ニュースリリース

NEWS RELEASE


全国の大学・研究機関によるIoTセキュリティソリューション「CYTHEMIS™」の導入について

~セキュアな環境を構築して研究開発を支援~

2023年02月27日

東芝インフラシステムズ株式会社

 当社のIoTセキュリティソリューション「CYTHEMIS™」(サイテミス)は、文部科学省マテリアル先端リサーチインフラ(ARIM)事業において、全国25の大学・研究機関で導入・活用されることになりました。情報セキュアなネットワーク環境を構築することで各大学・研究機関の先端共用設備から創出される高品質なマテリアルデータを、物質・材料研究機構が整備するデータ基盤へより安全・効率的・継続的に蓄積を行うことが可能となりました。これによりマテリアルデータのデータ創出から、データ統合・管理、そしてデータ利活用まで、一気通貫したマテリアル研究を推進するマテリアルDXプラットフォーム構想を支援します。

 ARIM事業は2021年度(令和3年度)より開始され、全国各地に整備し蓄積してきたナノテクノロジープラットフォームの優良な研究基盤および新たに導入する最先端・ハイスループットの設備を活用し、産学官の多様な利用者からの先端設備の共同利用を可能とする環境や、高品質なデータの創出が可能なデータ共用基盤の整備を実施しています。また、蓄積された高品質で膨大なデータ群を利活用可能なデータセットへと構造化し、特定の条件の下、進展の著しいAIを活用したマテリアルズ・インフォマティクスや研究設備の自動化・ロボティクス等のデータ駆動型研究、データ活用型研究に供してゆきます。

 本活動にあたり、データを省人的、かつ効率的に蓄積するためには日本全国の広域にわたる各機関の共用設備機器のネットワーク化が必要となります。一方で各機関からは「OSのアップデートが出来ず、ネットワーク化に困っている」、「機器やネットワーク全てを更新するには大きなコストや手間がかかる」、「(内部からの脅威拡散等)セキュリティ面の不安がある」といった機関特有、または機器固有の課題がありました。

 CYTHEMIS™は、OSのアップデートやセキュリティソフトのインストールが出来ない等、セキュリティ対策を取りにくいPCや機器をサイバー攻撃から守りつつ、通信させたい先までのセキュアなネットワーク化を実現する小型のハードウェアデバイスと、それを管理するシステムのパッケージソリューションです。
 外付けのエンドポイントソリューションであるため、OSの種類やバージョンに依存せず、セキュリティソフト等がインストール出来ない古い仕様・規格に基づく機器・装置にも適用可能で、様々な環境下で導入可能です。ハードウェアデバイスは、デバイス間の相互認証やホワイトリスト機能を有するため、不正アクセスやマルウェア感染の可能性を削減しつつ、ネットワーク化することができます。管理システムは、ハードウェアデバイスのリモート設定に加えて、ハードウェアデバイスが検知したセキュリティ異常を収集し、可視化することができるため、早めの対応を取ることが可能です。また、ハードウェアデバイスを一元管理し、リモートアップデートも可能なため、ネットワーク化を安心して進めることができます。

 当社は、ネットワークに接続しづらい機器でも外付けのデバイスを使ってセキュアな通信を実現し、かつ外部からの不正侵入を防ぎ、内部における脅威の拡散も防ぐCYTHEMIS™の機能を活用することで、ARIM事業における設備機器のネットワーク化に貢献しました。

 今後当社は、今回の成果を活かし、インフラ・工場のセキュリティ強化に加えて、開発拠点・研究機関、医療機関等の同様の課題をかかえるスタンドアロン端末群のIoT化へのセキュリティ課題の解決にも積極的に取り組んでいきます。

CYTHEMIS™デバイスとシステム(イメージ)

※マテリアルDX(デジタルトランスフォーメーション)プラットフォーム構想:
政府の「マテリアル革新力強化戦略」(令和3年4月統合イノベーション戦略推進会議決定)で織り込まれたマテリアルの研究開発力を大幅に強化する、我が国全体で高品質なマテリアルデータが持続的かつ効果的に創出、共用化、蓄積、流通、利活用される産学官のプラットフォームの事業構想