コミュニケーションスキルを成長させる研修の種類やカリキュラムをご紹介

社員同士のコミュニケーションの円滑さは、企業の成長にも大きく関わる要素といえるでしょう。ときには、コミュニケーションのスキルアップを目的とした研修が必要になることもあります。今回は、コミュニケーション研修の種類とカリキュラムについて解説します。

そもそもコミュニケーションとは何か

コミュニケーションとは、一般的に、言葉・文字・ジェスチャーなどを使って相手と意思疎通を図ること。つまり、「自分が何を伝えようとしているのかを言葉などで相手に理解してもらうこと」を指します。

企業という組織では、仕事をスムーズに行うために社内コミュニケーションは欠かせません。ひとりでできる仕事は限られており、役職が上になるほど、相手に自分の意思を理解してもらったうえで動いてもらうことが重要になってきます。

また社外では、自社の商品やサービスの説明をプレゼンするという場合に、クライアントとのコミュニケーションが重要になってきます。会話を通して状況を推し量ることもコミュニケーションの役割のひとつです。

現代は、市況も大きく変化しやすいため、コミュニケーションの重要性はますます高まってきているといえるでしょう。

なぜコミュニケーション研修を行う必要があるのか

コミュニケーション研修とは、コミュニケーションのテクニックや方法論を学ばせ、効率よくコミュニケーションスキルを取得させるためにあります。

「コミュニケーションを取っていこう」と伝えたところで、すぐさま部署内外のコミュニケーションが円滑になったり、取引先とのやり取りがうまくいったりすることはありません。充実したカリキュラムのもとで具体的に学習・練習させることによって初めてスキルを身につけさせることができ、ようやくコミュニケーションの促進が図れるという場合も多いのです。そこで、研修というかたちでの教育がすすめられています。

コミュニケーション研修で期待できる効果とは

コミュニケーション研修によって期待できる効果を4つご紹介します。

  • 対外的な評価の向上
    社外向けのコミュニケーションスキルが上達すると、クライアントから高評価を受けるなど、売り上げに直結するメリットが期待できます。
  • 生産性の向上
    企業風土にあわせた最適なコミュニケーション方法によって円滑に仕事を進められるようになれば、生産性の向上を図ることができるでしょう。効率的な組織運営も可能となります。
  • 育成力の向上
    上司のコミュニケーションスキルが向上すると、指導した通りに部下が育ち、部署内のモチベーションが高まり、部署の目標を達成できるなどの相乗効果が生まれる可能性が高まります。高レベルの人材を育成することは、より強固な組織づくりに欠かせないポイントです。
  • 信頼関係の醸成
    部署を横断した研修を行うことで、接点が少ない部署間においても信頼関係が醸成され、部署をまたいだプロジェクトが円滑に進むという効果も期待できるでしょう。より大きな規模の仕事ができる可能性が高まります。

このように企業にとってのコミュニケーションとは、人間でいう血液のようなものであり、研修によって改善すれば企業が大きく変化する可能性を秘めているのです。

コミュニケーション研修の種類やカリキュラム例

それでは、コミュニケーション研修の種類やカリキュラム例をご紹介していきましょう。

コミュニケーション研修の種類


コミュニケーション研修の種類は、対象別・階層別・形式別の3カテゴリに分かれています。

  • 対象別:社内・社外
    社内向けの場合は、部署間・上司部下間・同僚間など対象別に適したコミュニケーション方法を学びます。社外向けの場合は、クライアント企業に対しての営業・プレゼン・交渉・クレーム対応など、目的別に折衝をうまく行うためのポイントを学びます。
  • 階層別:新入社員、中堅社員、マネージャー
    新入社員の場合は社会人として知っておきたい基本的なコミュニケーション、企業の風土や商習慣に応じたコミュニケーション方法を学びます。中堅社員の場合は、上司・同僚・後輩それぞれの立場の人と仕事を円滑に進めるうえで必要になるコミュニケーション手法について習得することが目的になります。マネジメント候補としてのコミュニケーション能力を鍛える狙いもあります。
    マネージャーの場合は、部下の問題を発見するヒアリング力、部下に自分で答えを出させる問いかけ力など、さまざまなコミュニケーション術を習得します。
  • 形式別:ツール学習型、体験型、ブレンディング型
    ツール学習型の場合は、対面のコミュニケーションだけでなく、クライアント情報の共有法やツールを活用した情報共有法など、さまざまな情報共有手段を学びます。
    体験型の場合は、個人・グループワークなどで学んだことを実践し、研修後すぐに使えるスキルに仕上げるという狙いがあります。研修参加者同士の交流の機会にもなるという副次効果があります。
    ブレンディング型は、セミナー型の研修とeラーニング・テストなど複数の学習方法を組み合わせて行う研修です。コミュニケーションスキルは実際に使えるようにならなければ意味がないため、繰り返し学べ、習熟度が見えるeラーニングを活用したブレンディング型の研修が人気です。

コミュニケーション研修のカリキュラム例


コミュニケーション研修のカリキュラムには、以下のようなものがあります。

  • お互いを信頼する体験を盛り込んだ研修
    相手が支えてくれるという前提のもと、目をつぶって相手に背中を向けて倒れ込むという体験から、相手との信頼関係を構築する研修です。声掛けの重要性や緊張感を持って接することの重要性が学べ、部署内でペアを組むならば、相手との信頼関係を強めることができるでしょう。
  • 言葉だけで正しく情報を伝える実践型研修
    図や身振り手振りなどを使わず、言葉だけで何かを正しく伝えようとする場合には、どのような工夫が必要なのかについて学びます。自分が描いた絵とまったく同じ絵を、言葉による説明だけで相手に描いてもらうことなどで、いかに正確に伝えることが難しいかについて実感するとともに、相手に正しく伝えるポイントを習得します。

  • チームワークを学ぶワーク型研修
    チーム間で競争するようなゲームを行います。チーム内での自分の役割・働きを意識して行動することが求められ、日常業務における自分の役割・チーム内における役割を再認識することにつながります。関わりの薄い部署メンバーを集めての研修ならば、交流の機会にもなるでしょう。
  • 育成場面を想定した実践型研修
    部下から相談を受けたとき、部下のモチベーションが下がっているときなど、上司としてどのように接すればよいのかについてロールプレイングを通して習得します。部下役・上司役の両方を体験したり、相手からのフィードバックを得たりすることで、実践に即した方法を学ぶことができます。
  • 情報共有ツールの活用法を学ぶ研修
    情報共有ツールの導入目的から使用方法、具体的な利用シーンなどを学び、現場ですぐに活用できるようにします。

コミュニケーション研修の導入を検討しよう

あたりまえのスキルとして捉えられることも多いコミュニケーションスキル。しかし、コミュニケーションの活性化を課題としている企業は少なくありません。コミュニケーションの促進には、研修を取り入れて、方法論や具体的なテクニックを社員にしっかり学ばせるのが効率的です。自社の研修目的を定め、どんな手法や形式が合うのか、コミュニケーション研修の内容を検討するところから始めていきましょう。