ニュースリリースNEWS RELEASE
産業用コンピュータの新製品を発売
2019年12月25日
当社は、産業用コンピュータシリーズの新モデルとして、「CP30 model 300」の販売を開始しました。
小型組込み産業用コンピュータ CP30 model 300
近年、産業・インフラ分野ではIoT(Internet of Things)技術の活用が推進されており、フィールド機器から取得した様々なデータの蓄積と分析を行って工場設備のモデル化や稼働状態の最適化を行うCPS(Cyber Physical System)が必要とされています。しかし、収集した膨大なデータをすべてクラウド側で処理しようとするとデータ演算処理や通信トラフィックの負荷が過大となってリアルタイムでの処理を阻害するおそれがあります。そこで分散したエッジ部で一部データの処理を行うエッジコンピューティングが注目されています。特にフィールド機器の近傍で行われるエッジコンピューティングでは、産業用途向けとして厳しい設置環境で安定稼働を継続することはもちろんのこと、限られたスペースへの設置や、周辺装置に合わせた電源駆動、停電対策等が求められます。これらニーズに向け、東芝産業用コンピュータでは「CP30 model 300」を開発しました。
「CP30 model 300」では、長年培ってきた頑健性、メンテナンス容易性、RAS(Reliability,Availability,Serviceability)機能、長期供給・長期保守を継承しながら、CPUには低消費電力プラットフォームのIntel Atom® x5-E3940プロセッサ(1.6GHz/4コア)を採用し、自然空冷によるファンレス化を実現しました。さらにストレージにはSSDを採用することでスピンドルレス化し、高い信頼性とメンテナンス性の強化を実現しました。
当社は、社会インフラシステムや産業オートメーションシステムで求められる信頼性や耐環境性、メンテナンス容易性を継承していくとともに、昨今のCPS構築やエッジコンピューティングに要求される機能を実現する製品を提供し、IoT技術活用の推進に貢献していきます。
新製品の主な特長
- 1.
- 低消費電力かつ高性能Intelプラットフォームの採用
ファンレス機に適した低消費電力プラットフォーム Intel Atom® x5-E3940プロセッサ(1.6GHz/4コア)を採用し、低消費電力ながら4コアCPUの安定した動作を実現しました。 - 2.
- 耐環境性能の向上
装置組込み向けの低消費電力プラットフォームの採用により発熱を抑制し、専用設計のヒートシンクによって筐体内部を効率よく冷却する構造として、自然空冷による冷却効率を高め、0~50℃(メインメモリ4GB、OSシャットダウン用バッテリ非搭載時)の設置環境温度を実現しました。また、補助記憶装置にSSDを採用することで、HDDなどの機械駆動部分を排除したスピンドルレス構造とし、より高い耐環境性能を実現しました。 - 3.
- 設置環境に合わせた電源駆動
設置する場所や組込む装置に合わせて、電源タイプをDC(定格電圧DC24V)電源モデル、AC(定格電圧AC100V-AC240V)電源モデルから選択可能です。また、オプションのOSシャットダウン用バッテリ搭載時は、供給電源を断たれても自動的にバックアップ電源駆動に切り替えて、OSを正常にシャットダウンさせることが可能です。 - 4.
- セキュリティ機構の強化
本体の盗難防止のため、本体ロック金具やワイヤーロックを取り付けるためのセキュリティスロットも標準搭載しています。 - 5.
- レガシーインタフェース/ソフトウェアの継承
産業システムで必要なRS-232Cインタフェースを1ポート標準搭載し、拡張スロットについても、PCIe(1スロット)を標準搭載しているため、既存のハードウェア資産の有効活用が行えます。 - 6.
- 長期安定供給、長期保守サービス
販売開始後5年間(2024年12月まで)、同一機種の製品供給を行います。また、販売終了後さらに継続して7年間(2031年12月まで)の保守サービスを行います。また、保守対応期間の3年延長の有償オプションにより最大2034年12月までの保守サービスを行います。長期安定供給・長期保守により、システムや装置への継続的な組込みや段階的システム増設が円滑に行えます。
新製品の主な仕様
型名 | CP30 model 300 |
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CPU | Intel Atom®※ x5-E3940プロセッサ(1.6GHz/4コア) |
主メモリ | DDR3L-SDRAM(DDR3L-1600) 4GB(4GB×1)または8GB(8GB×1) |
補助記憶装置 | SATAインタフェース接続の2.5型SSDを最大1台本体に実装可能。 |
標準インタフェース | COM(RS-232C)×1ポート USB3.0×2ポート、USB2.0×2ポート LAN(1000BASE-T/100BASE-TX/10 BASE-T自動切替)×2ポート DisplayPort※×1ポート |
拡張スロット | PCI Express(x1レーン)×1スロット |
RAS機能 | CPU温度上昇検出、筐体内温度検出、内部電圧検出、CMOSSバッテリ状態監視、OSシャットダウン用バッテリ状態監視、メモリエラー検出、PCIバスエラー検出、ディジタル入出力(DI/DO 各4点、リモートON/OFF用 1点、リモートイニシャライズ用 1点)、ウォッチドッグタイマ監視(システム起動時/システム稼働時)、ソフト電源オフ(シャットダウン)、リモートイニシャライズ、リモートパワーオン/オフ、RASメモリへの異常情報保存、稼働時間監視機能、温度情報トレンド機能、シミュレーション機能 |
電源装置 |
[DC電源モデル時] 定格電圧DC24V、許容電圧DC20.4V-DC26.4V [AC電源モデル時] 定格電圧AC100V-AC240V、許容周波数50/60Hz±3Hz |
寸法、質量 | [DC電源モデル時] 幅:114mm 高さ:164mm 奥行き:174mm(突起部不含) 質量:約2.5kg [AC電源モデル時] 幅:222mm 高さ:114mm 奥行き:221mm(突起部不含) 質量:約3.0kg |
OS | Windows® 10 IoT Enterprise 2016LTSB |
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- Intel Atomは、アメリカ合衆国および / またはその他の国におけるIntel Corporationの商標です。
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- DisplayPortは、Video Electronics Standards Association の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
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- MicroSoft、Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国および他の国における商標または登録商標です。
Windowsの正式名称は、MicroSoft Windows Operating Systemです。 - *
- 商品の名称は、それぞれ各社が商標または登録商標として使用している場合があります。
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産業システム事業部 産業システム・計装営業部 制御営業担当
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