スキルアップ解説！人材育成を実現する５つの方法

会社の成長を加速させるためには、従業員の能力向上とスキルアップはどのビジネスにおいても重視する必要があります。人事として取り組むべき重要な方法を5つ解説します。組織全体の生産性向上を図るためにも、ぜひこの方法を活用してみてください。

「企業は人なり」という有名な言葉があるように、企業は働いている人、つまり「従業員」によって大きく変わっていく生き物のようなものです。従って、企業を支える一人ひとりの従業員を成長させることができれば、企業全体の成長も夢ではありません。このため、従業員のスキルアップ方法を構築し、全従業員の能力向上を可能にする方法を紹介します。従業員が自らのスキルアップと成長を実感できるよう、会社を挙げて人材育成の取り組みに力を入れていきましょう。

そもそもスキルアップとはどういったものでしょうか。類似した言葉に「キャリアアップ」がありますが、これら2つの言葉にはどのような違いがあるのか見てみましょう。

スキルは、能力・技能といった技術的な面や、それを証明する資格を表す言葉です。訓練を重ねて積み上げた技術がスキルに相当します。この技術や能力を向上させる、つまり、仕事に対する能力を向上させる行動がスキルアップです。

一方、キャリアには経験・経歴という意味があります。経歴を向上させるとは、上位役職へのステップアップ（昇進）や、転職で役職が上がることなどを指すキャリアアップです。また、現在より高い年収になる転職や異動も含まれるでしょう。

次に、スキルアップを行うメリットについて考えていきましょう。人事として検討すべき視点と従業員が感じる視点の両方から考察すると、スキルアップのメリットがより把握しやすくなります。

まず、企業側の視点からスキルアップのメリットを考えてみましょう。

従業員のスキルアップを図ることができれば、そのスキルや能力が向上するため、仕事の効率が上がります。結果として、会社全体としての生産性や提供サービスのクオリティの向上が促進されるでしょう。

従業員のスキルアップによって提供サービスのクオリティが向上すれば、継続的契約につながると同時に、新たな引き合いも増えるでしょう。場合によっては、広告宣伝費のようなコストをかけなくても、スキルアップを通じて継続的な契約や引き合いを増やすことが可能かもしれません。

さらに、従業員のスキルアップに取り組んでいることが周知されることで、就職・転職を検討している候補者からの興味を引く可能性も高まります。スキルアップによって生産性が上がれば短時間で成果を出せるようになり、残業が少ない企業としてアピールすることも可能になるでしょう。

従業員に対して積極的にスキルアップ研修を行うと、仕事に対するモチベーションや充実度が向上し、会社に在籍するメリットを実感できます。このような人材育成環境を整備することで、従業員の離職を防ぐことにつながります。

スキルアップがもたらす従業員側のメリットを見てみましょう。

自分のスキルが向上することは、自己実現の達成に繋がり、大きな満足感を得られます。また、生産性が向上し、残業を減らして働くことが可能になれば、ワーク・ライフ・バランスを意識した生活が可能となります。

従業員側には、クライアントからの評価向上が大きなメリットといえます。クライアントとの良好な関係を構築し、仕事上のストレスを軽減できるでしょう。また、クライアントからの評価が高まり、要望される領域が広がることで、期待を受けてさらなる成長の機会が訪れます。

スキルの向上により、クライアントからの評価が高まれば、管理職やスペシャリストとして働くチャンスも増えるでしょう。これにより、新しい役職や向上したスキルに見合った報酬を得られます。万が一、転職を検討する際も、確実なスキルがあれば優遇されるでしょう。

それでは、従業員のスキルアップのために人事が取り組むべき5つのことを紹介します。

まず、従業員の現在のスキルを「見える化」してしっかりと把握することが重要です。スキル向上を図るためには、従業員の現状を明確に把握し、目標と現状の差を理解する必要があります。

スキルアップをした方がよいとわかっていても、なかなか前向きに取り組むことができない従業員もいるでしょう。そのようなときには「スキルアップを図ることでどのようなメリットがあるのか」ということを、わかりやすく提示することが大切です。得られるメリットの例としては、社内外からの評価を得られることや給料が上昇することなどがあります。社内やクライアントから期待されている状況や、給料の向上幅など、従業員自身がスキルアップした先の生活を具体的にイメージできるように示すことが重要です。

従業員が目標と現状のギャップを埋められるようなキャリアプランを策定しましょう。現状のスキルレベルと各自の目標をチーム単位でまとめ、さらにチーム別にキャリアプランを策定して運用することで、効率的に人材育成に取り組むことができます。

クライアントに褒められることや、自分のスキルが向上したと実感するだけでは満足できない従業員もいるでしょう。スキルアップした従業員には、その努力に対する報酬を与えることもモチベーションを高く保つポイントです。具体的には目標管理制度と人事考課を連動させることがおすすめです。目標管理制度で一定のレベルに到達したら、報酬のランクが上昇するような連動性を持った制度設計を検討してみましょう。

上記4までの設計が終わってから、必要な研修の立案やLMS導入を進め、その過程で従業員のスキルアップを図りましょう。LMSとは主にeラーニングの受講結果や進捗を管理できるシステムで、スキルの向上に役立ちます。

全体設計をしてから実際の研修やワーク作成に移行すると、従業員が高いモチベーションを持って取り組みに参加する確率が上がります。LMSを活用することで、個別の状況に合わせたスキルアップの仕組みを作成し、やる気を維持しながら継続的にスキル向上に取り組むことが可能です。

従業員のスキルアップの意義を確認しながら、一人ひとりのスキルアップを実現するために人事が行うべき5つのポイントについてもまとめて紹介しました。しかし、スキルアップも従業員にやる気がなければ効果的に進めることは困難です。従業員が成長し向上心を持てるような環境を整え、自社の持続的な成長を図りましょう。