ニュースリリース

NEWS RELEASE


倉庫運用管理システム(WES)新製品の営業開始について

~「人と機械のベストマッチ」による物流現場の最適化に貢献~

2023年05月08日

東芝インフラシステムズ株式会社

 当社は、人の作業を管理する倉庫管理システムと機械の制御を管理する倉庫制御システムを連携させる倉庫運用管理システム(WES:Warehouse Execution System)の新製品の営業を開始しました。従来のシステムより出荷オーダー最適化と需要予測・進捗未来予測を強化することで、人と機械のベストマッチを実現し、物流現場の最適化に貢献します。

 物流業界では、労働力人口の減少、荷物の小口化多頻度化、サプライチェーン多様化などの課題が顕在化しています。倉庫現場では、刻々と状況が変わる中、締切り時間を遵守するために限られた人員で高負荷な作業を続けなければならない状況となっています。
 このため、荷物の入出庫や在庫管理など、人が行う作業を管理する倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)や荷降ろし・搬送等のロボットの導入、さらにロボット・コンベヤー・ソーターなどの機械を制御する倉庫制御システム(WCS:Warehouse Control System)の活用が進んでいます。
 一連の倉庫業務を効率よく進めるには、機械と人(倉庫作業者)と高度に連携することが求められます。しかし、人を管理するWMSと機械を制御するWCSの2つのシステムは通常統合されていないため、人と機械の作業を適切に配分し、効率的な運用を行うには、経験と勘に頼らざるを得ないのが現実でした。

 WESはWMSとWCSを連携させるクラウドサービスです。物流現場の人と機械の稼働状況データを収集して見える化・蓄積・分析することで、作業の完了時間を予測して適切なリソース配分を指南するなど、現場が抱える様々な課題を解決し、倉庫全体の運用を最適に計画・実行します。今回、WMSから受信した出荷指示の処理順を並び替えることにより、搬送された棚1台からピッキングできる件数を向上させる出荷オーダー最適化機能および過去の実績データを元に当日に受信する明細数を予測して当日の作業終了時間と次の1ヶ月間の作業量を予測する需要予測・進捗未来予測機能を強化しました。

 これまで当社は物流顧客向けに画像認識技術やロボティクス技術を応用したデパレタイズ(荷降ろし)ロボットを製品化し、業務提携した中国ムシニー社の棚搬送ロボットシステムを提供するなど、物流顧客向けに自動化・省力化ソリューションの販売を進めてきました。
 今後はWESの強化に向けて、さらなる見える化、分析・予測、最適化の適用範囲拡大や高付加価値サービスの提供に向け、株式会社東芝研究開発センター、生産技術センター、東芝デジタルソリューションズ株式会社との協働を続け、物流ソリューション事業の強化を進めて参ります。

WESの特徴

  1. 倉庫内作業の「見える化」と「分析・シミュレーション」による進捗把握
    人・システムのタスクや負荷状況データを収集、リアルタイムに集計し、見える化します。
    作業完了予定時間をシミュレーションすることで、作業遅れのリスクに早期に対処できます。
  2. 作業に対する要員割り当てなどを最適化し、リソースを最大活用
    分析・シミュレーションに基づき、倉庫内リソースの最大活用、スループットを全体最適化します。
    進捗予測で遅れが見込まれる場合、エリア間の要員調整などを最適にナビゲーションします。
  3. データ変換ツールを利用したスムーズなシステム連携
    さまざまなWMS、その他のシステムとのデータ連携・編集を容易にする物流分野のデータ変換に特化したツールにより、既存システムとスムーズに連携します。
  4. 出荷オーダー最適化
    WMSから受信した出荷指示の処理順を並び替えることにより、ヒット率(搬送された棚1台からピッキングできる件数)を向上。総ピッキング時間を短縮して、時間当たりのピッキング処理能力を向上します。
  5. 需要・進捗未来予測
    過去の実績データを元に当日に受信する明細数を予測して当日の作業終了時間と次の1ヶ月間の作業量(明細数)を予測します。終了時間予測の精度を向上して出荷締切り時間の遵守を図ります。
WES製品概要

①出荷オーダー最適化

受信した出荷指示情報の処理順を並び替えることにより、棚搬送ロボットであれば搬送された棚1台からピッキングできる件数を向上し、時間当たりのピッキング処理能力を改善します。

出荷オーダー最適化

②需要予測・進捗未来予測

当日途中経過と過去実績データから当日総件数と業務終了時刻を予測して、終了時刻予測の精度を向上します。
予測に基づいた迅速な要員追加対応等により、出荷時間を遅延することがないように業務進捗管理を行うことができます。

出庫の実績と予測をリアルタイムで表示

需要・進捗未来予測

予測総行数:当日1日分の総行数を予測し表示。受信済行数で補正される。
受信済み行数:受信済み明細数の積算値を表示
計画進捗:予測総行数に対する計画値。曜日毎に過去の進捗実績と予測総行数から算出。
処理行数:出庫実績数の積算値
処理行数(予定):現時点の生産性が継続した場合の予測線を表示

東芝インフラシステムズ株式会社 ロボティクス・物流システムソリューション紹介サイト
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/security-automation/robotics-logistics.html

 

訂正:「出荷オーダー最適化」の説明に誤りがあったので訂正しました。(2023年5月15日)