいでしょう。

eラーニング導入事例

では、e-ラーニングを企業に導入すると、どのような効果があるのでしょうか。実際にeラーニングを導入した企業の例を見ていきましょう。

株式会社クラスココンサルファーム


石川県金沢市のクラスココンサルファームでは、新人教育において、基本的な知識を習得させるのにeラーニングを導入しました。それまでは、賃貸営業の新人を育てるのに3ヶ月かかっていましたが、2ヶ月に短縮することに成功し、従来よりも1ヶ月間早く新人を営業活動に投入することができました。その1ヶ月間の売上は、新人5人で500万円に上ったそうです。

ヤンマー株式会社


それまでの研修管理は紙やExcelをベースとしたもので、汎用性がありませんでした。担当者しか内容を把握しておらず、業務の負荷に偏りがありました。さらに、グループ会社では別の管理方法が採用されていたので、業務効率があまり良くないシステムでした。そこでeラーニングシステムを導入し、管理工程を減らすことによって、グループ会社全体で使用できる人材教育システムの基盤を作り上げました。海外にある現地法人も含めてグローバルに利用できるようになったため、現在では24時間いつでも利用されています。

株式会社ソラスト


医療や介護現場で働く社員のスキルアップを目的に、eラーニングを使って人材育成を行いました。約24,000人という大規模な受講者を対象に、業務内容や専門スキルごとに11種類の学習コンテンツを3ヶ月で用意しました。大規模なプロジェクトながら運用開始から大きなトラブルはありません。さらに、集合研修とeラーニングを組み合わせることで、業務に必要なスキルを効率よく身につけるシステムの構築に成功しました。

現在のeラーニングのトレンド

さまざまな企業に導入されているeラーニングですが、最近のトレンドについてもご紹介しましょう。

JMAMの2018年の調査(*1)によれば、導入形態として一番多いのが「全社員対象の一斉教育」で59.4%。「福利厚生制度の一環」としての導入は16.2%で、前年度より約13ポイントアップしており、政府の働き方改革の影響があると考えられます。学習に導入されているコンテンツは、「コンプライアンス」「個人情報保護、情報セキュリティ」「メンタルヘルス、ハラスメント」の3つが上位を占め、情報漏えいが問題になっている世相を受けているようです。特に「コンプライアンス」は約70%の企業が導入しており、前回調査から約11ポイントの増加となっています。eラーニングで使用されているデバイスは「職場のPC」が最多で90.6%。「スマホ、タブレット」の割合は、前年度に引き続き増加傾向です。

*1:『eラーニング活用に関する調査報告 2018 年1月 調査報告書』cJMA MANAGEMENT CENTER INC.2018

技術的なトレンドとしては、学習コンテンツによりゲーム性を高めたものが出てきたことが挙げられます。これまでの学習コンテンツは、受講者すべてに同じ内容を提供していました。それに対して最新のコンテンツでは、選択肢によってストーリーに変化が出るなど、ゲーム性をより高め、学習意欲を持続させる工夫がされています。

また、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)を応用して実技研修をするなど、新たなテクノロジーを導入することによってeラーニングの幅が広がっていることも注視したいところです。

さらに、数分しかない短時間の動画コンテンツを利用したマイクロラーニングも広がってきました。SNSの感覚で手軽に学習したいニーズに応えたものであり、若い世代に利用しやすい学習コンテンツです。

eラーニングで生涯学習も

グローバル化が進むなかで、外国人労働者を街で見かけることも当たり前になってきました。eラーニングならば、新人研修だけではなく、語学研修もコストを抑えながら効率的に行うことができます。学べる分野はプログラミングからデッサンまで無限にあるので、社員の生涯学習としても活用できるでしょう。自社の社員教育用として、汎用性の高いeラーニングの導入を、ぜひ検討してみましょう。