生成AI事例

応対品質は生成AIでここまで変わる

東芝ITサービスと共同実施した『応対品質評価サービス』 実証実験レポート

東芝ITサービス株式会社と共同で、「生成AIを活用した応対品質評価」の実証実験に取り組みました。AIによる評価では根拠が明示されるため、オペレーター自身が納得しながら改善に取り組むことができ、セルフ品質改善への意識が高まりました。従来の人手による評価と比べて、評価時間の大幅な短縮、育成の効率化や業務負担の軽減といった成果も確認されています。

実証実験参加企業ご紹介:東芝ITサービス株式会社

東芝ITサービス株式会社は、ITシステムの構築から運用・保守まで多様なサービスを提供しています。同社は「RECAIUS™ コンタクトセンタープラス」をいち早く導入し、コンタクトセンター業務の応対品質向上と効率化に取り組んできました。今回、さらなる品質向上に向けて、生成AIを活用した「オペレーターの応対品質評価」の実証実験に参加いただきました。

東芝ITサービス株式会社様:社内画像

生成AIを活用したオペレーター育成支援の可能性と課題

生成AIを活用したオペレーター育成支援への期待が高まる一方で、導入に対する懸念も存在していました。今回の実証実験では、効果の検証に加え、現場からあげられた懸念点の検証も実施しました。

生成AIの評価の仕組みに関する懸念を示す図。『評価の根拠が不明で不公平感が生じないか?』という問いと、『現状のスーパーバイザーによるオペレーターの評価では不十分なのでは?』という疑問が記載されている。 生成AIの評価の仕組みに関する懸念を示す図。『評価の根拠が不明で不公平感が生じないか?』という問いと、『現状のスーパーバイザーによるオペレーターの評価では不十分なのでは?』という疑問が記載されている。

実証実験で得られた効果

アドバイスの活用でセルフ品質改善も可能に!

応対品質評価の前後を比較したところ、オペレーターが評価結果のアドバイス欄を参照することで、「話し方の明瞭さ」や「聞き返しの頻度」などの項目において改善がみられました。

セルフ品質改善率が平均12.5%向上

迅速な評価と納得感のあるフィードバック!

従来の人手による評価と比べて、作業時間を大幅に短縮できました。また、評価基準の明確化と具体的なフィードバックにより、担当者の納得感も向上しています。

評価・フィードバックにかかる時間が64%短縮

※効果の数値は、東芝デジタルソリューションズ株式会社の調べによるものです。
 実際の効果は、通話品質等により異なる場合があります。

Alt:評価結果の違いに関する懸念を示す図。『人の評価と生成AIの評価に差が出てしまうのでは?』という問いが記載されている。 Alt:評価結果の違いに関する懸念を示す図。『人の評価と生成AIの評価に差が出てしまうのでは?』という問いが記載されている。

「生成AI vs. 熟練評者」 実証実験で徹底比較!

本実証実験で定めた評価項目と評価基準にもとづき、複数の熟練評価者および生成AIがオペレーターの通話内容を評価しました。その結果を比較し、評価のばらつきやAIの有効性を検証しました。

熟練評者間でも評価にばらつき!10点以上の差も

熟練した評価者同士であっても、評価基準の捉え方に差があるため、一部の評価項目では評価が分かれ、10点以上のスコア差が生じました。

生成AIの評価は、熟練評価者の同等レベルに

生成AIによる評価では、熟練評価者の評価基準をパラメータとして取り入れることで、現場で求められる視点に即した評価が可能であることが確認されました。

生成AIと熟練評者による評価の比較図。4人の評者がそれぞれ異なるスコアを付けており、『評者の間で評価に差異が発生!』と記載。生成AIの活用により評価のばらつきを排除することが可能であることを説明している。

実証実験についてより詳しく知りたい方、体験してみたい方はこちら

実証実験を終えての感想

オペレーター​

オペレーター

評価の不公平感を解消!

生成AIによる評価は、理由や根拠が明確で、内容を素直に受け入れやすかった。評価結果にも納得感があった。

スーパーバイザー​

スーパーバイザー

人と変わらぬ評価で安心指導!

熟練評価者と同様に会話の流れまで加味した評価が出力されるので、指導への不安が軽減し、指導の準備工数も削減した。

マネージャー

マネージャー

AIのアドバイスで負担軽減!

AIのアドバイスにより、オペレーターが自律的に品質改善を実施。育成負担が減少し、業務効率の向上が期待される。

今後の取り組み

東芝ITサービスは、IT機器からIoT機器まで、幅広いシステムのライフサイクルを通じて、社会や人々の暮らしを支えるサービスを提供しています。
サービスの中核を担うオペレーターのモチベーションは、応対品質や顧客満足度に直結します。同社では、働きやすい環境づくりを通じて、サービス品質の向上を目指しています。
現在は、「応対品質評価サービス」の本格導入に向け、セルフ品質改善の仕組みを推進中です。さらに、現場のニーズに即した新技術の活用も検討しており、AIによる評価支援など先進的な取り組みが進められています。
これらの施策は、業務改善だけでなく、顧客との信頼構築にもつながる重要な取り組みです。同社は今後も、現場の声を活かしながら、より良いサービスの提供に挑戦し続けます。

COMPANY PROFILE

東芝デジタルソリューションズロゴ

会社名
東芝ITサービス株式会社

設立
2002年10月

代表者
取締役社長 多田 智紀

本社所在地
神奈川県川崎市川崎区日進町1-53

事業内容
PIサービス(プラットフォームインテグレーション)、KDIサービス(キッティング&デバイスマネジメント)、工事サービス、保守サービス、リモートマネジメントサービス、オンサイトマネジメントサービス

URL
https://www.it-serve.co.jp/index_j.htm
(※東芝ITサービス株式会社公式サイトへ遷移します。)

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